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おまけの俺、全員の加護を断ち切る

光の糸を断ち切った瞬間、

俺はすぐに《神威の滅剣》を解除した。


発動中はずっと力を吸われるような感覚があったが、

“切る”という行為そのものは問題なさそうだ。


(……これなら、美琴とひよりもまとめていける)


悠真を見る。

膝をついてはいるが、意識ははっきりしていた。


「悠真、大丈夫か?」

「はい……切られた瞬間、力を持っていかれた感じがして

一瞬ふらっとしましたが……今は大丈夫です。

立ったままでもいけましたけど、座っていた方が楽だと思います」


しっかりとした返答。


「そうか。助かる」


俺は一度息を整え、二人に目を向けた。


「美琴、ひより。まとめていくぞ」

「はい」

「お願いします」


二人は迷いなく頷き、その場に腰を下ろす。


俺は再び《虚無視界》を発動した。


視界が反転し――

見える。


二人の頭から伸びる、

悠真と同じ“黄色い光の束”。


それが王都へと繋がっている。


(……これで、終わりだ)


「いくぞ」


《神威の滅剣》を発動。

身体の奥から、一気に力が引き剥がされる。


(……重いな……!)


だが、止めない。

そのまま、二人の光へと剣を振り抜く。


――ぶちっ

手応え。


さらに――

ぶちっ、ぶちっ

糸が弾けるように断ち切れていく。


(……いける!)


最後の束へ、全力で刃を叩き込む。


「――はああああっ!!」


光が弾けた。

すべて、断ち切れる。

俺はすぐに《神威の滅剣》を解除した。


その瞬間――


「っ……!」


全身から、一気に汗が噴き出す。

膝に手をつき、なんとか踏みとどまろうとするが――


「シュウイチ!」


リュミナが駆け寄ってくる。

そのまま、前から支えられ――


視界が傾いた。

気づけば、地面に倒れ込んでいた。

後頭部に、柔らかい感触。


(……膝枕か)


見上げると、

心配そうに覗き込むリュミナの顔があった。


「……大丈夫だよ」


そう言うと、リュミナはほっと息を吐いた。


「よかった……」


少し遅れて、美琴とひよりが近づいてくる。


「おじさん、ありがとう。私たちは大丈夫」

「うん。

……でも、かなり無理してるでしょ?」

「まあな……でも、これで一段落だ」


リュミナは胸を張る。


「シュウイチ、気持ちいいでしょ?」


俺は軽く親指を立ててみせた。


「……最高だな」


(正直、めちゃくちゃ助かる)


そのやり取りを見ていたライルたちが、

少し離れたところで笑っている。


「おーい、青春してるなー」

「余裕あるじゃねぇか」


(……ほんと、好き勝手言いやがって)


だが――

悪くない。


張り詰めていた空気が、少しだけ緩む。


仲間がいる。

ちゃんと、全員無事だ。


(……終わったな)


そう思った、その時だった。


――ふ、と。

一瞬だけ、周囲の音が遠のいた気がした。


風の音も、

木々のざわめきも、

仲間の気配さえも。


(……なんだ?)


ほんの一瞬。


だが確かに――

“何か”が、こちらを見たような気がした。


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