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魔法設置〜異世界行ったら不労を目指す〜  作者: yuki
第5章 歴史の転換点編
64/122

第12話 聖女

本日2話目です

黒幕の正体を知り、軽く絶望した後、聖女様をどうするか話し合った。

「どうする?劇を見終わってから帰る?」

「でも、大丈夫なの?」

「ああ、一応ガルムに頼んでるし、空間も切り離してるから」

アリスの心配は、杞憂に終わった。

「それなら、最後まで見ていきたいかな」

「ならそうするか」



◆◆



アルベルトたちが休んでいる宿の部屋


「ん・・・・・・・」

「お、気が付いたか?」

男の人の声が聞こえた。

また、魔力を取られるのだろうか・・・・・。

「大丈夫だ。安心して体を起こせ」

”安心”。久しぶりに聞いた気がする。


「あ、起きました?」

奥の方から女の方が来た。

「あの、ここは?それに、あなた方は・・・・・」

今まで、あの施設に繋がれていたため、いきなりこんなところに来て現状が理解できない。

「ここは、旦那の借りてる宿の部屋だ」

「宿・・・・・・」


「とりあえずこれでも飲んでください」

女性の方がお茶を持ってきてくれた。

「いただきます」

あ、あったかい・・・・・・。

こんなあったかいものを飲んだのは久しぶりだ。

「うぐっ・・・・・ひぐっ・・・・・・」

「大丈夫か?」

「は・・・・・い・・・・・」

しばらく涙が止まらなかった。




「落ち着いたか?」

「はい。ありがとうございます」

こんなにも暖かくしてくれたのも久しぶりだ。

あの日から、暗い部屋で魔力を吸い取られ続ける日々が続いた。

「俺は、ガルムだ」

「私は、サナです」

「あ、私は、セリカと言います」

自己紹介をしていた時、外から複数の声が聞こえてきた。


「ただいま〜」

一番最初に入ってきた男の子を見た瞬間私は、駆けていた。

「やっと、お会いできました!!」

「え!?」

私は、ずっと待ち続けた待ち人が目の前に現れ勢いのまま抱きついた。


「ちょ、ちょっとセリカ様、落ち着いてください」

「あっ、すみません!」


「おう、アルベルトの旦那」

「ガルムか。問題なかったか?」

「ああ、大丈夫だ」

「初めまして、アルベルト様」

「あなたは?」

ガルムが女を連れ込んだのか?


「私は、サナと言います。ガルム先輩の紹介でお仕えさせていただきたいと思い拝謁しております」

「お、おう」

なんか、すげー組織人なんだけど。

「こいつは、ベルゼに仕えてたやつなんだがいいか?」

ベルゼにか・・・・・・。

「いいよ、別に」

「ありがとうございます」

仕えるなら腕輪を渡しとくか。



サナに腕輪を渡し、セリカ様と向き合った。

「アルベルトと言います。施設であなたが繋がれていたためここまで連れてきました」

「あなたが!?」

「はい」

「あ、あの!あの部屋に魔石はありませんでしたか?」

「ありましたよ」

「そんな!?ならまだ・・・・・」

「あー、それなら心配入りませんよ。破壊しましたから」

「えー!?」

そんなに驚かなくても・・・・・。


「まずは、食事でもしませんか?」

アイナに頼んで食事の準備をしてもらった。



「ところでセリカよ。なぜこのようなことになったのじゃ?」

「ん?」

聖女様は、その名の通りお淑やかに食事を・・・・・・・。

ガツ、ガツ。とにかくがっついていた。


・・・・・・・・。


「あれ、ラキナさんだ」

「うむ、久しぶりじゃの」

「なんでこんなところに?」

「それは、わしがお主に聞いていることなんじゃが・・・・・」

あのラキナが苦戦するなんて・・・・・・。

セリカ様、恐ろしい人!!


「妾は、アル坊について行ってるのじゃ」

「アル坊・・・・・・。そうですか」

「で、お主のことを聞いてもいいかの?」

「私ですか?私はセリカです」

なんと恐ろしい子!!

