5-1-3 ルールを読む夜
リバックラインの通知が、いつもより硬い音に聞こえた。
もちろん、通知音が変わったわけではない。
変わったのは、送られてきた内容だった。
Sara@権利確認:
Sound Sessionのレギュレーションについて、現時点で分かっている範囲を整理しました。
全員、今日のうちに一度確認してください。
ただし、まだ正式要項ではなく、過去開催分と周辺情報からの暫定整理です。
確定情報が出たら差し替えます。
そのあとに、PDFではなく、長文メッセージが続いた。
Ninaがすぐ反応した。
Nina@広報:
Saraさんの「一度確認してください」は、絶対一度じゃ済まないやつ
Miwa@物販:
すでに怖いです
Yui@庶務・作業表:
状態:レギュレーション理解前の緊張
Kate@外部連絡:
今日はSara中心で進めましょう。
私も確認していますが、規約や評価まわりはSaraの整理が一番正確です。
wata@Technician:
え、これ俺らもここで読む感じ?
mcRC@Scene Maker:
読む感じやな
EGUI@Straight Type:
読まないと出られない
wata@Technician:
歌手がみんな頭いいと思うなよ
Sara@権利確認:
だから噛み砕きます。
Nina@広報:
強い
Miwa@物販:
権利確認の女神
Sara@権利確認:
女神ではありません。
説明します。
その一文で、グルチャの空気が少し整った。
Yuiが先に動いた。
Yui@庶務・作業表:
議題を作ります。
1. 大会形式
2. 1試合の内容
3. 観客規模と入場導線
4. 評価基準
5. 勝敗ポイント
6. 予選リーグと決勝進出
7. 3曲構成への対応
wata@Technician:
もう会議やん
mcRC@Scene Maker:
会議やな
EGUI@Straight Type:
大会は会議から始まる
wata@Technician:
ラッパーの夢を壊すな
Kate@外部連絡:
提出期限で壊れるよりはいいです。
wata@Technician:
正論の人数が多い
Saraは、そこには乗らなかった。
本当に説明を始めた。
Sara@権利確認:
まず、Sound Session本戦は7チームです。
誰でも申し込めば出られるものではなく、事前選考があります。
Sara@権利確認:
選考では、活動実績、一定の認知、現在の勢い、ステージ力、独自性、本戦に出す意味があるか。
おそらく、そのあたりが見られています。
mcRC@Scene Maker:
つまり、本戦にいる時点で、全員ある程度強い
Sara@権利確認:
はい。
EGUI@Straight Type:
一戦目から軽くないな
wata@Technician:
本戦出場で、まずふるいにかけられてるわけね
Nina@広報:
「出場できた時点で注目株」って見え方にはなりそう
Kate@外部連絡:
ただし、外向きにそう煽りすぎるのは避けます。
正式な言い方は後で整えます。
Miwa@物販:
出るだけでもすごいのに、そこからさらに戦うの、胃が痛いです
Yui@庶務・作業表:
項目1:本戦7チーム、事前選考あり
Saraは続けた。
Sara@権利確認:
次に、試合形式です。
7チーム総当たり戦ベース。
各チームは最大6試合を戦います。
wata@Technician:
6回!?
mcRC@Scene Maker:
7チームやから、自分たち以外の6チーム全部と当たるってことやな
EGUI@Straight Type:
一回だけでは終わらん
Sara@権利確認:
はい。
1回の出来だけではなく、複数試合を通して見られます。
Nina@広報:
初日よかった、次どうなる、って見られるやつですね
Kate@外部連絡:
そうです。
ただし、こちらから先に物語化しすぎるのは避けます。
実際の結果が出る前に、勝手に見せ方を固定しない方がいい。
wata@Technician:
広報と外部連絡がアクセルとブレーキしてる
Nina@広報:
私はアクセルだけじゃありません
Sara@権利確認:
時々アクセルです。
Nina@広報:
Saraさんまで!?
