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第18話:絶望の淵で、鳴り響くコール
深夜、さゆまるの手元の端末に、赤く点滅する通知が届いた。
それは、人生の終止符を打とうとしている誰かが、最後に叩いた「救難信号(SOS)」だった。
「……死なせない。絶対」
さゆまるは、自分の障害や痛みさえも、その瞬間のためにあるのだと感じていた。
「24時間テレビ」でエベレストを目指すという夢も、すべてはこの瞬間のためにある。
『私を見て。こんなに不器用な私でも、今、世界の屋根を目指して歩いているよ。だから、あなたもまだ、物語を終わらせないで』
彼女はマイクを握り、震える声で、けれど真っ直ぐに、見知らぬ誰かへの「回路」を繋いだ。
「もしもし。HUGスペースへようこそ。……今日まで、よく頑張って生きてきたね」
静かな夜に、さゆまるの優しい声が、誰かの絶望を溶かすために響き続けた。




