精神世界
「もう一度説明するが、精神世界は夢の世界と同じようなもんじゃよ、何でも出来るが、現実の方にも影響する、そこは夢世界とは別じゃな。エネルギーを使い切っても死ぬし、攻撃を食らい続けても死ぬ。難しいじゃろうが、影を纏う戦士になれたら君の憎き相手も勝てるかも知れんの。」
魔女であり宝石級冒険者の恩師がそう告げた。流石にここまで言われると怖くなってくるが、サーニャを守れるなら手段を問わない。
「ウールス!俺が影と戦ってる間、俺に回復魔法を当て続けてくれ、そしてルーダ!サーニャを宜しく頼む。」ザウリスはそう言い、精神世界へ行く準備をした、ベッドで寝るだけを準備と言っていいのかは不明だが。ザウリスは眠りについた。
ーーここは?何処だ?起きたらそこは洞窟だった。前に進むと声が聞こえてきた。その声を恐る恐る聞いてみると、怒り、悲しみ、苦しみの声だった。
ーーこれが今まで俺が殺してきた人達なのか、その家族達の声もあるのだろうか。精神攻撃に苦しめられていた。「ザウリスよ、気にせず前に進むのじゃ、未練を断ち切るのもまた一つの成長じゃよ。」天の声が聞こえた、魔女の能力だろうか?とても有り難く、そして暖かった。前に進むと扉が見えてきた。
その扉を開くとそこは一度行った事がある街だった。
ーーっ!?ここは都市ウォーク・アンデルじゃないか!?何故洞窟へと繋がっているんだ?後ろを振り向くとそこはただの壁だった。驚きを隠せなかった。
"良く来たじゃないか、もう一人の俺"
後ろを振り返ると時計台の上に見覚えのある人が居た。そう、"俺自身"だ。
"なーんでここに来たんだ?目的があるだろ?って言っても俺はお前自身だからな、目的は既に聞いていたさ。"
もう一人の"俺"は続けた。
"俺を倒したらお前に力を貸してやろう、さあかかってこい。"
「上等だ、やってやる。」
剣を握りしめて突撃したい所だが、ぐっと堪えた。
「戦技:御太刀一刀」
この戦技はスールー戦の時に使った戦技で、物凄く早い刺突を繰り出すだけという戦技だが、序盤の冒険者がまず最初に覚える戦技だとバルビダが言っていた。相手が隙を見せた瞬間作動させ、間合いを詰め、刺突を入れた。
"今刺突が入ったと思っただろ?なあ?"
剣が当たらなかった、いや、何かに弾かれていた。
"まだまだなんだよ!"
衝撃波をマトモに喰らい、吹き飛ばされ、家を三軒貫通したがあまり痛くなかった。
「ーーそうか!ここは精神世界だから精神攻撃は多大なるダメージを食らったが物理攻撃はあまり食らわないのは現実世界の方にダメージが行くからか。こりゃ全身打撲だな。」瓦礫を払い、飛ばされた方へ戻った。




