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ドキドキッ入学式です!

僕、天使要(あまつかかなめ)は高校一年生今日から女子校に入学します。そう、男の僕が女子校に……

ことの発端はおばあちゃんが通えなかった女子校に孫を通わせたい。そんなことからこの話は始まりました。両親はこの学校の出ではないものの親戚が教師をしており、あれよあれよという間に入学が決定してしまったのです。

そんな置いてけぼりな僕の気持ちは宙ぶらりんなままスカートに足を滑らせリボンをきゅっと締めると、どこから見ても女子高校生の完成です。小さな頃から女の子の格好をさせられたりクラスの子達にも女の子に間違えられてきた人生でしたがまさか女子として学校に通う事になるなんて。

「ねえお母さん、やっぱりどうにかならない?」

制服を身にまとい朝ごはんを食べながら僕はそう問いかける

「あら、往生際が悪い。おばあちゃんに言われたでしょう?」

「でも……」

「要なら大丈夫!だって可愛いもの」

そう母はいつものように言って返す。

(身内なのに)そう考えながら憂鬱な気持ちでパンを頬張る。

「いってきまーす」

そう言って鞄を持ち家を後にする。暫く通学路を歩いていると

「ねえねえ同じ学校だよね?」

肩にトントンと指を置きながらそう話しかけてくる女の子は制服から見るに僕と同じ高校だった。

「う、うん」

声でバレないかな?と思いながらも気持ち高めに返事をすると、やっぱりーと軽い言葉で受け流されほっとする。

「あたし引っ越してきたばっかでさ、ね名前なんて言うの?」

「天使要……だよ」

「かわいー!あたし星野えり!よろしくね」

「うん、よろしく」

早速友達出来ちゃったかもなんて思いながら星野えり(ほしのえり)の横顔を眺める、サイドテールの髪がふわふわと揺れていてつい見とれてしまうがふと胸元に目線が行ってしまう。男の性だろうか。歩く度に揺れ動くそれはたゆん、と効果音が付きそうな程立派だ。

「なに?どした?」

「いや!べつに……」

とまごついていると

「わかった!胸見てたっしょ」

「ふぇ?!」

「いーよ隠さなくても!要貧乳だし」

そうえりは笑いながら答える(貧乳というより無いんだけどな……)女性物のランジェリーをつけているお陰で並の貧乳くらいには見えるのだろう。少しほっとしながら胸を撫で下ろす。

学校に着き席に着くと本当に女の子だらけでなんだかそわそわと落ち着かない。先生まで女性だった。

自己紹介を終えると少しの休憩時間が設けられた。

「ねえあなた名前は?」

そう前の席にいる如月真夜に話しかけられた。さっき自己紹介したけど……と思いながら

「天使要だよ」

と軽く返す。

「ふうん……これからよろしくね要」

「う、うん」


呼び捨て?と思いながらも笑顔で受け答えをする。

如月真夜(きさらぎまよ)は黒髪ロングの如何にも文系女子って感じだ。そしてやっぱり立派なものをお持ちである。女子の平均はこんなものなのだろうか。


休憩時間が終わりに近づく頃、真夜はふっと微笑んで言った。

「要って、なんか不思議な子ね。目がキラキラしてるっていうか……男の子みたい」

「へ、へえ?」

心臓が跳ね上がる。声は高めに調整してるはずなのに、挙動がまずかったか? でも真夜はただ「ふふっ」と笑うだけで、それ以上追及してこなかった。胸の前で腕を組む仕草で、制服の布地がぎゅっと強調される。さっきのえりと同じくらい、規格外のボリュームだ。


(女子校って……これ全部標準装備なの……?)


僕は小さく唾を飲み込んだ。スカートの上の膝をぎゅっと握る。

午前の授業が終わると、えりが勢いよく席を立って飛んできた。

「要ー! お昼一緒に食べよ! 真夜ちゃんも来なよ〜」

「あら、ご一緒させてもらおうかしら」

「え……いいの?」

「当たり前じゃん! もう要はあたしの友達No.1なんだから!」

えりは僕の腕をぎゅっと抱きしめてくる。柔らかくて、温かくて、甘い匂いがする。しかも二の腕に当たる感触が……やばい。完全に密着してる。

真夜は少し呆れたようにため息をつきながらも、立ち上がった。

「星野さん、急に距離近すぎ。……まあ、要が嫌じゃなければ」

「う、うん! 全然!」

三人で屋上へ向かうことになった。階段を上がる時、後ろを歩くえりが突然言った。

「要の脚、すっごく綺麗じゃん。モデルみたい」

「えっ!?」

「ほら、階段上がるときにチラチラ見えてたもん。細くて白くて……羨ましい〜あたしお肉つきやすくてさ〜」

そうえりは自身の太ももを触りながら言う。

そして真夜が後ろから冷静に補足する。

「確かに。腰のラインも女の子らしいし。……ちょっと触っていい?」

「ちょ、ちょっと待って!?」

制止する間もなく、真夜の細い指が僕の腰に触れた。スカートの生地越しに、優しく撫でられる。

「……うん、締まってる。スポーツやってる?」

「い、いや……特に何も……」

顔が熱い。心臓が爆発しそうだった。

屋上に着くと、意外なことにすでに先客がいた。

「ん? 新顔?」

ブリーチしているであろう短髪の、クール系の美少女。体育座りでサンドイッチを食べながらこちらを見ている。名札には天峰涼(あまみね りょう)とある。

えりがすぐに紹介してくれた。

「涼先輩! 如月真夜と天使要! 今日入ってきた子!」

「……天使要? 珍しい名前だね。というか同学年で先輩はやめてってば」

天峰涼は立ち上がって近づいてくる。身長が高めで、スタイル抜群。胸も……いや、もうやめてくれ。僕は視線がどうしても泳いでしまう。

涼は僕の顔をじっと見つめ、突然顎に手を添えて上向かせた。

「可愛いね。男装趣味?」

「ぶふっ!?」

思わず変な声が出た。

「冗談。……でも、なんか守りたくなる顔してる」

そう言って、涼は僕の頭を軽く撫でた。大きな手。意外と優しい。

その瞬間、えりと真夜の目がキラーンと光った。

「ちょっと先輩! 要はあたしの友達なんだから!」

「私も……要とはこれから仲良くなる予定です」

二人が同時に僕の腕を掴む。左右から柔らかい感触が押し寄せてきて、僕は完全に固まった。

「え、えっと……みんな、落ち着いて……」

そこへ、さらに追い打ち。

屋上のドアが開いて、眼鏡をかけた小柄な子が現れた。図書委員らしい清楚系の子だ。

「あの……屋上で騒いでるって先生が……って、え? 天使さん?」

彼女は僕を見て、顔を真っ赤にした。

「さ、さっき自己紹介で……すごく可愛いなって思って……」

四人目。

僕はただただ青ざめながら(いや、顔は赤い)、心の中で叫んでいた。

(おばあちゃん……これが望んだ「女子校生活」なの!?)

昼休みは結局、四人の女の子に囲まれた状態で進んだ。

えりは僕の膝の上にちょこんと座ろうとして真夜に止められ、涼先輩は「要は俺の妹にする」と宣言し、眼鏡の子、名前は白峰静香(しらみねしずか)は「天使さんの似顔絵を描きたい……」とスケッチブックを抱えて震えていた。

そして僕はというと。

スカートの下の秘密を死守しつつ、今日だけで四人の女の子の好感度をMAXまで上げてしまったらしい。

……この先、どうなるんだろう、これ。

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