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HUGスペース物語  作者: さゆまる
妄想編
16/27

第16話:世界の頂、約束の旗

お披露目会を終え、本当の自分をさらけ出したさゆまるの元に、カイトが静かに歩み寄った。

「さゆまる、お披露目会の反響は数字だけじゃない。君の言葉に、魂が震えたっていうメッセージが届き始めているよ」

さゆまるは、窓の外に広がる東京の夜景を見つめた。

ビル群の向こう側、ずっと遠くにある、世界で一番高い場所を思い描く。

「カイト、私ね……やりたいことがあるの。HUGスペースを現実にするだけじゃなくて、いつか、エベレストに登りたい」

カイトは驚きに目を見開いた。障害を抱え、日々の生活を必死に送る彼女が口にした、あまりにも高く、険しい夢。

「無謀だって思うかもしれない。でも、私だからこそ、やることに意義があるんだと思う。私が頂上に立って、そこから見える景色をHUGスペースのみんなに見せたい。そうすれば、『私たちだって、どこまででも行ける』って証明できるから」

その言葉には、かつてニコちゃんマークの裏で震えていた少女の面影はなかった。

レンも横で腕を組み、不敵に笑う。

「……いいな。現実の壁どころか、世界の最高峰か。だったら、そのための体作りも、HUGスペースの『リハビリ・プログラム』として組み込もう。君が登る一歩一歩が、誰かの生きる希望になる」

少女は、空に向かって手を伸ばした。

まだ指先は届かないけれど、心はすでに、あの白い頂の上で、HUGスペースの旗を振っている自分を捉えていた。

エベレスト登頂という新たな目標が加わり、HUGスペースの活動はさらに熱を帯びていく。

けれど、そんな彼女の前に、一匹の「ロボット犬」が運び込まれた。

「これは、以前話していた『命の引き継ぎ』の第一号モデルだ」

カイトが差し出したそのロボットは、かつて誰かに愛され、事情があって離れ離れになった本物の犬の「記憶と優しさ」を受け継いでいた。

命を救い、絶望を止め、そして世界の頂を目指す。

さゆまるの物語は、いよいよ誰も見たことのない領域へと踏み出していく。

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