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魔界のイレギュラー~正体バレたら人生終わります!?  作者: 夢巡つむぎ
【第二章】イレギュラーな学園生活
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16/26

016. イレギュラークラス

「おっはよ~、ユオ君!」


今日もボクはユオ君の家に寄り道して登校していた


寄り道って言ってもほとんど通り道だから、全然遠回りじゃないしね


「……朝からうるさい」


昨日と同じように不機嫌なオーラを漂わせて出てくる


「いいじゃん、いいじゃん

 楽しまないともったいないよ」


「……はぁ」


ユオ君が小さくため息をつく


本当はもうちょっと仲良くなりたいんだけどな


いやいやいや、こうして一緒に登校してくれてるだけでも十分嬉しいし

欲張らない、欲張らない


「そういえば今日、クラス発表があるんだって」


「……」


すごいどうでもいい感が漂ってる


本当に周りのことに対して興味ないなぁ


良くも悪くもマイペースというか


いつか、お喋りできるようになる日が来るといいな



――――――――――――――――――――――――――――――



校門をくぐると大きな人だかりができていた


その前には大きな掲示板が設置されていた


やっぱりみんな気になるよね

自分がどこのクラスなのか、とか

クラスメイトが誰か、とか


ボクも悪魔と悪魔の間から掲示板を覗き込む


どれどれ……?


!?


……おじいちゃん?

これ、目立たせに来てない?


今日は朝からルンルンだった


「ハクレちゃんよりも目立つ悪魔ばっかり集めといたから、安心してね~」

とか言ってたけどさ――


掲示板には八枚の紙が掲示されていた


問題は、その中の一枚である


他の紙よりも一回り大きく、遠目からでも書かれている字がよく見える


何より、黄金の派手な額縁に入れられていて、異彩を放っている


その紙に一番大きく書かれている名前が――

”ハクレ・ピオナム”


すっごく目立ってるんですけど!?


また周りの生徒に囲まれるのも面倒だし、ささっと教室に行っとこうかな


クラスメイトも確認しておきたかったけど、教室に行けば会えるよね


気づいたら、ユオ君はどこかに行ってしまっていた


気配を消すのがうまいのか、そもそも存在感が薄いのか

目を離したらすぐにいなくなってしまう


ユオ君はどこのクラスだったんだろう


ボクらの紙に書かれていたのは、イレギュラークラス


それってもしかして――


「あっ、ハクレちゃんだ~

 おはよ~」


人だかりを外れたところで、尻尾をぶんぶん振ってるノア君に声を掛けられた


「おはよう、ノア君!

 朝からご機嫌だね」


「うん!

 ノア、ハクレちゃんが同じクラスですっごく嬉しいんだ~

 あっ、あとノアのことは呼び捨てでいいよ~」


え!?

ノアとボク、同じクラスなの


やっぱ、さっきちょっとでも確認して来れば良かった


「分かった

 じゃあ、ノアもボクのこと呼び捨てで呼んで」


「分かった!」


本当にかわいすぎないか、この悪魔


「あっ!

 それ、つけてくれてたんだ~」


ノアがボクの髪をまとめている黄色のシュシュを指さす


「あ~、これのこと?」


自分じゃ上手くできなくて、アンさんに結んでもらったんだよね


アンさんって何でもできるよな


「ふふっ、嬉しいな~

 そうだ!

 同じクラスなんだし、教室までノアと一緒に行かない?」


「うん、一緒に行こう!」


良かった~


正直ボク一人で行ったら、迷子になる予感しかしなかったよね


デモンズアカデミアに通い始めてから三日が経ったけど、

毎日、学園内で迷子になっております


ノア、本当にありがとう



――――――――――――――――――――――――――――――



……ここで、本当に合ってるんだよね?


辿り着いたのは、校門の正面にある校舎から少し離れた場所の地下にある古びた教室


いや、古すぎない!?

絶対何年も使ってなかっただろ!


壁にはたくさんの落書きに

蜘蛛の巣もちらほら見える


魔界の蜘蛛ってボクが想像している蜘蛛と同じなのかどうかは怪しいが


隙間風が吹いているのか、ドアや窓がカタカタと音を立てている


ここってゴミ捨て場の近くだったような――


完全に隔離教室じゃん!


もしかして、おじいちゃんが言ってたのって、問題児が集まったクラスだから?