Yui@庶務・作業表:
項目2:7チーム総当たり、各チーム最大6試合
Saraは、次の説明に入った。
Sara@権利確認:
1試合につき、各チームは3曲を披露します。
グルチャが一瞬、止まった。
wata@Technician:
3曲?
mcRC@Scene Maker:
1試合で3曲か
EGUI@Straight Type:
一曲勝負じゃないんやな
Sara@権利確認:
はい。
一曲ずつ披露してもいい。
曲間にMCを入れてもいい。
曲同士をつなげてもいい。
曲順、MC、つなぎ、全体の流れも演出として見られます。
wata@Technician:
急に難しい
mcRC@Scene Maker:
ただ強い曲を3曲置けばいいわけじゃない
EGUI@Straight Type:
3曲で何を渡すかやな
Nina@広報:
1曲目で入口、2曲目で展開、3曲目で残すもの。
そういう見え方はできそう。
Miwa@物販:
それ、めちゃくちゃリバクラっぽいです
Yui@庶務・作業表:
1試合=3曲構成
曲間MC可
曲順・つなぎ・流れも演出
wata@Technician:
これ、曲の間どうすんの問題あるな
mcRC@Scene Maker:
ある
EGUI@Straight Type:
曲間が弱いと、3曲がバラける
wata@Technician:
それ、あとで話すやつやな
Sara@権利確認:
はい。
今は説明だけにしてください。
作戦会議に入ると長くなります。
wata@Technician:
怒られた
Kate@外部連絡:
怒ってはいません。
止めています。
wata@Technician:
もっと強い
リバクラ側の三人は、それぞれスマホを見ながら黙った。
3曲。
それは、想像していたより重い。
一曲だけなら、ぶち上げることもできる。
一曲だけなら、強い言葉で押し切ることもできる。
一曲だけなら、客席に一点突破で刺しに行くこともできる。
でも、3曲は違う。
入口。
展開。
残すもの。
その流れを作らないといけない。
ただ曲を並べるだけでは、リバクラの意味が弱くなる。
Saraは、さらに続けた。
Sara@権利確認:
開催日程についてです。
全体では複数日開催。
1日あたり3〜4試合程度が想定されています。
mcRC@Scene Maker:
全試合で21試合か
wata@Technician:
出た、計算
EGUI@Straight Type:
7チーム総当たりなら21試合
wata@Technician:
歌手がみんな組み合わせ計算できると思うなよ
Yui@庶務・作業表:
計算式は作業表に入れません。
結果だけ入れます。
wata@Technician:
助かる
Sara@権利確認:
大事なのは、日をまたいで大会の印象が変わることです。
初日の評判が、次の日以降の観客数や注目度に影響します。
Nina@広報:
ここ、かなり大事です。
初日のレベルが高いと、一気に広がります。
Kate@外部連絡:
ただし、予測で断定しないこと。
「注目されるはず」と外に出すのは危険です。
Nina@広報:
はい。
内部共有に留めます。
Miwa@物販:
観客数って、どれくらいなんですか?
少しだけ間が空いた。
Saraが、次のメッセージを置いた。
Sara@権利確認:
最大級のメイン会場で、約55,000人規模を想定しています。
初日は、その約5分の1。
つまり、約11,000人規模です。
グルチャが止まった。
今度は、笑いではなかった。
wata@Technician:
一万一千?
mcRC@Scene Maker:
初日で?
Sara@権利確認:
はい。
あくまで想定規模です。
EGUI@Straight Type:
多いな
Miwa@物販:
一万一千人って、普通に大きすぎませんか
Kate@外部連絡:
この大会自体、かなり力を入れているようです。
過去にも似た形式の大規模イベントを行っていて、その時のデータを参照していると見ています。
Nina@広報:
つまり、いきなり思いつきで巨大化してるわけじゃなくて、過去データありなんですね
Sara@権利確認:
はい。
もちろん今回の正式資料はこれからですが、運営側に蓄積がある前提で見た方がいいです。
wata@Technician:
相当やな
mcRC@Scene Maker:
相当やな
EGUI@Straight Type:
人を入れるだけでも大仕事や
Miwaが、少しだけ現実的な顔になった。
Miwa@物販:
チケット代は?
Kate@外部連絡:
比較的安価に設定されているようです。
入口を広げる意図があると思います。
Nina@広報:
なるほど。
高額チケットで絞るんじゃなくて、入ってもらう母数を広げる感じか。
Sara@権利確認:
ただし、事前購入が前提です。
当日券があるかどうかは未確認。
現時点では、入場管理のためにも事前購入を軸に考えた方がいいです。
Yui@庶務・作業表:
観客規模:初日約11,000人想定
チケット:安価設定、事前購入前提
目的:入口を広げる、入場管理を安定させる
wata@Technician:
一万人入れるって、聞くだけなら「すごい」で終わるけど、入場さばくの地獄やな
EGUI@Straight Type:
止まったら全部詰まる
Kate@外部連絡:
そこで導線です。
Kateの文面が少し硬くなった。
それは、仕事の顔だった。
Kate@外部連絡:
入場は、かなり整理されているようです。
チケットは事前購入。
入場時は確認しやすい状態で提示。
荷物は、最初から一つまで。
中身が見えるバッグ、または確認しやすい形が推奨されています。
Miwa@物販:
荷物ひとつまで?
