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魔界のイレギュラー~正体バレたら人生終わります!?  作者: 蒼凪しな
【第一章】正体バレたら即終了!? なのに初日からやらかしました
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測定不能【アンside】

「今回の件は、さすがに見逃せません!」


私は思わず声を荒げていた。


だって、人間だ。


に・ん・げ・ん!


どうやって面倒見ろっていうの!?


……いや、一応もう最低限の準備はしたけど。


人間特有の匂いを消す魔術。

悪魔語を使えるようにする魔術。

お風呂。

着替え。

部屋の用意。


全部終わってるけど!


でも絶対いつかバレる!そうなったら、私もディウム様もただじゃ済まない。


「ふふ~、いいじゃない。

 たまにはこういうスリルもさ~」


「……どうしてそんなに楽しそうなんですか」


「え~?

 だってもう手続き終わっちゃったし~」


ディウム様の言葉に私は嫌な予感がした。


「……まさか、本当にあの子を学園に通わせるおつもりで?」


「そうだけど?」


終わった。


この人、決めたら絶対に曲げない。


「なら、理由を教えてください。

 どうしてあの子なんですか?」


私はまっすぐディウム様を見る。


「身寄りのない悪魔の子供なら他にもいます。

 わざわざ人間を選ぶ必要はないでしょう」


ディウム様は少しだけ目を細めた。


「……アンも気づいているんじゃない?」


「……」


気づかない訳がない。


むしろ、一目で分かった。


人間が自力で魔界へ来た。


その時点で異常だ。


しかもその理由が

”道に迷ったら着いた”。


意味が分からない。


「それでも反対です。

 寝ている間に人間界に帰せば、夢だったと誤魔化せるかもしれません」


「う~ん」


ディウム様は困ったように笑った。


「じゃあ聞くけどさ。

 あの子、どうやって人間界で生きてきたと思う?」


「……普通に生きていたのでは?」


「普通ならね」


その瞬間。


空気が変わった。


「あの子の魔力は大きすぎる」


「……!」


背筋が震えた。


私ですら、ハクレの魔力量を測れなかった。


測定不能。


そんなこと、ありえない。


「人間は普通、魔力を持たない。

 一欠片もね」


ディウム様は静かに続ける。


「でも、あの子は違う。

 ……僕ら以上かもしれない」


ぞくり、とした。


もし本当にそうなら。


魔力の存在しない人間界で、

あんな子が普通に生きられるはずがない。


その証拠と言わんばかりに、

ハクレは自身の髪色を汚して目立たなくしていたし、

身に着けていたものもボロボロだった。


「……むしろ、恐れられていたでしょうね」


私がそう答えると、

ディウム様は満足そうに笑った。


……まただ。


また私は、この人に言いくるめられた。

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