能力向上
戻るともう一人の俺が待っていた。
"おいおい、こんな攻撃でへこたれたのか?弱過ぎてつまらないぞ"
これは精神攻撃と捉えてもいいのだろうか?なんて言うんだろう、その、煽り方が下手過ぎてキレる程でもないという事だ。
「うるせえぞ影野郎、太陽に照らされて消されたいか?」
沈黙した、効いたのか?これ。
"てめえええ!殺してやる!"
これでキレるのか!もう一人の俺は。ここが現実世界では無いなら、現実世界では扱えない魔法も使いこなせるのではないだろうか?安直な考えだが、倒せる可能性がデカくなるならやらない手はない。
「上位魔法:空中浮上<フライ>」
ーー本当に飛べたのだ。
現実世界だと扱えない魔法だが、精神世界だと使えるのだ。ならこれも使えるかも知れない。
「上位魔法:重力操作」
もう一人の自分の重力を変え、立てなくなった。
"ぐ、ぐおおお…"
「上位魔法:氷の槍<フロストランス>」
このコンボ技はチルスがやっていた技で、三本の矢のリーダーをいとも容易く倒せてしまったコンボなのだが、刺さらなかった、いや、攻撃をしていたのは偽物だった。
"一度見た技を真似する時点でお前の負けだ。"
背後を取られ衝撃波をまた食らってしまった、ガードは何とか出来たものの、下に叩き付けられた。そのままもう一人の自分自身が上から剣で切り掛かってきたが、剣で咄嗟にガードし、鍔迫り合いをした。
"そんな弱さでサーニャという女を守れると?笑わせるなよ?"
「守る為にお前の能力が必要なんだ、好きだからとかじゃない、パーティーに捨てられたあの子が、守れずにはいられないんだ!」
衝撃波を真似し、上空に吹き飛ばした。
「最上位魔法:小太陽<ライト・サン>」
小さな太陽をもう一人の俺に投げた。小さな太陽は大爆発を起こし、もう一人の俺にダメージを与える事が出来た。
"負けだよ、お前の意志の強さを免じて力を貸してやる。だが、使い過ぎるとお前の方にも何かしら起きるぞ。覚悟して使う事だな。"
ーーザウリスは目覚めた。
身体を起こすと激しい痛みに襲われた、やはり全身打撲コースだったか。
「おやまあ、自分自身との対決に決着が着いたかの?」魔女が問い掛けてきた。
「はい、終わりました。それよりサーニャの状況はどうですか?」
「大丈夫じゃよ、今は寝ておるが、起きたらサーニャの記憶は元通りになってる筈じゃ。」
「良かった…」
毛布を掴み泣いてしまった。