Kate@外部連絡:
はい。
大きい荷物、確認に時間がかかる荷物、持ち込み制限に引っかかる可能性がある荷物は、入場時に止まります。
Sara@権利確認:
危険物、録音録画機材、持ち込み不可物、飲食物、その他規約上の確認対象ですね。
詳細は正式要項待ちです。
Nina@広報:
めんどくさい人は?
Sara@権利確認:
表現を整えるなら、確認に時間がかかる方です。
wata@Technician:
Ninaさんの言い方、強い
Kate@外部連絡:
ただ、実務としてはその通りです。
荷物検査に引っかかるような人は、その場で全体を止めず、後回しにされる導線になるはずです。
それ以外の人は即入場できる。
Yui@庶務・作業表:
入場導線:
事前購入チケット
荷物は一つまで
確認しやすいバッグ
検査対象は別導線
問題ない人は即入場
Miwa@物販:
観客側も協力しないと回らないやつですね
Kate@外部連絡:
そうです。
この規模になると、運営だけではなく、観客の協力も含めて成立します。
EGUI@Straight Type:
客席も現場の一部やな
mcRC@Scene Maker:
それはそうやな
wata@Technician:
一万人の入口、想像しただけで胃にくる
Nina@広報:
でも、そこまで導線を作ってるなら、かなり本気ですね
Kate@外部連絡:
本気です。
その短さに、全員が少し黙った。
本気。
その言葉は、やけに重かった。
ただステージを用意するだけではない。
出演者を並べるだけではない。
観客を入れて、止めずに流し、楽しませて、危なくなく帰す。
そこまで含めて大会だった。
wataが、少しだけ画面の向こうで息を吐く。
wata@Technician:
これさ
mcRC@Scene Maker:
うん
wata@Technician:
大会をやる人たちと、実際にやる側って、けっこう見てるもの違うな
EGUI@Straight Type:
違うな
mcRC@Scene Maker:
運営は、人を入れて、安全に回して、成立させる
wata@Technician:
俺らは、そこで何を鳴らすか
Nina@広報:
どっちも大事だけど、同じものは見てないですね
Sara@権利確認:
だから、規約と現場感の両方を見ないといけないんだと思います。
Miwa@物販:
勝ちだけ考えてたら、たぶん飲まれますね
その言葉に、三人が少し黙った。
勝ちだけ。
大会に出るなら、勝ちは見る。
勝つ気がないなら、出る意味は薄い。
相手にも、観客にも、失礼になる。
でも、この規模、この導線、この観客、この現場を見ると、勝ちだけを握りしめて立つのは、何か違う。
本質は、目の前の観客に何を渡せるかだった。
Saraは、空気が沈みすぎないように、次へ進めた。
Sara@権利確認:
評価基準に入ります。
実際の審査ポイントは、もっと細かく多岐にわたるはずです。
ただ、今ここで全部を並べると分かりにくくなるので、大きく3枠に整理します。
wata@Technician:
助かる
EGUI@Straight Type:
分かりやすさは大事
Sara@権利確認:
大枠は、
審査員評価。
観客評価。
変化・チャレンジ評価。
この3つです。
Yui@庶務・作業表:
作業表もこの3枠で作ります。
Sara@権利確認:
審査員評価は5点。
見るのは、技術完成度、構成力、表現力、独自性、ステージ支配力。
mcRC@Scene Maker:
完成度を見る枠やな
Sara@権利確認:
はい。
ラップ、発声、リズム、音程、音源処理、3曲構成、世界観、伝達力、ステージ全体の制御。
大きく言えば、ステージとして成立しているかを見る枠です。
wata@Technician:
ここ、ごまかせないな
EGUI@Straight Type:
ごまかしたら見える
Nina@広報:
審査員評価5点は、ちゃんと強いチームが強い枠ですね
Sara@権利確認:
そうです。
Saraは続けた。
Sara@権利確認:
観客評価も5点。
これは演奏中の反応を見る枠です。
拍手、歓声、フック返し、会場の熱、初見客の巻き込み、演奏中の一体感。
wata@Technician:
ここは取りたい
mcRC@Scene Maker:
取りたいな
EGUI@Straight Type:
でも、知ってる人だけが返す形では弱い
wata@Technician:
初見も入れる形にしないと、観客評価にならんか
Nina@広報:
そこです。
リバクルーだけが盛り上がると、内輪に見える可能性があります。
mcRC@Scene Maker:
濃いまま入口を作る
Miwa@物販:
それ好きです
