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第四話 腐死の魔導師

 城内では暖房と除湿を兼ねて、常にどこかしらで火が焚かれていた。本格的な冬にはまだ日数はあるが、それでも朝晩の冷えは少しずつ厳しくなりつつある。

 空模様は、変わらず雨。今朝は昨日よりも強い。運の悪いことに、装飾だらけの馬車を城に足止めする程度には。


 リュシアンが用意した薬湯の効果か、アレクシアは熱を出すこともなく翌朝にはすっかり回復していた。昨夜アルベルトが部屋を訪ねた時には、リュシアンやメイドたちと楽しそうに話をしていたのを思い出す。

 アレクシアにとってリュシアンは、毎年誕生日プレゼントを贈ってくれる優しい兄の友人という感覚なのだろう。愛らしい笑顔で『リュシアン兄様』と呼ばれたリュシアンは『王都に連れて帰ってもいい!?』とアルベルトに懇願し、城から追い出されそうになる、などという一幕があったりもした。




 朝食は、城で最も大きな食堂に準備された。

 できるだけグローリアの近くには座りたくないという全員の意見が一致し、結果細長いテーブルの四方に散るというシュールな形になった。グローリアに対して一応リュシアンを紹介しようとしたが、リュシアンが子爵であると分かった途端グローリアが『時間の無駄だから、もう良くってよ』とさっさと椅子に座ったためそこで終了している。挨拶を途中で切られたリュシアンは『やった…!イチ抜け成功!』と拳を突き上げていた。素直に羨ましい。

 そこそこ距離が空いてしまったせいで、雑談めいた会話は難しい。カトラリーの音だけが、室内に響いている。

 グローリアは、朝食のオムレツを五度作り直させた。一度目は冷めている。二度目は硬すぎる。三度目は半熟は好きじゃない。四度目は塩が強すぎる。五度目は味が薄すぎる。二度目の時に口を挟もうとしたアルベルトを、執事長がそっと止めた。バターたっぷりのオムレツたちは、今頃使用人たちのちょっと豪勢な朝ご飯になっているだろう。


(この女、ヒクイドリ召喚して蹴らせてぇ…!でも召喚魔法ってこの世界だとめちゃくちゃ希少で使い手がいないんだっけ?くっそ〜!)


 リストニア城に運ばれてくる卵は、毎朝領民が『一番大きいやつです!』と用意してくれるものだ。一つの卵を得るために彼らは草を刈り、地を整え、小屋を建てる。雛から雌鶏を育て、餌を与え、肉を狙う肉食動物たちから守る。

 その卵を、グローリアは何度も無駄にし続けた。卵だけではない、パンも、スープも。

 グローリアの態度は、リストニアの人間からすると信じがたいものばかりであった。


(見た感じ、侍女も似たようなタイプっぽいな。さすがに護衛の人たちは違うみたいだけど。あのやたらクドイ顔の愛人騎士は例外として)


 飾りでギラギラの馬車でグローリアがリストニア城に来た時、彼女は一人の侍女と四人の護衛騎士を連れていた。その内の一人は愛人騎士なので実際に護衛としての腕前があるかどうかは置いておく。

 ともあれ一夜明けて上がってきた報告は、


 侍女…グローリアと同じくリストニアを田舎の下級貴族と捉えている。なお侍女は、本人が言うには伯爵家の出である。執事長が『どうやらこの国にはリストニア家よりも格上な伯爵家があるご様子で』と黒い笑みを浮かべていた。

 愛人騎士…グローリアがいないところでメイドたちを片っ端から口説こうとしていた。メイドたちからは、キモすぎる、閣下やヴォルフガング様のお顔に慣れてる私たちにあのレベルで言い寄るとか冗談きつい、大森林に捨てましょうよアレ、と言った意見が上がっている。

 護衛騎士A〜C…しきりに恐縮している。早く帰りたがっていて、いたたまれない。

  

 というものであった。

 愛人騎士への辛辣さもさることながら、一纏めにされている護衛A〜Cに対する気の毒さがすごい。通常こう言う時は似たような集団になるものなので、護衛A〜Cがグローリアたちと態度が違うのは、彼らが本当に実力がある騎士ゆえなのかもしれなかった。

 なにしろ、秋雨期のリストニアに入領しようというのだ。公爵家の護衛騎士ともなれば、さすがにその危険性は知っているはずだろう。


 朝食の後、食堂から退室するグローリアは、当然のように「供をしなさい」と、ドア近くに控えていたヴォルフガングに声をかけた。愛人騎士の嫉妬の目が、ヴォルフガングに向けられる。


(いやいや、愛人騎士はヴォルフガング様に嫉妬する前に、愛人レベルを上げてグローリアの目を自分に向けさせなさいよ)


