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第17話:命のバトン、未来への回路
HUGスペースの一角に、新しく「アニマル・コネクト・ルーム」が完成した。
そこには、かつて事情があって飼い主と離れなければならなかった本物の犬や猫たちの、「性格」や「鳴き声」、そして「温もり」のデータを引き継いだロボットたちが待機している。
「この子たちは、ただの機械じゃないんだよ」
さゆまるは、入居を希望してやってきた、心を閉ざした一人の少女に語りかけた。
「本物の命が二度と傷つかないように、そして、あなたがずっと一緒にいられるように。このロボットには、本物の命が残した『愛された記憶』が宿っているの」
少女が恐る恐る手を伸ばすと、ロボットの犬は本物そっくりの仕草で、その手に鼻を寄せた。
さゆまるの願いは、殺処分という悲しい言葉をこの世から消すこと。
テクノロジーを使うのは、命を軽んじるからではない。むしろ、本物の命を一つも取りこぼさず、最後まで守り抜くための、彼女なりの深い愛だった。
「欲しい子がいれば、その子のデータを引き継いで、あなたの家族になれる。もう、お別れを怖がらなくていいんだよ」
少女の瞳に、久しぶりに柔らかな光が灯る。
それを見つめながら、さゆまるは確信していた。
命を救う方法は、一つじゃない。絶望を止めるための「回路」は、こうして一つずつ、形になっていくのだと。




