
無の世界。
1人のアヤカシ少女は地の底とも判断出来ない場所で、黒いモヤに足を掴まれ更に虚無へと引きずり込まれそうになっていた。
自身の異能を使い迫りくる闇から抜け出そうともがいたが、体力が底を尽きてそのまま仰向けに倒れ込んでしまう。
「オレはお前を知っている」
薄れゆく意識の中で目を瞑っていると、人間かアヤカシかも分からない者にそう声を掛けられた……。
「お前はオレの世界に近づきすぎた。終わりだヒマリ……お前には懐かしさを感じる記憶なんて残されていない」
ヒマリと呼ばれたアヤカシ少女に、その言葉の意味はまだ分からなかった。