「ステルビア公爵令嬢。申し訳ないがヴォルフガングは我がリストニア騎士団を束ねる者。一客人の護衛をさせるわけにはいかない旨、ご了承いただきたい」

 手をヴォルフガングの腕に絡ませようとしていたグローリアに、アルベルトが声をかける。それは対面に座っていたアレクシアが思わず兄を見てしまうほど、冷たい空気を纏っていた。

 だがグローリアは気にした様子もなく、扇を広げてコロコロと笑う。

「あら、なぜ?わたくしは今このリストニアでもっとも高貴な血を持つ大切な客人のはず。わたくしに何かあれば、リストニア侯、あなたの責任になるのでは?」


(ぐぬぬ〜、座学の成績が悪くてまだ貴族院を終学できてないくせに、悪知恵だけは働きよるわ〜)


 王家の血を盾にされると、リストニア家としては無碍にはできない。アルベルトの中での実際の優先順位は違うとしても、建前は『自領<公爵家の姫』でなければならない。

 しかしながら、ここでヴォルフガングを預けてしまえば、それこそ終わりだ。グローリアの性格を考えたら、どんな手段を使っても彼を自分のものにしようとするだろう。例えば、わずかでも人の目が届かない場所に行くことができれば、グローリアは『勝ちにしてしまえる』。「襲われた」でも「迫られた」でもなんでもいい。最悪「髪を触られた」とかでもいい。とにかく『ヴォルフガングが公爵家の姫に懸想した』という話にさえ持って行ければ。

 正式な手続きの下、公爵家はリストニアへと抗議し、賠償としてヴォルフガングの身柄を要求するだろう。

 ひょっとすると、使者を立てずにグローリア自らがやってきたのも、それを狙ったステルビア公爵の指示なのかもしれなかった。

 

「ステルビア公爵令嬢、もしよろしければ田舎者のわたくしにステルビア領の素晴らしいお話をお聞かせ願えませんか?」

 救いの女神が現れたのは、アルベルトがヒクイドリの召喚方法を心の中で模索しながら、次の一手をどこに置くか考えていた時だった。

 立ち上がったアレクシアが、ヴォルフガングの隣に立ち、白魚のような手を差し出す。剣聖は何も言わず、彼女の手を恭しく取った。

「ステルビア公爵令嬢は、王家の血を引く高貴なお方ですもの。わたくしお話を聞いて、学びとうございます。ねぇお兄様、その間ヴォルフガングをわたくしにお貸しくださいな」

 アルベルトは、すぐに妹の意図を理解した。先程のグローリアの言葉は、身分としては間違ってはいない。アルベルトは、彼女が滞在する限り最大限身の安全を保障する義務がある。故にアルベルトからは、グローリアの要請には反対できない。

 だが、まだ十一歳のアレクシアなら。

「今の季節、わたくしも少し不安でございますから、ヴォルフガングが側にいてくれると心強いのです。もちろん、高貴なるステルビア公爵令嬢をお守りされる騎士の皆様の邪魔などいたしません。ですのでお兄様、ヴォルフガングへ、ステルビア公爵令嬢とわたくしがお話している間、わたくしから離れぬように、とお伝えくださいまし」


(……アレクシアちゃん、かっけぇぇーー!!)


 心の中の腐女子が『アレクシア最高』の法被を着て踊り始める。

 そう、リストニアの姫であり、まだ十一歳のアレクシアなら。ヴォルフガングが護衛についてもおかしくはない。しかも、グローリア側の騎士の役目を立てた上でだ。

 これでもしグローリアが『自分が連れて来た騎士よりもヴォルフガングが良い。アレクシアよりも自分を優先しろ』と答えるのであれば、今度はリストニアからステルビア家に対して『君んとこの姫が、自分にはまともな護衛がついてないから、うちの姫の護衛を貸せって言うのよ。そんなのお互いに危ないから、今すぐ送り返すね』ができるのである。


(ナイス!ナイスボール!アレクシアちゃん!)


 アレクシアから投げられたストレートをスパンとキャッチして、投げ返す。

「私の可愛い姫の小さな我儘だ。もちろん叶えよう。ヴォルフガング、付き添ってやってくれ。…ただし、『アレクシアからは離れるな』」

「承知いたしました」

「ありがとう!お兄様!」


(こちらこそありがとう、アレクシアちゃん!これで安心して仕事ができるー!)


 ただ、『あの』グローリアの相手をアレクシアにさせてしまうのだけが、心苦しいが。

 ヴォルフガングにエスコートされ、「では参りましょう」と食堂を後にするアレクシアが、チラリとアルベルトを見てから心得たとでも言いたげに力強く頷いた。

 

(この間の、レナードくんを守るって言った時もそうだったけど。……いつの間にかこうやって何かを任せられるくらい、大人になっていってるってことなのかな。……嬉しいけど、やっぱりちょっと寂しいな).


