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魔界のイレギュラー~正体バレたら人生終わります!?  作者: 夢巡つむぎ
【第二章】イレギュラーな学園生活
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14/26

014. 使い魔召喚

あのキャラで男の子……


やっぱ悪魔って個性強いな~


……


もしかして、ボクも例外ではない!?


いやいや、さすがにそんなことはないよね


……


人間の時点でアウトか


そういえば、時間がって言ってたっけ


何の話だろう?


あれ、もしかしてボク

学校に来てるだけで予定とかなんも知らされてないんだが?


「さぁさぁ、ハクレ様

 ファントムのことなど忘れて

 私(わたくし)たちも参りましょう。」


「ファントム?」


「あぁ、ハクレ様は事前テストにいらっしゃらなかったから

 ご存じないのですね」


ウルティアは納得したかのように手を叩く


「ファントムというのは、あの悪魔につけられた異名ですわ」


ファントムってなんか、怪盗とかそっち系のイメージが強いんだけどな


どっちかって言うと、かわいい癒し系枠な気がするんだけど……


「いけませんわ!

 もう少しで始まってしまいます

 行きますわよ、ハクレ様」


ウルティアはボクの手を引いて、歩き出す。


所作はまるで歩いてるみたいに綺麗なのにスピードはめちゃめちゃ速い!?


「いや、行くってどこに!?」


「決まっておりますわ」


てっきり校舎に入るのだと思っていたけれど、そういうわけではないらしく、

段々と教会のような建物が見えてくる。


ほんとに広いなこの学園!


「使い魔召喚の館」


へ?


使い魔?


ウルティアちゃんが優雅に微笑む


「本日は、使い魔召喚儀式の日ですわ」


それってもちろんボクもやるんですよね


人間って使い魔召喚できるのか!?



「遅い」


体がびくっと震える。


なんてったってこの聞き覚えのある低い威圧的な声。


覚えていないわけがない。


教会のような建物の入り口でオル先生がボクらを睨んで立っていた。


絶対嫌われてるじゃんこんなの~


「申し訳ございません、オルフェリウス卿

 すこし面倒ごとに巻き込まれてしまったのですわ」


ウルティア、すご~い


あのオル先生に向かっていつも通りに対応してる


ってか、オル先生ってオルフェリウスって言うんだ


おじいちゃん、教師に対してもフランクなんだな


「それに、時間には間に合っておりますし、

 この場で私(わたくし)たちを足止めしている方が時間の無駄になるのではなくて?」


ウルティア、強すぎない?


これは、これで怖いかも


このウルティア相手に決闘してたって、ボク、相当ヤバいのでは?


「フン、まぁいいだろう

 さっさと入れ」


「感謝いたしますわ」


ウルティア~、口元は笑顔だけど目が笑ってないよ~


オル先生に至っては、相変わらず鋭い視線をグサグサと突き刺してくるし


バチバチだなこの二人


「それでは参りましょう、ハクレ様」


急な満面の笑み!


「う、うん」


「どうかなさいました?」


「ううん、なんでもない!」


ウルティアは今後一切敵に回さないでおこう


絶対ひどい目にあう


長い通路を進んでいくと、昨日のホール並みの広間に出た


そして、その中心には何やら怪しげな蠟燭が……


そこだけ段差あってちょっと高いし


怖すぎるんだけど!?


おじいちゃんが昨日、あるって言ってたのこれのことだったのか


すでにたくさんの生徒たちが集まっていて、それぞれグループをつくって楽し気におしゃべりをしていた


隅っこの方に存在感が薄すぎるユオ君もいた

って寝てるし


「粛せよ」


そして、オル先生のこの一言で場に沈黙が訪れる


この人、何者?

怖いのは分かるけどさ


「これより、使い魔召喚儀式を始める

 まず、一人ひとりにこの羊皮紙を配る」


取り出したのは、付箋くらいの大きさの小さな紙


あれ?

意外と簡単そう?


「そこに、それぞれの血を垂らせ」


血を垂らせ⁉


ごめんなさい

全然簡単なんかじゃありませんでした


魔界、やっぱおかしい


いや、この場合おかしいのボクの方か


「最後に一人ずつ、そこの蠟燭でこの紙をもやせ、以上」


なんだろう、言ってることはシンプルなのに頭が理解を拒んでいる気がする


紙に血を垂らして?

それを蝋燭で燃やす!?


