第11話、絶世の美女、オーロラ王女
モーガン伯爵との戦いに勝った1年後19歳になった俺は、新しい領地の経営で忙しい毎日を送っていた。
それも落ち着き特産品のワインと日本酒を本格的に作り売り出したところ、好評で飛ぶように売れて収入が増え税金を収入の10%から5%に下げて住民に喜ばれたほどだ。
そんなある日の俺が寝ようとしている夜遅くアリス商会のドリスさんが、着ている服もボロボロでまるで浮浪者に見える1人の女性を連れて俺に面会を求めてきたのだ。
屋敷に入るなりドリスさんが。
「屋敷の門の前に不審者がいるようなので見てきて頂けますか」
ドリスさんがいつもと様子が違い、こんな夜分に来たので俺とベンが様子を見に行くと、門の外から屋敷を覗いている怪しい者が5人いたのでベンが門の外に出て。
「怪しい奴目、此処が領主様の屋敷と知っての行動か」
すると5人は剣を抜きベンに襲い掛かって来たが、流石にベンは強く瞬く間に5人の不審者を倒したのだ。
後かたづけを門番に任して応接間に帰るとドリスさんが。
「やっぱり、あの不審者が後をつけてきたのね」
どうやら不審者はドリスさんではなく連れてきた女性を付けて来たようで、俺は浮浪者みたいな女性が何か訳がありそうなので。
「ドリスさんその女性に何か訳がありそうだが、話してくれるか」
ドリスさんが半信半疑の様子で。
「先ほど急に訪ねて来て前国王の娘だと言い、助けて欲しいと言われたのですが、以前、数回会った時は顔に痣などなかったので本人かどうか分かりません。それに私では助ける事が出来ないので夜分にすみませんが、アラン様のところに連れてきました」
連れてこられた女性は長い髪で顔を隠し顔の半分に痣があり顔を見られるのが嫌なのか俯きながら話して
「お会いして頂きありがとうございます。私は訳があってこの様な姿をしておりますが、決して怪しい者ではありません。アラン様は正義心の強い方とお聞きして助けて頂きたく来ました」
見た目と違い奇麗で上品な言葉を使うので驚きながらも、本当に前国王の娘なのか心眼で見てみると、驚いたことに若い女性の名はオーロラ・アーサーで16歳のアーサ王国の前国王の本物の娘だったのだ。
アーサ王国の前国王の娘ということは王女ではないか。それにしては余りにも酷い姿なので俺は心眼で見たと言うと警戒されると思い。
「俺は鑑定の魔法を使えるので悪いが鑑定魔法で見たが、貴女はアーサ王国の前国王の娘のオーロラ王女だろう。何故、護衛もつけずに酷い姿なのだ」
「ええー! 鑑定の魔法を使えるのですか。アラン様の噂とドリスさんの話では信用出来そうなので全てお話しますが、その前にこの姿では恥ずかしいのでシャワーをお借り出来ませんか」
「良いだろう。ドリスさん案内してくれますか」
オーロラ王女は大事なものが入っているのか大事そうに鞄を持ってお風呂場にいった。
いやー、ビックリした。まさか前国王の娘の王女が訪ねて来るとは思わなかった。
噂では前王妃は2人の子供を連れて密かに王宮を逃げ出したと聞いたが、逃げ出した後、何があったのだろう。
暫くして2人が戻って来たが、俺はオーロラ王女を見て腰が抜けるほど驚いたのだ。
何故なら鞄に着替えを入れていたのだろう、服は清楚なワンピースに着替えてブロンドの髪は奇麗に整えて顔にあった痣はなくなり青い瞳の前世でもこの世界でも見たことのない絶世の美女だったのだ。
オーロラ王女は優雅なカテーシをして。
「先ほどは失礼いたしました。これが本当の私の姿です」
まるで天女(見たことはない)が舞い降りたかと思うほどの絶世の美女なので俺は暫く呆然としたが、慌てて。
「余りにも奇麗なので驚きましたが何故、浮浪者みたいな姿をしていたのですか」
「暗殺者や暴漢から身を守るために化粧で痣をつけてボロ服を着ていました。全てをお話しいたしますが聞いて頂けますか」
それからオーロラ王女が話したのは壮絶な話で、今の国王の姪で肉親なのに側室になって国王の印の印判を渡すなら母親と弟を殺さず弟を次の国王にすると言われた。
印判を渡したなら殺さると思い、母親の王妃と弟の王子に信用できる人たちと王宮から逃げ出した。
だが正式な国王の印の印判が欲しい国王は暗殺者を差し向け、母親と弟は暗殺者に襲われて殺されてしまい。
オーロラ王女は河の激流に飛び込み流され運よく助かり、それからは暗殺者や暴漢から身を守るために顔に痣があるように見せてボロ服を着て母親の故郷のバレナ帝国を目指して旅をつづけた。
途中でクラーク子爵領の領主の俺の噂を聞き正義心の強い方だと思い訪ねて来たが、不審者に後を付けられて丁度アリス商会の前で、ドリスさんを知っていたので飛び込んで助けを求めたと話したのだ。
オーロラ王女が話しの途中で涙を流しながら話したのは、母親と弟が殺された時を思い出したのだろう。
俺はオーロラ王女の話を聞き彼女を今の邪悪な国王から守る決意をしたのだ。
オーロラ王女に向かいこれからの事を尋ね。
「話を聞き俺はオーロラ王女様を助けることにしましたが、母親の故郷のバレナ帝国に本当にいかれるのですか? それとも此処に住むのですか」
オーロラ王女は何か決意したのか顔を上げて俺を真っ直ぐ見て毅然として。
「ご迷惑でなかったならバレナ帝国には知り合いもいなく道中は魔獣の出る山脈を超えなくてはいけないので女の私では無理なので、それに今の国王がどうなるのか見届けたいので此処に住まわせて頂けませんか」
「分かりました。また国王が暗殺者を向かわせる恐れがあるのでこの屋敷の中は安全なので此処に住み、1人では絶対に外に出ないでください。出る時は俺と一緒の時にしてください」
何の縁なのか、俺の屋敷に絶世の美女、オーロラ王女が一緒に住むことになったのである。
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