精神支配
付いていくとそこは阿鼻叫喚だった。既に死体が転がっており逃げる人も居た。奴の頭を掴んでいたのはザウリスだった。
「ザウリス…なのか?」黒い影に纏ったザウリスは理性が無く、暴走していた。命乞いをしていた奴の首をへし折った後、こちらへ向かってきた。「ザウリス君は何者かに精神支配を受けてます!お気を付けてください!」
ザウリスの動きは人間を遥かに超えていた、気付いた時には目の前にいた。「くっ、防御魔法:聖なる盾<ホーリーシールド>」円状の盾で三人を護ったが、ザウリスの一撃で簡単に割れてしまった。「止むを得ません、上位連続魔法:聖なる矢<ホーリーアロー>」4本の光の矢を放った、が全て弾かれた。
黒い影は弓を放つポーズをし、闇の矢を打ち、サーニャ目掛けて飛んで行った。「武器創造:槍」ルーダはサーニャ目掛けて打った矢を槍で弾いた。「これは防御魔法貫通する矢だよ、ウールス気を付けな!」黒い影は槍を創造し、ルーダに突っ込んだ。鉄と鉄がぶつかり合う音が激しく聞こえた。黒い影は不意をつき、ルーダに衝撃波を放った。ルーダは壁に叩きつけられた。
「どうすればいい…詰められてあの技をやられたら一溜まりも無いぞ。」考えながら避けてる途中応援が来てくれた、ここへ突入する前にルーシュに応援要請をして、宝石級を二人呼んでもらった。その中にチルスもいた。「久し振りだなサーニャ、君が記憶喪失になっているのはルーシュから聞いている。あの黒い影が敵か?」「あの影、ザウリスさんなんです!」「精神支配を食らったのか、こいつを連れて来て正解だったな。」「任せろっす!精神支配だけなら余裕っすよ!」もう一人の宝石級が魔法を唱えた。
「最上位魔法:羊飼いの夢<ゴートスリープ>」影が薄くなりザウリスは倒れた。「流石睡眠魔法の天才、その才能だけは認めるぞ。」「ありがとうっす!って才能だけはってどういう事っすか!」「そのまんまの意味だ、所で何故ザウリスが精神支配を受けたか分かる範囲で教えてくれ。」サーニャは事情説明をした。
「成る程。精神支配系魔法持ちにザウリスが洗脳され、奴隷になりかけ、そして救出しようとしたら暴走し黒い影を纏っていた…と」「その精神支配系持ちは四戒の一人だ、前々から組合がマークしていたが、殺してしまったか、これはまずい事になるな。」「あちゃー、組合の上の方々が怒りそうっすねえ」「この四戒の一人"グロリア・シャルーマル"は精神支配魔法を駆使し奴隷を作り売っていた、それを前々からマークしていたんだ。」チルスは続けた。「今回は暴走し理性が無くなっていたからお咎めなしにはしておこう、他殺ではなく自殺で片付けておくさ。」「それ、いいっすかねえ?バレたら怒られそー。」「ありがとうございます!」サーニャは深々とお辞儀をした。「君は記憶を失ってもなお、礼儀は良いんだな。」チルスは微笑んでいた。
「ちぇー洗脳魔法の弱点突かれたかあ、もうちょっと暴れて欲しかったなあ。」「やはりお前の仕業か、それにしてもあの黒い影に興味が出た。あれを克服し我が物に使えたら相当厄介だな。」「むむむ!?ロード君もザウリス君の魅力に気付いたかな?だけど渡さないよ!」ほっぺを膨らませた。
「ふざけるな、ただ脅威になるだけだ。」ロードはぶつぶつと文句を言いながらドアを開け出て行った。「今の状況を理解出来るか、どう克服するか。凄く楽しみ。」フロールはボソッと呟き、監視を続けた。




