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おまけの俺、王宮の異変に気づく

城に戻った俺は、身を守るため――そして何より金を稼ぐため、城内をこっそり探索する日々を送っていた。


兵士たちから聞き出した話によると、勇者たちは訓練を受けているらしい。


勇者は……どうやらサボり気味。


だが――


聖女のひより、美琴、悠真の三人は違う。

真面目に取り組み、少しずつスキルを使えるようになってきているという。


(やっぱり、あいつらは只者じゃないな……)


一方で、メイドたちの噂話からも重要な情報を拾った。

王と妃たちが、半月ほど前に次々と倒れた。

未だに意識は戻っていない。

現在、国政を動かしているのは第一王女アリア。


さらに――


王女は三人、そして生まれたばかりの王子が一人。


(……きな臭いな)


情報は揃ってきた。


(そろそろ戻るか)


リュミナの顔を思い浮かべる。

城を抜け、アジトへ向かう。

こっそり中に入った瞬間――

勢いよく飛びつかれた。


「シュウイチ! おかえり!」


リュミナだった。


そのまま抱きとめる。


(……いや、なんでバレた?)


《遮断の外套》を使っていたはずだ。

そんな内心を見透かしたように、リュミナが笑う。


「シュウイチの気配、わかるよ」


ぎゅっと抱きついてくる。


(……なんだそれ)


少しだけ、照れくさい。

その声を聞きつけて、奥からライルたちが出てくる。


「よう、おかえり」

「で、収穫は?」


俺は、王と妃たちの件を伝えた。


ライルが腕を組む。


「なるほどな……」

「急に締め付けがきつくなった理由がそれか」

「正妃のフィオナ様と第二王女イリア様は、俺たちに比較的寛容だった」

「それに――ファルドラ侵攻も半月前だ」

「……繋がるな」


ロウガが低く呟く。


「今仕切ってるのは第一王女、アリアか?」

「召喚の時、そう名乗ってた」


ライルが考え込む。


「アリアも、そこまで過激なタイプじゃなかったはずだが……」

「つまり、“半月前”に何かあったってことか」


(……当たりだな)


バラバラだった情報が、一本の線になる。


(この国、内側から崩れてるのか?)


リュミナの頭を撫でながら、考える。


「王族って、どこまで情報が出てるんだ?」


ライルが即答する。


「国王に妃が三人、王女が三人ってのは公表されてる」

「王子は?」

「……王子?」


ロウガが眉をひそめる。


「そんな話は聞いてないな」

「生まれたばかりらしい」


ライルが小さく息を吐く。


「なるほど……」

「第二側妃フェリア様の子か」


(やっぱり重要だな)


頭の中でメモする。


その時、リュミナが不思議そうに聞いてきた。


「王子が生まれたら、王女はどうなるの?」

「普通なら、王子が後継者になる」

「王女は他国に嫁ぐことが多いな」


(……つまり)

(アリアが焦る理由にはなる)


リュミナの頭を軽く撫でる。


「いいところに気づいたな」

「シュウイチ、痛いよ~」


少し困った顔をしながらも、嬉しそうに笑う。


(……少しずつ見えてきたな)


この国の裏側。


そして――


「……これ、ただの偶然じゃない」


自分がどう動くべきか。

リュミナを見る。


(この子だけは、絶対に守る)

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