Sara@権利確認:
最後に、変化・チャレンジ評価。
2点です。
wata@Technician:
ここ、今回一番ややこしいやつ
Sara@権利確認:
はい。
これは「進化したから偉い」という意味ではありません。
前回と違う見せ方があるか。
同じ型に安住していないか。
新しい挑戦があるか。
相手や会場に合わせて構成を変えているか。
安全な勝ち方だけを繰り返していないか。
そこを見る枠です。
EGUI@Straight Type:
完成品でも求められる評価やな
Sara@権利確認:
そうです。
完成度が高いことは強みです。
でも、毎回同じ型だけだと、変化・チャレンジ評価では伸びにくい。
逆に、ただ変わればいいわけでもありません。
成立した上で変わる必要があります。
wata@Technician:
つまり、変化っていうより、使える変化か
Sara@権利確認:
その理解でいいと思います。
mcRC@Scene Maker:
相手を見る。客席を見る。その日の場を見る。
それで形を変えられるか。
Sara@権利確認:
評価基準まとめです。
審査員評価:5点。
観客評価:5点。
変化・チャレンジ評価:2点。
合計12点満点。
wata@Technician:
12点満点か
Sara@権利確認:
ただし、読める範囲での整理です。
実際の採点は細目、審査員の合議、同点時の扱いなどがある可能性があります。
単純な足し算だけで全てが決まるとは限りません。
EGUI@Straight Type:
細かく計算しても本質を外す
mcRC@Scene Maker:
大枠を見ればいい
Sara@権利確認:
はい。
細かい点数表を作るより、どの枠で何を見られるかを把握する方が大事です。
Kateが続けた。
Kate@外部連絡:
次に、勝敗ポイントです。
各試合の評価をもとに勝敗が決まります。
その勝敗に応じて、リーグ用のポイントが入ります。
Sara@権利確認:
勝ち:3点。
引き分け:1点。
負け:0点。
wata@Technician:
シンプルに重い
EGUI@Straight Type:
負けたら0
mcRC@Scene Maker:
でも、1回負けたら即終了ではない
Sara@権利確認:
はい。
ただし、負け方や点の落とし方によっては、後半で残れなくなります。
Yui@庶務・作業表:
勝敗ポイント:勝ち3、引き分け1、負け0
同点時や細目は正式要項待ち
Nina@広報:
分かりやすいけど、怖いですね
Miwa@物販:
負け0って見ただけで胸がきゅっとします
EGUI@Straight Type:
勝負やからな
wata@Technician:
その一言で済ませるな
EGUI@Straight Type:
でも勝負や
wata@Technician:
そうなんやけど
Saraは、最後の大きな項目に入った。
Sara@権利確認:
予選リーグと決勝進出についてです。
ここが少し重要です。
wata@Technician:
もうすでに怖い
mcRC@Scene Maker:
聞こう
Sara@権利確認:
7チーム総当たりは、あくまで予選リーグ扱いです。
予選終了後、上位2チームが決勝へ進みます。
グルチャが、少し止まった。
EGUI@Straight Type:
総当たりで即優勝じゃないんやな
Sara@権利確認:
はい。
予選リーグで最上位になっても、その時点で優勝確定ではありません。
上位2チームが決勝へ進み、そこで正式に優勝を決める形です。
wata@Technician:
それ、だいぶ大事やん
mcRC@Scene Maker:
5勝0敗のチームが出ても、そこで終わりじゃないってことか
Sara@権利確認:
そうです。
その場合は、1位通過、または決勝進出確定に近い状態になります。
ただし、優勝は決勝で決まります。
Nina@広報:
つまり、強いチームが予選で突っ走っても、最後にもう一回大きい山がある
Kate@外部連絡:
大会としては、その方が盛り上がりますね。
予選リーグで全体の実力を見せて、最後に上位2チームで決める。
Miwa@物販:
心臓に悪いです
Yui@庶務・作業表:
項目追加:
7チーム総当たり=予選リーグ
上位2チームが決勝進出
予選1位でも優勝確定ではない
正式な優勝は決勝戦で決定
Sara@権利確認:
さらに、第5戦終了時点で、上位2チームに入る可能性が消えたチームは、実質的に決勝進出が厳しくなります。
第6戦まで残れるかどうか、また第6戦にどれだけ意味が残るかは、勝敗ポイントや評価点の積み重ねに左右されます。
wata@Technician:
つまり、全チームが最後まで同じ重さで戦えるわけじゃない
