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第27話、ナル王都までの旅路



 いよいよ今日はナル王都に進軍する。留守は兵士を1万人残すのでブラッドに任して陣容は兵士千人、騎馬部隊100騎、土魔法隊100に側近たちにカーク男爵とクエン伯爵だ。


 その他にオーロラさんにドリスさんがナル王都で商会を再開するために塩とお米を馬車10台に積んで同行する。


 ナル王都までは兵士は徒歩なのでいくらいつもの厳しい訓練で体力があるとはいえ10日間はかかるだろう。


 出発する前の晩にオーロラさんが王印が必要になるかも知れないので持っていくように言われて執務室の金庫から取り出して持っていくことにした。


 俺とオーロラさんにドリスさんは同じ馬車に乗り騎馬部隊を先頭にナル王都に向かっている。


 

 果たして王都までのバーカビに味方していた貴族たちが俺の軍に戦いを挑んで来るのかそれとも降伏するだろうか。


 北の僻地から出た最初の貴族はベトナ・ランキ伯爵だがどんな態度にでるか今後を占う試金石になるだろう。


 俺は北の僻地から出るのは初めてでどんな農作物があるのか調べるのが楽しみだ。


 この世界にある主な作物は、俺が作り始めた米は別にして小麦、大根、白菜、ほうれん草、名前は知らないがキャベツに似た野菜などがある。


 果物はリンゴ、イチゴ、ブドウ、ミカン初めて見る果物などで北の僻地、日本でいえば東北地方なので南に行けば又違う農作物や果物に出会えるので楽しみにしている。




 1日目は何事もなく予定のベトナ・ランキ伯爵領の近くの野営地に着くと先頭を歩いていたバニーが。


「アラン様、ベトナ・ランキ伯爵と名乗る者が面会をしてほしいと言っておりますがどうしますか」


「本物のベトナ伯爵なのか? 」


「俺は合ったことがないので本人かどうかわかりません」


「クエン伯爵なら知っておるだろう。呼んで確かめさそう。ベトナ伯爵を案内しなさい」


 クエン伯爵が来た後でベトナ伯爵が来てクエン伯爵が。


「間違いありません。ベトナ伯爵本人です」


ベトナ伯爵を心眼で見てみると間違いなく本人で見るからにやせて細っていて、小柄でとても武人には見えない。


 何故、俺に会いに来たのか理由を聞くと。


「私の領地は作物も育たない荒れ地が多く少なかった農地も5年前の大雨で流されて未だに復興は目途が立たず半分はそのままで、バスター・キンソン侯爵の援助でどうにか領地を守っています。そんなわけで侯爵には逆らえず今回の戦いにも無理やり連れていかれた次第です。アラン様に敵対して申し訳ございませんでした」


 心眼で見たがベトナ伯爵は嘘を言っていなく階級は伯爵だが領地経営は難しそうなので俺は援助して味方にしようと思い。


「俺の領地が災害前より発展したのは知っておるだろう」


「はい、他の貴族たちも領民も増えて豊かになって奇跡だと噂をしております。どうしてそんなに豊かになったのですか」


「俺は前王を毒殺したうえ王妃と王子を殺した邪悪なバーカビを倒して、この国を乱した張本人のノウタリとドクフナー親子を成敗する為にナル王都に向かう途中だが、それが終わったならベトナ伯爵を無料で援助して俺が領地を発展させた方法で助けてあげるが、条件がある。これからは俺の傘下に入ることだ」


「それで良いのですか? 敵対したのにお咎めはないのですか」


「ない。これからは仲良く協力して共に新しい国を作って行こうではないか」


「はい。是非、宜しくお願い致します。王都までの道案内は途中の貴族と顔見知りの私が案内いたします」


 ベトナ伯爵が喜んで帰るとベンが。


「アラン様は心が広いですね。昨日までは敵だったベトナ伯爵を無料で援助をするなど普通では出来ないのに」


「そうか、味方を増やすには当然だと思うが、これで味方が増えれば安いものだ」


 これからもなるべく戦いをしないで話し合いで味方を増やしていこうと思っている。


 これでベトナ伯爵領を安全に通行出来て進軍が早まるだろうが、次のバスター侯爵はどう出るだろうか。




 次の日、進軍を始めると諜報部から早馬で連絡があり、バスター侯爵は暗殺の準備をしているが他の中立の貴族は戦いを避けて俺の傘下に入ると言っているみたいだ。


 その日の昼過ぎに警戒をしながらバスター侯爵領に入ると俺を暗殺するはずの驚くことにバスター侯爵本人が面会に来たのだ。


 それも警護人を2人しか連れていないが、俺は側近を傍に置いて面接に応じた。


 目の前に現れたのは心眼で見ると見た目は口ひげを綺麗に整えた紳士風の中年の男だが、その中身は腹黒い極悪人だ。


 バスター侯爵は今回の戦いを侯爵から公爵になれるチャンスだと思い、勝つために最初は王国に援軍を送るように言い最終的にノウタリ公爵と結託してバーカビを戦場に連れ出した張本人だ。


 欲深いバスター侯爵はクラーク子爵領の領地の半分をノウタリ公爵から貰う密約を交わしていて、バスター侯爵は米をノウタリ公爵は塩の独占販売権を狙っていたのだ。


 諜報部からの連絡によると、バスター侯爵軍は以前は5千人だったが先日の戦いで奴隷兵3千人を失い今は2千人くらいだ。


 俺に同行する兵士が千人なので勝てると思って暗殺を企てたのだろうが、騎馬部隊の戦い方を見たはずなのに馬鹿な奴だ。


 バスター侯爵の心眼で見た計画は、俺を屋敷の離れの来客用の屋敷に泊めて、夜中の寝静まった1時頃に暗殺者20人で殺した後に火を付けて失火で死んだように見せるつもりでいる。



 俺の前に来たバスター侯爵はそんな素振りは見せずに最初に謝罪し。


「この度はバーカビ国王の命令とはいえアラン殿に敵対して申し訳ございませんでした。私は直前まで戦いに反対したのですが、バーカビ国王の命令には逆らえず兵を出しました。その後はやはり名分なき戦いなので戦場を離脱しました。これからはアラン殿の味方になる所存です」


 全く口の良く回る男で聞いていて虫唾が走るが最後まで聞いて俺は、相手の手に乗った振りをしてこの極悪人のバスター侯爵を処分することにしたのである。


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