表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リメイクへ  作者: seven
22/24

022話 爆破能力者



氷壁を残したまま、低めにそびえる壁を乗り越え、テロリスト達のいる方へ飛び降りた。


「壁の中に引きこもってなくていーのか?少しは長生きできるかもしれねぇぞ?」


「悪いけど、あの人達を今すぐにでも病院に連れてかなきゃいけない」


「はぁ?行かせるわけねぇだろ?それに、どの道、誰も助かりはしない。当然、お前もだ」


さっき、爆発で吹き飛ばされた時に頭を打ったらしく、頭部から流れる生温い液体で左側の視界が赤く染まる。


「まぁ、そうなるよね…そしたら先にあんたらを退けるしかないか…」

垂れてくる液体をゴシゴシと服で拭って、視界を戻した。


「粋がるなよ糞ガキがっ、後ろのやつら共々、仲良くあの世に送ってやるよっ!!」


なんて感じの、悪役のお決まりのようなセリフを吐いて構えた。


ローブの男が仕掛けるのと同時に、両サイドの人型兵器も自慢の機動力を生かして、突っ込んでくる。


ローブの男は、おそらく超能力であろう爆破の力を使って、俺の周囲に再び爆発を引き起こしていく。


人型兵器は、爆発を避けようと走り回る俺目掛けて、容赦なくマシンガンを打ち続ける。


「おらおらぁ、どうした?退けるんじゃなかったのか?」


本来なら簡単に当てることができるはずなのだが、ギリギリ当たらないくらいの場所を爆発させて、逃げ回る俺を見て楽しんでいるようだった。


「そんな逃げてばっかじゃあ勝てねぇぞっ!」


2方向から飛んでくるマシンガンの連射が、俺に反撃を許さない。


兵器とローブの男、どちらかに隙ができれば、反撃が可能なのだが、流石に訓練されているであろうテロリストの手が緩まることはない。


テロリストの方に向き直り、後方に大きくジャンプして爆破を回避しながら、地面に右手を添え、今咄嗟に考えた、技とも言えないようなそれを使った。


フリーズフロア


みるみるうちに、氷が地面に拡がっていき、想像してた通りに、人型兵器自慢の『機動力』を奪った。


「うぉっ、上手くいきすぎっ」

考えたばかりの技がはまって自分でも驚いた。


「甘いんだよっ、オラァッ!」


ローブの男はジャンプしながら地面に向けて能力を発動させ、爆風を利用して、さらに高く跳んで回避した。


回避されはしたものの、双方に初めて隙が生じた。

その隙をついて、2台の重装兵器に向けて両手を広げ、能力を使った。


「今だっ!!フリーズ封印シールッ!!!」


さっきの技で足元が凍りつき、機動力を失った人型兵器は回避できるはずもなく、今度は完全に、全体を覆うように凍りついた。


(これでやっと、ローブの男一人に集中できるな…)


標的が一人になるというのは随分大きい。


すかさず、ローブの男の着地地点に、氷の弾丸を3発ほど連続で放つ。


「うぜぇっ!」

散々練習しただけあって、正確にローブの男の方へ飛んだのだが、腕の一振りで、氷の弾丸は全弾爆破されてしまった。



「はぁ… はぁ……」


能力に関してはまだまだ使えそうだけど、最初に負った傷が、激しい戦闘の中で思ったより影響してきている。


(自身の体力的にも、倒れてる人達のことを考えても、そろそろ決めないとマズイだろうな…)


「最後に、ここまで頑張った褒美に、知りたがってた俺たちの今回の『目的』ってやつを教えてやるよ」


突然の事で、驚きを隠せていなかっただろう。


(どうして急にそんな事を…)


「……そりゃ…どうも?」

不思議そうにしている俺を無視して話し始めた。

「とあるテストを兼ねた宣戦布告ってのが一番だな」


「宣戦布告って……日本政府に…?」


「いーや、この世界にさ、お前、見たところ霊鳳院だろうから、日本のことしかわからないかもしれねーけど、テロが起きてんのはここだけじゃないんだぜ?」


「は…?」


「日本にしたって、ここ以外に2箇所同時に襲撃している。そうでもなきゃ流石にそろそろ、ここにもそっち側の軍隊が来てる頃だろ?」


得意げに話を続ける。

「これはテストなんだよ、日本政府の重役のいる都心、日本にあるなかでは最高レベルの超能力研究所、そしてここ、何もないただの街・・・・・・・・、それら3箇所を襲撃したら狸ジジイどもはどう対処するか、それを確かめるための襲撃なんだよ」


首を横に振りながら、やれやれといった感じに、両手を開いた。

「案の定、ここには襲撃から3時間経っても、助けに来たのはガキが一人だけだろ?本当にわかりやすい結果だったよ…」


悲しみとも怒りともとれる表情をして、話を続ける。

「こんな世界間違ってると思わないか?ただ一人この場所に来たお前になら、わかるんじゃねえのか?どうだ?カスに用はねぇが、仲間になるってんなら話は別だぜ?」


急に饒舌に語り出した男の話を、黙ったまま聞いていた俺は、心のなかで、タカアキやアヤネ、この街に暮らしていた人達のことを思い出して、表現しようもないほどの怒りがこみ上げてくるのを感じた。



「……けるな」


「あ?何?」


「そんなくだらない理由で、一体どれだけの命を奪った…?」


「ある程度の犠牲は出るもんだろ?それに、助けられたはずの命ってんなら、見捨てたのは国の重役達だぜ?自分達の命可愛さに、自分達の周りだけ余分に凄い数の警護をつけて…こっちには何もなしだっ」


「どんな立派な考えや正当な理由を並べたって、関係のない人達をこんなに巻き込んでる時点で、許されることじゃないっ」


「はっ、どうやら俺たちが相入れることはなさそうだな」


「当たり前だっ、あんたらの考えなんて一欠片も理解できないっ」


(今にも怒りが爆発しそうだ…こんな気持ち約17年生きてきて初めてだ…)



「まぁ、しゃあねぇな、そんならここで死ねやっ!この技は回避不可だっ!」

そう言って、両腕を前に突き出し、手を開いて パンッ!と拍手のように両手を重ね、叫んだ。

連鎖爆破チェーン・ボムッ!!!」


俺を中心として、円状に、連鎖的な爆発が起こっていく。


「おらおらおらぁっ!!!!」

回数にしておよそ20回、時間にして約30秒の間、爆発が止むことはなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