 この気持ちは。

 親心でもあり、兄心でもあり。

 そして、姉心でもあるのかもしれない。






 


 屋根のついた石畳の廊下に、二人分の足音が響く。水を含んだ空気は、重く冷たい。太陽はちょうど真上にある頃だが、雲がそれを隠し世界を灰色に変えている。

 午後になり執務を終えたアルベルトは、リュシアンと共に城の北にある騎士団の鍛錬場へと向かっていた。

 「やっぱり調べれば調べるほど、この魔鉱石はすごいよ。本格的な採掘が始まったら、ファンケンラートにおける魔鉱石の歴史が変わるんじゃないかな」

 リュシアンはそう言って瞳を輝かせるが、アルベルトにとっては巨万の富を得る魔鉱石など面倒の種にしかならないものだった。いっそウィーバー家に山ごと運んでやりたいくらいである。

 政争に巻き込まれたら気の毒なので、やらないが。

 

 しばらく歩くと、石造りの別棟が見えてくる。

 雨にも関わらず、広い場内には騎士たちが鍛錬を続けていた。

「雨天戦の演習かな?」

「ああ。今の季節はどうしても雨での戦いが中心になるのでね」

 晴れだろうと雨だろうと魔物の出現は待ってはくれない。この時期の騎士たちは必然的に、雨の中での戦いを強いられる。

「……閣下!」

 騎士たちを指導していた者が広場の隅で見ている二人に気付いたらしく、手を振って声をかけてきた。

「おいでいただいたことに気付かず、申し訳ありません」

 それはヴォルフガングの補佐としてリストニア騎士団の副団長を務める男だった。年齢は三十を少し過ぎた辺り。きちんと整えられた顎髭が特徴で、当人曰く「ダンディーな気がする」とのこと。妻帯者で、今年二歳になる息子がいる。

「邪魔をするつもりはないから気にしないでくれ。少し隅を借りていいか?」

「もちろんです。と言うか、この城にある物は全てあなたの持ち物ですよ、閣下」

 それは、そう。だが気分の問題である。

 一角を借りて、木でできた的と、刃が潰された演習用の鉄剣を用意する。なんだなんだと騎士たちが集まってきたが、副団長がそれを散らしてくれた。

 準備を終えたアルベルトは、手持ちの袋から魔鉱石を取り出していたリュシアンを振り返った。

「よーし!アルベルト、すまないがその剣を貸してくれ」

 リュシアンはアルベルトから剣を受け取ると、あまり慣れてはいない形で構え「これがノーマル状態」と言いながら的に振り下ろした。

 様になっているとは言い難かったが、剣の重みで的が小さく凹む。

 それから置いていた魔鉱石の中から一番小さい物を拾い上げ、布でくるくると柄に巻いた。

「次に、この魔鉱石を魔法効果付与アイテムとして使用する。…『火炎』」

 言葉と共に、ぼんやりとした光が剣に宿る。

 リュシアンが、先程と同じように剣を振り下ろす。

 剣を受けた的は、何の抵抗もなく。

 溶けかけのバターを切るように二つに割れ、勢いよく燃え上がった。

「これは……」

「あえてこの言葉を使うけど。…えげつない、えげつないよコレ……。小さな石一個でコレなんだもん。怖すぎるでしょ…」

 リュシアンが使用したのは、指先ほどの小さな石だ。

 もちろん、そのままではただの光る石だ。使用するには、先程のように力ある言葉で起動させる必要がある。

 つまり、それができる者が戦場に立てば。

「……戦争の火種になりかねないな」

「同感」

 アルベルトの言葉に眉尻を下げたリュシアンが「見つけたのが君で良かったよ」と呟いた。

 



 もう少し鍛錬場に残って調べると言うリュシアンと別れ、アルベルトは一人リストニア家の書庫に来ていた。

 ここはアレクシアもよく出入りしている図書室とは違い、古い文献ばかりを収めた小さな場所だ。光で傷まないように、部屋には窓もついていない。

 

(調べたいことがある。もしこの仮説が間違ってないのなら……)


 該当しそうな本を数冊取り出し、書庫の中にある小さなテーブルに乗せる。それらは古い測量図、あるいは極地的な神話を収めたものだった。


(この世界では、魔鉱石は神からの授かり物とされる。でも私は、鉱物には化石も含まれていることを前世の知識で知っている。ここでもその理論が間違っていないのなら、本来生物が持つ魔力を含有している魔鉱石は『何かの化石』だと考えるのが自然。だとしたら……ここまで強力な魔鉱石の原料は、なに?)


