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体育でバレたらおしまい?!

ついに、来てしまった……!この時間が。

入学してほどほど経った今はこの日常に慣れ、友達もチラホラ出来ていて自分も入学早々に出来たグループに入れた。日常会話には事尽きない程度に慣れてきたつもりだ。

(でも……だからって!)

着替えは何度経験しても慣れないし恥ずかしいのだ。

「あー!要新しいキャミじゃない?」

「本当ね」

えりと真夜は恥ずかしげもなく指摘してくる。

「ちょっと!二人ともはしたないですよ」

そうメガネをクイッと上げながら静香は語りかける。

「いーじゃん、女同士だし」

涼は涼しげに静香の言葉を撫でた。

そして僕はなるべく体のラインや下腹部の膨らみに目がいかないように下着の上に長めのキャミソールを着ている。案外バレないものだなとのんきに思いながら過ごしていたがいざ目の前で女の子が着替え始めるとなれば話は別だ。男子が居ないのだから当たり前なのだが躊躇なく脱ぐ彼女達を目の当たりにするととても目に毒だ。

「星野さん、あなたまた大きくなったんじゃない?」

「えー真夜も大きいじゃん?」

そんな事を言い合いながらじゃれている二人を見るとなんとも可愛らしくてたまらない気持ちになる。

「おっ私達も混ざろっか静香」

「混ざりません!へんなところさわらないでください!」

なんて攻防も交わされており更に気まずくというかいたたまれなくなる。大体巻き込まれるか、置いてけぼりになるか、なのだが今回は運悪く空気に徹していたのに見つかってしまった。

「お、要パンツかわい」

涼はそう言いながらキャミソールの裾をあげ、お尻側を見つめる。

「ひゃっやめてよぉ!」

「んふ、かーわい」

そう、からかいザマに言う涼は飄々とした態度だ。やられた方はヒヤヒヤしてしょうがないのだが。だが家族からの援助があるのでバレる事は無いだろう。懸念があるとすれば少し幼げに見られてしまう事くらいだ。

着替えで崩れてしまったツインテールを整えながらロッカーを後にする。

そして体育の授業は終わった。

……のはいいのだが。

「おーい誰かー」

「えり、どお?」

「だめこれ閉じ込められたわ」

「う、うそ……」

何があったのかというと、えりとふざけながら体育倉庫に片付けをしていたらガチャンと言う音とともに鍵を掛けられてしまったのだ。

「まあ授業出てなかったら誰か来るっしょ!」

「そ、そうだね……」

まずい、非常にまずい。女子と二人きりなんてどうしたらいいんだ。

「ひまだなーてか要まじで可愛いよね!」

「うぇ?!そう?ありがと……」

「まじまじ!ちゅーとかしたいし!」

「さ、さすがにそれは!」

「えーだめ?あたしじゃ」

「そういう訳じゃないけど……」

じゃあいーじゃん!と彼女は嬉しそうに反応するがただでさえこの状況なのにち……キスなんて。とても考えたくないものだ。はやく誰か気付いて来てくれと願うばかりで思考が停止しかけているのが隠せずにいた。

「じゃあ……しよっか」

「え?!」

「ちゅー」

そう言いながらえりは、ちゅっと可愛い音をたてながら要の唇にキスを落とす。

要の脳内はファーストキスやら柔らかいやらで瞬く間にいっぱいになってしまった。数秒の出来事なのに数分、数十分にも感じられたその出来事はえりの明るい声で幕を閉じる。

「きゃー!しちゃった!」

「ちょ、とファーストキスなんだけど……!」

「え?まじ?やったー」

ピースをしながら軽やかに答える彼女は腹の底から楽しそうでこの状況を全く憂いていなかった。本当に楽観的なのだ。色々な思いを巡らせながら要は浸っていたが

「おーいいるかー?」

そう担任の声が聞こえると同時にガチャリと鍵の開く音がした。

「お前らなにしてるんだよ」

呆れながら言われるものの何をしていたかなんて言えるはずもなく、誰かが開けてくれるのを待ってました……としか言いようがなかった。流石にえりも同意見なようで、そうなんですーと口を揃えて言った。

「全く……授業行くぞー」

「「はーい」」

やっと出れた、と安堵していると肩をトントンと叩かれ、えりは要の耳に唇を寄せて

「しちゃったね、ちゅー」

と悪戯な笑みで微笑みながら口に人差し指を添えて笑う。そんな行為に顔を真っ赤にしながら答えるとまた楽しそうにからからと笑うえりなのであった。

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