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魔界のイレギュラー~正体バレたら人生終わります!?  作者: 蒼凪しな
【第一章】正体バレたら即終了!? なのに初日からやらかしました
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6/9

空に浮かぶ学園

「それじゃあ、ハクレちゃん。

 行こっか~!」


「は、はい!」


あの後。


制服、教科書、カバン、その他学園生活に必要なものが、次々と運び込まれた。


しかも全部高そう。


一体いつ準備したの!?


「いいですか、ハクレ様?」


アンさんがじっとこちらを見る。


「く・れ・ぐ・れ・も!

 妙な真似はしないでくださいね?」


「大丈夫大丈夫~!

 なんたって僕がついてるからね~」


ディウムさんが笑う。


アンさんは少しだけディウムさんを睨んで――諦めたようにため息をついた。


いいなぁ、この二人。なんだかんだ仲が良くて……


「それでは、お気をつけて」


「あ、はい!

 いってきます……?」


で、いいのかな?

正直、まだ実感がない。


ディウムさんの方を見ると、

ものすごい笑顔でうなずいていた。


ボクはアンさんの方へ向き直った。


「いってきます!」


……ん?


ボクは玄関先にあるものを見た。


豪華すぎる馬車。


これ絶対目立つやつだよね!?


「ほらほら~、ハクレちゃん」


ディウムさんが馬車の中から手を振る。


いつの間に!?

ついさっきまで隣にいたのに。


「ふかふかだよ~。

 あ、あと僕のことは”おじいちゃん”って呼んでね♪」


「えぇっ!?」


急すぎる!


「早くしないと遅れちゃうよ~」


ボクは馬車へ乗り込んだ。


……でも。


初めての学校。


ちょっとだけ楽しみかも。



馬車は、優雅に森の中を進んでいった。


……が。


やっぱり魔界、怖い!


最初に「帰りたくない」なんて言ったボク、

何考えてたの!?


いや、確かに帰りたくはなかったけど!


窓の外を見れば、


トラックみたいな大きな鳥が飛んでるし、

植物は喋ってるし、

なんなら動いてる。


怖い怖い怖い!


でも、不思議と悪魔の姿はあまり見かけない。


「ハクレちゃん、見えてきたよ~」


ディウムさんの声に顔を上げる。


そして。


「――え」


森を抜けた先。


そこには、”空に浮かぶ島”があった。


「な、な、何これぇぇぇ⁉」


島のほとんどを埋め尽くす巨大な建物。


お城みたいな校舎。


その周囲を飛び回る影。


島の下には、雲。


「浮いてる!

 島が浮いてる!!」


「こういうのはね~、魔界じゃ普通なんだよ~」


「普通!?」


「ちなみに、ハクレちゃんには羽がないから、気をつけてね~」


「ひっ!」


さらっと怖いこと言わないで!?


ってことは、

あの飛んでるの全部悪魔!?


感動が一瞬で吹き飛んだ。


「あれが、今日からハクレちゃんが通う学園――」


ディウムさんが楽しそうに笑う。


「デモンズアカデミアだよ~」


馬車が校門前で止まる。


扉が開いた瞬間。


ざわっ――。


周囲の視線が、一気に集まった。


「ねぇ、あれ、理事長じゃない?」

「ほんとだ。隣の子、誰?」

「え、理事長に子供っていたっけ?」


ひぃぃぃ……!


視線が痛い!


「それじゃあ、記念写真撮ろ~!」


「あ、はい……」


……ディウムさん。


もしかして、

こういう注目、慣れてる?


というか。


なんだかんだで、

ディウムさんが一番楽しんでない?

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