ボクは自覚あるけど……


ノアは、個性的だけど問題児ってほどでもないような……


ドアを開けて、教室の中に入っていく


すると――


「えっ!

 ちょっ!

 うわぁ!」


何か鋭いものがいくつも飛んできた


とっさに避けて後ろを見ると、床にナイフが突き刺さっていた


……え?


どういうこと?


パチパチパチ


三人の生徒が拍手しながら、近づいてきた


「いや~、さっすが特待生

 全部避けきるなんてね」


「おもしろいじゃん」


「すごい身のこなしですね」


羽を広げてぷかぷかと飛んでいる少年はサラサラの水色髪が特徴的だな


真ん中の男子は、背がかなり高い

どこか落ち着いた雰囲気を纏っている


端にいる女子も同じくらい背が高い

制服が着物みたいに和服アレンジされている


ノアはかわいい系だけど、この悪魔は綺麗系の美悪魔だな


「これ、仕組んだの君たち?」


「そうだよ!

 何本避けれるかって予想してゲームしてんの、特待生もやる?」


「やらないよ!」


水色髪の少年が飄々とした口調で言う


危なすぎでしょ

これが、魔界の普通なのか?


「全部避けたのは、貴方が初めてなのよ」


「代わりに、全部受け止めたやつもいるけどな」


落ち着いている雰囲気の男子が教室の隅を指さす


えっ……


そこには、誰よりも大きい悪魔が全身にナイフを刺して堂々としていた


「フン、こんなもの避ける必要もない」


痛くないのかな


あの子、昨日すれ違った子だよね


埃を払うかのように淡々とナイフを抜いていく


魔界の常識、怖い


「何を騒いでいる」


ギクッ!


何度も聞きすぎて、この鋭く突き刺さってくる声に反応するようになっちゃったよ


恐る恐る振り返ると、そこにはボクの予想通りの先生が睨みをきかせて立っていた


オル先生……


みんな、いそいそと席に座る


教室の広さの割に人数が少ないから、結構スカスカだな


他のクラスに比べても人数少なかったしね


「えー、不本意ながら!

 イレギュラークラスの担任になったオルフェリウス・ノアルルディズムだ」


名前言いにくい!


そりゃみんな、オル先生って言うわけだよ


苗字も名前も言いにくすぎる


不本意なのは強調しなくてもオーラで伝わってますよ


「これより、出欠をとる

 クロード・ユーブル」


「はい」


「ファロ・アヴァソグ」


実際、何人くらいいるんだろう


早くみんなと仲良くなりたいしなぁ


「ハクレ・ピオナム」


「!?

 はい!」


いけない、いけない

考え事してる時に急に名前呼ばないでよ


びっくりした~


「ルルネ・サンブラ」


女子よりも男子が多い印象を受けるな


「ノア・ソロバ」


「は~い」


それに、みんな制服アレンジって結構してるのかな

してない人の方がこのクラスは少ないような


「リルドラ・ノマ」


それに、角があったりなかったり


無い悪魔は隠してるだけだったりするのかな


アンさんとノアにも見えないし


「シオン・レビアル」


「はい」


え!?

シオン君!?


いよいよ、このクラスどうやって集められてんだ?


シオン君は、主席の優等生じゃなかったっけ?


「セオドア・バルトスバ」


「はーい」


さっきの、落ち着いた雰囲気の男子が返事をする


「ウルティア・ネクスフィー」


「はい」


あっ、ウルティアだ

ちょっと周りの風景とあってないけど


ウルティアが同じクラスなのは嬉しいかも


「ヴォルト・ソバンク」


「はい」


ガタイの良い男子が返事をする


「ウィーナ・オルジェムリー」


「は~い」


やっぱ美人!

所作の一つ一つが綺麗


「ザーク・シジェロ」


こうしてみると、結構な人数いるんだな


十人ちょっとくらい?


「ユオ・アムル」


「……」


あっ、ユオ君だ


って、寝てるし


それでいいのか?


「ゼフィア・ロファス」


「は~い」


水色髪の少年が返事をする


だいぶユニークなクラスだな~

だから、イレギュラークラスなのか


「初授業は飛行レースを行う

 全員ついてこい」


初授業から、実習なのか――


って!?


飛行レース!?


ボク飛べないんですけど!?

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