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旅への決意

「あっちゃ〜、また面倒事に巻き込まれてるね〜」


「おい、何している」


謎の仮面の男が怒っていた。


「いいじゃん〜ここからならバレないし、それよりあの子、前より成長してるじゃない。そろそろ食べ頃かしら?」


「お前のそういう趣味は全く理解出来ないね、さっさと殺せば良いのに」


「いやーねー、食べ頃まで待つのが良いじゃないの。これだから頭の堅いのは」


「堅くて悪かったな、お前のそのサディスト極めてるのも気味が悪いがな。」


女はハハと笑った。


「盗賊団を倒したら次は四戒の一人と出くわすなんて、これは運命なのかしら?楽しみねえ。」


「もっと成長したら脅威になるな、だが人間如きの成長などたかが知れてる」


「甘く見てると殺されちゃうよ〜?この子は必ず私達を超える、賭けてもいいわ」


仮面の男は笑い、転移していった。




奴は本気ではなかった、なのに強過ぎた。あの糸は剣すら弾き返すという性能、人形使いという全く会ったことも見た事もない職業。世界は広いと実感し、旅に出る事を決意した。


「バルビダさん達には申し訳ないですが、旅に出ます。」


「いいじゃないか!坊主、世界を一度見てくるといい。」


バルビダは大きく笑った。


「世界は広いという事はお前より強い敵と出会うという事を覚悟するんだな。」


宝石級がそう助言しながら地図をくれた。


「このまま都市を出て北上していくと、色んな経験を積めれる、色んな都市、村、街を訪れてみるといい。」


「その道中で金級になれると思うわ。」


ルーシュがそう頷いた。


「金級になれたら緊急大討伐に参加出来る、その時に会おうじゃないか」


年に一回、魔國の進軍を止める為に金級以上は全員招集される。ここでの結果で報酬が変わるという言わば金稼ぎである。


「だけど、今年は来たから来年だな、次の活躍楽しみにして待っているぞ」


「成長し、必ず戻って来ます。」


「まあそういう話は後だ、今日は街全体の宴だ!いっぱい飲むぞ〜」


「もうあんたは呑み過ぎると煩いんだから控えておくれよ」


ルーシュが溜息を吐きながら愚痴っていた。


「ハッハッハッ!戦の後の酒は旨いんだ!辞められるわけがない!」


「俺はこのまま都市を離れる、またなんかあったら呼んでくれ。」


「今日はありがとうございます。」


俺とサーニャは深く御礼をした。


「いやいや、いいさそういうのは。取り敢えず銀級合格おめでとう。」


「そういや、名前を今までずっと聞いてなかったですが、教えてもらってもいいですか?」


「バルビダから教えてもらってないのか?俺の名前はチルスだ。」


「チルスさんですね、ありがとうございます!」


チルスは少し照れ臭そうだった。


「おー照れてるなあ。」


「お前、もう酒飲んでるのか」


バルビダがケラケラと笑いながら俺とサーニャに酒を薦めてきた。サーニャが一口飲み、すぐ顔が赤くなり寝てしまった。皆笑っていた、そこにいた自分も。


「宿まで連れて行きますね、今日はありがとうございました。」


「おっ、この後また飲むか?」


「いや、自分も疲れたので寝ます。」


ハハと笑いながらサーニャを背負い、宿へ連れて行った。


宿に着き、サーニャをベッドに寝かせ、自分はベランダへ出た。この夜景はもう見れないという悲しさと新しい職業、新しい敵に会えるというワクワクで寝れなかった。ベッドまで戻るとサーニャが起きていた。


「トイレまで連れて行ってください」


まだ酔っていた。


次の朝、サーニャは凄く謝罪して来た。自分は笑いながらお茶を飲んだ。


「本当にごめんなさい!」


「いや気にしてないよ、トイレだので起こされて面白かったけど」


凄く顔真っ赤になっていた。


「シャワーでも浴びてスッキリしてこい、出たら旅に出るぞ。」


「は、はい〜…」


彼女がシャワーを浴びに行ってる時、またベランダで一息付いていた。


「いい景色だなあ…」




—またふけてしまった。

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