記憶復活
魔女の小屋でまた一つ強くなれた、"覚醒"が出来るようになったのだ。もう一人の俺自身を見事討ち破る事が出来たのだが、あの言葉が脳裏に浮かぶ。
"使い過ぎるとお前に何らかの被害が被るだろう"
具体的な内容を聞く前に戻ってしまった為、どうなるのかが全く分からないのだ。あまり使わないように立ち回りたいが、無理だろう。これからの戦いに…
ーーサーニャを守る為なら命を惜しまない。
サーニャが目覚めると真っ先に確認をした。
「俺らの事覚えているか?」
「はい!」
成功したのだ。
「ふぉふぉ、成功じゃのう。」
「ザウリス達は何処か行くのか?行く宛がないなら俺について来ないか?聖都オルディナへ向かうつもりだ。」
聖都オルディナは神への信仰心がとても強く、あの大型狩猟専門ギルド"黒殺"の拠点でもあり、第二の人の砦なのだ。
「俺はオルディナに行って組合へ四戒の件の事を報告しに行くんだが、その間にオルディナを見て回るといい、話によると質が良くて強い武器を作れる爺様がいるんだそうだ。」
確かに武器が壊れる度に毎回買うより、強靭な武器を持ってた方がいいのは確かだ。
「仲間の武器の衣替えもありですね、着いて行きます。」
笑いながらチルスに話した。
「分かった、明日出発するから、恩師に聞きたい事や学びたい事があるなら今のうちだぞ。」
ザウリスが覚醒について聞いてみた。
「覚醒は能力を纏い装備になるんじゃよ、例えば水の覚醒なら水耐性に特化し、弓とか投擲系武器の威力も半減すると言った感じじゃな。ザウリスのは闇…になるのかの?ワシにも分からんのう…どういう能力なのか全く分からないのじゃ。」
長く生きている魔女ですら分からない能力…ザウリスは身震いした。能力も分からないし代償も分からない。使ったらどうなるか、把握出来ないのに使えるかどうか…
ーー今は考えるのはよそう、使わないように善処するだけだ。
「ウールスや、聖都に聖騎士になれる試験があるのじゃが、行ってみると良いぞよ。盾使いの上位職業じゃぞ。」
「成る程、これは良い機会だと思うので、試験を受けてみてみます。」
「意見の一致だな、明日の朝出発するから寝た方がいいぞ。俺はもう寝る。」
チルスはあくびをしていた、相当疲れているのだろう。
「私もサーニャの看病で疲れたし、早めに寝るとするか。」
ルーダもつられあくびをしていた、サーニャの記憶が戻っても看病をしていたという。感謝しかなかった。
「寝る子は育つ、というからのお。」
「師匠、俺達はもう育ち切っていますよ。」
チルスのツッコミに皆が笑い、各自寝床に戻った。