Sara@権利確認:
はい。
最大6試合ですが、第5戦終了時点で決勝進出の可能性がない、またはかなり薄くなれば、最終戦の意味は変わります。
EGUI@Straight Type:
きついな
mcRC@Scene Maker:
でも、分かりやすい
Nina@広報:
第6戦があるチームは、まだ決勝に行ける可能性が残ってるチームって見え方になるんですね
Kate@外部連絡:
そうです。
特に上位争いのチーム同士が第6戦で当たる場合は、事実上の準決勝、または決勝進出戦になります。
wata@Technician:
実質決勝じゃなくて、決勝進出戦か
Sara@権利確認:
はい。
そこは言い方を間違えない方がいいです。
正式な決勝は、予選リーグ後にあります。
Yui@庶務・作業表:
第6戦の表現:
実質決勝ではなく、決勝進出戦/事実上の準決勝
Miwa@物販:
それでも重いです
EGUI@Straight Type:
十分重い
mcRC@Scene Maker:
勝てば決勝。負ければ終わり。
それなら、実質的にはめちゃくちゃ重いな
wata@Technician:
胃が終わる
Nina@広報:
でも、見る側は燃えます
Kate@外部連絡:
外向きに煽るなら、正式表現は慎重に。
「実質決勝」ではなく、「決勝進出を賭けた最終戦」ですね。
Sara@権利確認:
その表現が安全です。
Yui@庶務・作業表:
表現メモ:
× 実質決勝
○ 決勝進出戦
○ 事実上の準決勝
○ 決勝進出を賭けた最終戦
wata@Technician:
言葉の管理が厳しい
EGUI@Straight Type:
でも大事や
mcRC@Scene Maker:
勝手に優勝とか言ったらズレるしな
Sara@権利確認:
はい。
リーグの順位、決勝進出、優勝は分けて考えます。
Yui@庶務・作業表:
整理します。
1. 予選リーグは7チーム総当たり
2. 各チーム最大6試合
3. 上位2チームが決勝進出
4. 予選1位でも優勝確定ではない
5. 第6戦は優勝決定戦ではなく、決勝進出戦になり得る
6. 正式な優勝は決勝で決まる
Nina@広報:
これ、かなり大事ですね
Miwa@物販:
一気に大会っぽくなりました
wata@Technician:
大会っぽいというか、普通に大会や
EGUI@Straight Type:
もう逃げ場ないな
mcRC@Scene Maker:
逃げる話ちゃうやろ
wata@Technician:
せやな
Sara@権利確認:
ここまでが、現時点の大会形式の整理です。
正式要項が出たら、表現と細部は差し替えます。
Kate@外部連絡:
今の段階では、これ以上踏み込まず、まず全員が形式を理解することを優先しましょう。
Ninaが、少し間を置いて打った。
Nina@広報:
でも、これだけは言っていいですか
Kate@外部連絡:
短くお願いします。
Nina@広報:
この大会、やっぱり相当です。
出演者だけじゃなくて、観客も運営も、全員巻き込んで成立させる規模です。
Miwa@物販:
分かります
Nina@広報:
ただ盛り上げるだけじゃない。
入れる。流す。見せる。帰す。広げる。
全部セットなんだと思います。
Sara@権利確認:
はい。
規約が細かいのも、そのためです。
wata@Technician:
ますます、勝ちだけ握って出るのは違う気がするな
EGUI@Straight Type:
でも勝ちは捨てない
mcRC@Scene Maker:
そこやな
グルチャが、少し静かになった。
mcRCは、ゆっくり打った。
mcRC@Scene Maker:
勝ちは見る。
でも、勝ちだけ見たら飲まれる。
このルールの中で、いかに観客を楽しませるか。
いかに盛り上げるか。
そのために、俺らの価値をどう使うか。
EGUI@Straight Type:
未承認の価値を見つけて、承認する。
それは変えない。
wata@Technician:
で、それを3曲でやる
その一文で、全員が少しだけ黙った。
3曲。
それは、ただの制限ではないのかもしれなかった。
mcRCが見る景色。
wataが走らせる言葉。
EGUIが通す意味。
三人のシーンを、三曲に置ける。
mcRC@Scene Maker:
景色
wata@Technician:
言葉
EGUI@Straight Type:
意味
三つのメッセージが、順に並んだ。
Ninaが、少し遅れて打った。
Nina@広報:
それ、強いです。
Miwa@物販:
泣きそうです
Sara@権利確認:
まだ泣かないでください。
Yui@庶務・作業表:
涙タイミング:未定
Miwa@物販:
また管理された!
