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アメリアの元世界転移旅 〜熊野古道編(3)

 さて、どこに行こう?


 いっそこのまま日本一周も悪くないかも……。


 と、まぁ、そううまくもいかなかった。


 それと言うのも……旅の資金がない。


 これでも一応国家元首で、あちらの世界最大の複合企業の会長でもあるんだけど……。


 5カ国にまたがり大陸を一周する鉄道会社、通信事業、最先端の魔道具を扱う巨大商社。


 そこからもたらされる年間収益はモーシェブニ魔法王国の国家予算すらも上回る。


 文字通り、世界一のお金持ち!


 その私が……。



『まったく、この子は!

 いい? せっかく日本に帰って来たんだし、帰る方法が見つかればまたあちらの異世界? に戻るっていうなら、すぐに働きなさいとは言わないわよ。

 タキリちゃんの分も含めて、必要な生活費はこちらで出してあげる。

 でも、だからって、湯水の如くお金を遣ってもいいってわけじゃないのよ!』



 お母さんからのきつ〜いお叱りを受け、私の日本一周計画は早々に頓挫した。


 だって、あちらの世界のお金なんてもちろん使えないし、こちらの世界での私は死んだことになっているから、多少残っていた銀行預金とかも全て無くなっている。



「私の遺産は?」って聞く私に、両親は言った。



「そんなもの、あんたの死体確認と現地での埋葬費用で全て消えたわよ。

 なに? 足りなかった分の遺産(借金)を精算してくれるの?」



 そんなわけで、常識の範囲内でのプチ旅行を考えて決めた目的地は……。


 熊野古道。


 いや、なんか世界遺産になったって話は聞いていて、いつか行ってみたいと思ってたんだよね。


 もっとも、あちらの世界に行く前の私は海外にばかり目を向けていたから、日本国内の旅はもっと歳取って落ち着いてからでいいよねって考えてたんだ……。


 “いつか”なんて言ってたら永遠にチャンスは失われるって、一度この世界で死んでしまった私はよ〜く知っている。


 思い立ったが吉日!


 そんなわけで、異世界(外国)から来たタキリさんに日本の風景を見せてあげたいと拝み倒し、私は熊野古道プチ旅行のための2人分の旅費を両親から勝ち取ったのだった。



「で、アメリアちゃん、クマノコドウってなに?」



 初めて乗る日本の鉄道にも慣れたところで、タキリさんが今回の旅の話を振ってきた。



「えっとねぇ、熊野古道っていうのは……」



 私は熊野古道について知っていることをタキリさんに説明していく。


 もっとも、私もそんなに詳しいわけじゃないけどね。


 紀伊半島の南にあって、京都から熊野三山と呼ばれる3つの神社、熊野那智大社、熊野速玉大社、熊野本宮大社への巡礼路だったとか……。


 特に和歌山県の南端にある田辺市から新宮市までの区間は、熊野古道が世界遺産になって以来、神社参拝から本格的なトレッキングまで、日本はおろか、世界中から観光客が訪れているみたい。


 そんな中で、まず私たちが最初に訪れたのは熊野那智大社。


 那智の滝で有名な場所だ。


 JR線で特急南紀に乗って終点の紀伊勝浦で下車。


 そこから那智山行きのバスに乗り換えて30分くらい。


 割と簡単に行ける場所にあるんだよね。


 子供の頃に一度家族と来たことがあるらしいんだけど、残念ながらその頃の記憶はない。


 それでも那智の滝の名前くらいは聞いたことがあったし、せっかくだしこの機会に行ってみようかと思ったわけ。


 で、せっかく熊野古道に来たんだし、ここはただ神社や滝を見るだけじゃなくて、ちゃんと古の巡礼路ってやつも少しは歩いてみよう、なんて考えて……。



 いやぁ、舐めてました。


 私たちは直接熊野那智大社までバスで行かずに、少し手前の大門坂ってバス停で降りて、そこから歩いて山を登ったんだけど……。


 そう、()()()、登ったんだよ。


 1時間程度の軽いウォーキングだと思ってたんだけど、ここって那智()なんだよね。


 神社の石段、特に那智の滝近くにある飛瀧神社までのルートなんかも含めると、なんだかんだで起伏のある大半は石畳の道を、3時間くらいは歩いたと思う。


 まぁ、私もタキリさんも興味の赴くままにフラフラ歩き回ったし、のんびり観光なのは確かだけどね。


 それでも、紀伊勝浦駅の旅行案内所で聞いた1〜2時間くらいってのは厳しいんじゃないかなぁ。


 もっとも、1〜2日で熊野三山をすべて回ろうと思ったら、そのくらいのペースでさくさく行かないと無理だし、やっぱり私たちがのんびりなだけなんだろうね。


 前世の海外放浪と異世界での視察旅行(笑)ですっかりスローな旅が仕様になってしまっている私と、そもそも時間に対する感覚が中世レベルのタキリさんの旅だ。


 当然、現代地球人のようにはいきませんよ。


 いや、違うな。


 今日見かけた外国人旅行者の大半も、私たちと同じくらいののんびりペースで旅をしていたし……。


 やっぱり、計画重視、効率重視の日本人の旅のスタイルは、そうそう変わらないよね。


 と、それはさておき、実は今日の旅で、とんでもないものを発見しちゃったんだよ!


 いやぁ、あんなものが日本に出没するようになってたなんて……。


 長期の海外放浪から戻ると色々と浦島太郎で、社会復帰に時間がかかるって聞いてたけど……。


 まさか、私が日本を離れている間に、日本に()()()出没するようになってたなんて、思いもしなかったよ。


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