ちなみに、その儀式って人間でも問題ないですかね


まぁ、いいや

どうにでもなれ


ボクはオル先生に羊皮紙をもらう


「ちなみに言っておくが、この場の責任者は私だ

 故に――」


え、なになに?

怖いんだけど


「出来の悪いものは私の判断で退学にできる

 せいぜい、気を引き締めておくのだな」


オル先生はボクのことを嘲るように笑って、蠟燭台の方へ歩いて行った。


……つまり、


失敗したら、退学!?


いやいやいや、悪魔じゃないけど大丈夫なのか!?


あ、でも、退学になれば学園に行かなくても良くなる?


そしたら、人間だとバレるリスクも減るのでは!?

ということは、むしろチャンス?


いや、ダメだ

そんなことしたら、おじいちゃんに人間界に帰されちゃうかも!?


そっちの方がヤダ!


せっかく手に入れた学園ライフを手放すもんか

初めての友達もできたし


何としてでも、デモンズアカデミアに居座ってやる


バレたら食糧だけど……


「次、ウルティア・ネクスフィー」


もうそろそろ順番回ってきちゃうじゃん


血を垂らすって、ちょっとでもいいのかな


ボクは小さな氷の破片を作り出す


そして、魔法陣が書かれている羊皮紙に一滴たらす


すると、中央から、歓声が聞こえてきた。


目を向けるとそこには――


真っ赤な大きな鳥がいた。


「え……?」


何あれ!?


熱気すごっ


もしかして、ウルティアが召喚したの!?


「さすがは、ネクスフィー家だ

 フェニックスを召喚するとはな」


オル先生は淡々としてるけど、


え、

これが魔界の普通?


人間のボクがやったら、それこそ小っちゃな蝶々とかしかできないんじゃ……


「次、ハクレ・ピオナム」


「は、はい!」


おっかしいなぁ

ウルティアを呼んだ時よりも声が鋭いし威圧的な気がする


もしかしてだけど、おじいちゃんのことを嫌ってるからその巻き込まれ被害、

とかではないよね?


「お、次特待生じゃん」

「ネクスフィーがフェニックスだったんだから、神話級の魔獣召喚するんじゃね」

「さすがにそれは無いだろ」


めっちゃ注目されてる


ウルティアに至っては、当然のように見てくるんだけど?


やめて、お願いだから


というか、昨日測定水晶壊した前科があるんだけど

これは、壊れないよね?


恐る恐る羊皮紙を蝋燭にかざす。


羊皮紙に炎が移り――


「えっ……?」


天井に届くくらいに蝋燭の炎が大きくなった。


「……これは、」


やっばい!


これまた、なんかやらかすやつだ


何!?

人間ってここまで魔界だとおかしなことになるの?


周囲も動揺が抑えきれていない


なぜ、ウルティアはそんな冷静に

ハクレ様ならば当然ですわ

みたいな表情してるの?


「おいあれ!」


大きく膨れ上がった炎の中に何かいる?


白い毛並みに

光り輝く金色の瞳がちらりと見えた


その魔獣は大きな尻尾で炎を振り払い、その姿が露になった


そこにいたのは、

とてつもなく大きい九尾の狐だった


「か、か」


「おいあれって」

「マジで神話の魔獣じゃねぇか」

「え、あれ本物?」


「かっわいい~!!」


雪みたいに真っ白な体

ゆらゆらと揺れる九本の尻尾

その先が少し赤くなっていて炎みたい


九尾の狐はボクのことを静かに見下ろす


「其方(そなた)じゃな

 妾(わらわ)を起こしたのは」


「え、あぁ」


召喚って魔獣を起こしたことになるのかな


というか、九尾の狐って魔獣になるのか

日本の妖怪ってイメージなんだけど……


こんなかわいい子が妖怪なわけないか


それに魔獣って喋――


「魔獣が喋ったぁぁ⁉」


周囲から聞こえる大絶叫


あれ?

魔獣って喋らないの!?


じゃあ、この子は?


「ギャーギャーとうるさいのう」


九尾の狐は嫌そうな顔をする


いや、普通に喋ってますけど?


すると、オル先生にガシッと肩を掴まれた


「とりあえず、理事長の元へ行け」


え、何々?

怖いんですけど!?


「ティエンフー様もご一緒していただいてもよろしいですか」


めっちゃ丁寧語じゃん!


「よかろう

 久々にディウムへの挨拶もしておこうかのう」


この子、いったい何者?

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