wataが、空気を少しだけ戻すように打った。
wata@Technician:
でもさ
mcRC@Scene Maker:
うん
wata@Technician:
3曲ずつやる
EGUI@Straight Type:
ずつ、で合ってる
wata@Technician:
今直される前に直した
Nina@広報:
えらいw
wata@Technician:
これは……
mcRC@Scene Maker:
必要やな
Miwa@物販:
やつ?
wata@Technician:
にく?
Nina@広報:
にく言うなし
EGUI@Straight Type:
じゃあ、牛
Sara@権利確認:
正解です。
wata@Technician:
おい
一瞬、グルチャが止まった。
次の瞬間、Ninaが爆笑したような文字を打った。
Nina@広報:
ちょっと待ってwww
今の流れで正解ですって言うSaraさん何www
Miwa@物販:
牛……
BEEF……
Kate@外部連絡:
その話になりますね。
mcRC@Scene Maker:
うん
EGUI@Straight Type:
必要やと思う
wataは、少しだけ真面目になった。
wata@Technician:
3曲をただ並べるなら俺らだけでもできる。
でも、3曲を一本にするなら、曲間をつなぐ人がいる。
mcRC@Scene Maker:
MCだけでつなぐ手もある。
でも、毎試合それだけで持たせるのはきつい。
EGUI@Straight Type:
音の橋がいる
Kateが、静かに打った。
Kate@外部連絡:
DJ BEEFさんに連絡しますか。
グルチャが、少しだけ重くなった。
BEEF。
その名前を出すだけで、空気が変わる。
ただのDJではない。
曲を壊して、つなげ直す人。
一曲一曲で止まるライブを、一本の流れにする人。
三人が作った熱を、次の曲へ落とさず渡せる人。
wataが、ゆっくり打った。
wata@Technician:
誘うか
mcRCも続けた。
mcRC@Scene Maker:
誘おう
EGUIが最後に置いた。
EGUI@Straight Type:
必要なら、呼ぶ
Ninaがすぐに反応した。
Nina@広報:
この流れでBEEFさん来たら、強いです
Sara@権利確認:
出演形態、クレジット、音源使用、当日の立ち位置は確認が必要です。
Yui@庶務・作業表:
タスク追加:DJ BEEFさんへの連絡可否確認
担当:Kate@外部連絡
確認事項:出演可否、日程、役割、クレジット、機材
Miwa@物販:
牛から正式タスクに進化した
EGUI@Straight Type:
変化・チャレンジ評価やな
wata@Technician:
ここで使うなw
Kateは、最後に短く打った。
Kate@外部連絡:
確認します。
ただし、今日はここまでです。
このまま作戦に入ると、全員止まらなくなります。
Miwa@物販:
もう止まってません!
Sara@権利確認:
だから止めます。
Yui@庶務・作業表:
本日の結論。
1. Sound Sessionの基本レギュレーション確認
2. 観客規模と入場導線の確認
3. 評価基準は三枠で整理
4. 予選リーグと決勝進出の扱いを確認
5. 3曲構成には曲間設計が必要
6. DJ BEEFさんへの連絡を検討
7. 作戦会議は別日
8. 長時間労働禁止
Nina@広報:
8が毎回最強
Kate@外部連絡:
最強であるべきです。
mcRC@Scene Maker:
今日はありがとう。
ちゃんと寝よう。
すぐに、Miwaが返した。
Miwa@物販:
部長が言いそうです
Kateの返信は、少しだけ遅れた。
Kate@外部連絡:
言っていました。
それだけで、また少し静かになった。
wataは画面を見て、笑いながら言った。
「寝るまでが会議やな」
EGUIが言った。
「寝るのも準備や」
mcRCは、スマホを伏せた。
黒い布。
水。
赤ペン。
付箋。
ホワイトボード。
そこには、まだ消されていない文字がある。
景色
言葉
意味
三曲。
それは、ただのレギュレーションではなかった。
リバクラが、リバクラであるために必要な形にも見えた。