ラキナが、フルフル震えている。


「お、お主はなぜ、あのようなところに?」

顔を引き攣りながら、改めて問い直した。

「わかりません。いつの間にかあの施設に連れて行かれ鎖に繋がれました」

「いきなり?」

「はい。しばらくした時に私の血液を使って私そっくりの人を作ったと報告をしているのを聞きました」

そのそっくりさんと、俺たちは会場であったということだな。


「その、それよりも魔石を破壊したというのは?」

「ああ、魔力を全て吸い取ってから破壊しましたよ」

ついでに、施設のものも全て掻っ攫ってきたと伝えると、ものすごく感謝された。

「ありがとうございます」



「でも、あの施設を使っていた人たちは、聖女を引きずり降ろすとか言ってましたけど」

本物の聖女を鎖に繋いでまですることではないと思うが・・・・・。

「それは・・・・・・」

「何か事情があるんですか?」

「実は・・・・・・」

セリカから、伝えられたのは、聖女は本来、立場があるだけで表には出てこないこと、そうすることで国民の心の拠り所としていること。

さらに、無神教とすることで、特定の神に力を与えないこと、それが、来たるべき時のためだということ。

それを、守ることが聖女の役割だということだ。


「つまり、あなたが聖女とはわかっていないということですか?」

「はい。おそらくは」

彼らは、聖女をすでに鎖に繋いだ状態で、計画を実行していたのか。

一体なんのために?

「洗脳され、この国の悪意をあの魔石に注ぎ続けるようにと命じられていたのではないかと」

「もし、注ぎ続けたらどうなるんですか?」

「伝承通りなら、魔石の持ち主が復活するはずです」

あー、よかった。

あれが復活とかまじありえないからね。


「まあ、間に合ってよかったです」

「はい。ありがとうございました」




◆◆



食事を終え、みんなが各々やりたいことをしていた。

「あの、アルベルト様」

「ん?」

サナさんが尋ねてきた。

「あの、この腕輪は?」

あ、そういえば教えてなかった。

腕輪の効果を説明し、あとは、やってもらいたいことをお願いした。

「このような物をありがとうございます」

「いいよ。あとはよろしくね」

「はい」

ガルムとサナは、部屋を後にし仕事に向かってくれた。



「セリカ様、これからどうしますか?」

「これからですか・・・・・・」

「私は、この国をあの者たちから解放したいです」

「わかりました」

それが、黒幕の力を削ぐためなら無関係ではない。


「協力させていただきます」

「ありがとう・・・ございます・・・」

「それとこちらを・・・・・」

「これは、ペンダントですか?」

腕輪とかペンダントとかは気分で決めているため、今回は久しぶりのペンダントにした。

「はい。効果は、先ほど、サナに渡したものと同じになりますので身につけておいてください」

「ありがとうございます!!」

セリカ様は、聖女に相応しい笑顔を見せてくれた。



◆◆



「どういうことだ!?」

アルベルトが去り、もぬけの殻となった施設の最深部に研究員の姿をした者たちと、アルベルトに話を聞かれた数人の者たちが集まっていた。

「なぜ、なにもないのだ!!」

「私は、夢を見ているのか?」

そこには、ただなにも言えず立っている者と、わけがわからず叫んでいる者、現実を受け止められない者がいた。


「落ち着け」

その一言で場は静かになった。


「ユウタ様」

そこには、エルフの森でアリスと戦った男がいた。

「しかし、このままでは・・・・・」

「いい。準備はできている」

「準備?」

「ああ、ここは一部に過ぎん。あの巨人を復活できないのは残念だが、他の奴らでも十分だ」

「では・・・・・・!!」


「ああ、”あの方”がこの国に入り次第始めるぞ」

「いよいよですね」

「やっと、始まるんですね!」

ユウタの言葉にその場にいた人たちは皆、興奮し始めた。


「王都に向け、宣戦布告だ」

その部屋に、雄叫びが響いた。



その様子を、ガルムとサナが陰から見ていた。





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