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涼介の、相変わらず微動だにしない挨拶を受けて、少し笑う。仕事ではちゃんとやれてんのか?
相変わらずの美青年ぶりだった。お前はどこの国の王子様だ。
外見に加え、高校では常に試験は学年トップ、大学では主席卒業者の涼介だが、高校でも大学でも彼女はいなかった。
『僕の言葉が分からないのに、何故僕を好きになれるの?』と言ってはフっていた。
だから初めての女は客だし、初めての彼女も客だった。人並みに性欲もあれば、人並みに寂しがりもするやつなのだ。
稼ぐキャバ嬢ほど人の感情を読むのは得意で、女で優秀な経営者も然り。美貌と純粋な心を見てしまった彼女たちは、涼介に夢中になり、涼介には自然と太い客のみが寄っていった。しかも涼介は、他人と楽しさや面白さを共有出来た時、なんとあの顔で笑うのだ。
笑顔を見てしまった客は、全員その日は赤面して帰り、その後は必ず常連になった。もしかしたら俺だって、あの笑顔が見たいがために、あいつとよく遊んでいたのかもしれない。
高校時代から並外れて頭が良く、教師に説明できない問題も、涼介はわかりやすく説明できた。俺が教えてもらいにいって、俺が学校で、唯一涼介とコミュニケーションが取れるということをお互いに知り、親しくなったのだ。
ズレてはいるけれど、発している雰囲気ほどズレているやつではなかった。
だが、ようやく話せるような距離になって気づく。
なんだ今日の傘は? と。