 嫌な、予感がする。

 坑道で見た、白昼夢のような幻。

 リュシアンの話では、アルベルトはあの時魔力感知に引っ張られて違う存在と重なってしまっていたのだという。

 アルベルトが見ていたのは、仲睦まじい様子の二人の男女だ。

 そしてその男の目は。

 リストニアが代々持つ薄い紫色をしていた。

 

(あそこで、…かつて死んだ人たち…?)


 まさかという感情的な思いと、それなら納得できるという冷静な思考が混じり合う。

 リストニア家に生まれた者は、皆例外なく強い魔力を有している。彼らが何らかの事象で弔われることなく長い年月の中で変化していったのだとしたら——……。



「閣下!!腐死の魔導師が出ました!!急ぎお越しを!!」

「…ッ!?」

 書庫のドアが勢いよく開いた。

 息を切らせた騎士が、「お早く!」と叫ぶ。

 その表情に、全ての意識が集中する。

 アルベルトは本を開いたまま、先導する騎士を追って書庫から飛び出した。


 腐死の魔導師。

 腐死竜と同じ、災厄クラスの魔物。


「詳細を…!」

「先程速馬で報されました!本来魔物はいないとされていた、南部の鉱山です!死傷者多数!そのほとんどが……ステルビア公爵領の兵士です…!」 「なっ…!?」

 リストニア領内の鉱山に、なぜステルビア家の兵が。

「それ以上は今は分かりません…!…、出られる者から出立しております!」

 アルベルトの到着を待たずに出る。それは騎士団にとって猶予がなく危険度が高い任務が発生した時に、自動的に有効となる命令だ。

 もし本当に、腐死の魔導師が現れたのだとしたら。

 その再来はファンケンラート王国の歴史上、数百年ぶりとなる。


 外は激しい雨となっていた。現地で使う松明を雨避けの布で包み背中に担ぎ上げた騎士たちが、馬に乗って次々と走り出していく。

 世界を塗りつぶす雨の色。地を蹴る馬の蹄。「行くぞ!」と声を上げ、出立していく騎士。ずぶ濡れになりながらも外で荷運びを手伝うメイドたち。

「閣下」

 暗い世界の中で、銀灰色の瞳がアルベルトを射抜く。

「ヴォルフガング、状況を」

「昨日我々が調べた坑道に、ステルビア領の兵士が侵入。突き当たりの壁を無理やり壊して先に進もうとしたところ、突然腐死の魔導師が現れたとのことです」

「寝た子を起こした、というわけか』

 話しながらアルベルトは雨避けのローブを羽織り、腰に剣を佩く。  

「お兄様!」

「アルベルト!」

 アレクシアがリュシアンと共に走ってくる。

 事情は聞いているらしく、アレクシアの唇はうっすらと青ざめていた。

「まぁ、騒がしいこと」

 その後ろから、愛人である騎士を連れたグローリアがゆったりと歩いてくる。表情は、笑んですらいた。さらに後ろをついてくる護衛騎士たちは、皆顔面蒼白だと言うのに。

 思わずアルベルトは、嘲るような瞳を向けるグローリアを睨みつけた。

「あなたは、我々の調査の足留め係だったというわけか」

「なんのことやら」

 

(なにすっとぼけてんだ!このクソ女!ああ、もう!こんな奴と話してる時間なんてないよ!!)


「執事長、私が不在の時の城の意思決定はアレクシアにある。全て、アレクシアに従え」

「かしこまりました」

「副団長」

「御前に」

「これよりリストニア兵団及びリストニア魔導師大隊の指揮権を君に預ける。領民の安全を最優先に行動しろ」

「承知いたしました」


(腐死の魔導師は、原作でもリストニア城の書庫と同じ内容で記されていた。その討伐難易度は『災厄』。今の私が勝てる保証なんてない)


 す、と足元が冷える。

 死の音が、聞こえる気がする。

 それに重なる、退屈げなあくび。

「たかが魔導師の魔物とやら相手に大げさな……」


(…な、に言ってるの…この、人)


 本当に知らないのだろうか。

 ファンケンラート王国の話だというのに。

 

 強く手を握り締める。そうしていないと、アルベルトとしてではない自分が出てきてしまいそうだった。

「……ステルビア公爵令嬢におかれましては、歴史が不慣れなご様子」

「は?」

 グローリアの眉が吊り上がる。

 だがアルベルトは何か喋ろうとするグローリアを遮り、言葉を続けた。

「腐死の魔導師がファンケンラートの歴史に現れたのは過去に一度切り。『それ』は災厄の名に相応しい力をもって、自身の眷属となる腐死人を数万召喚。腐死人に襲われた者は、同じ腐死人となり、……一夜にしてファンケンラートの半分が消滅したと言われています」

 ヒッ!と声を上げたのは、グローリアの侍女だった。リュシアンは恐怖に耐えるように目を固く閉じている。

 だが、肝心の彼女にはこれだけ言ってもまだ伝わらないようだ。もう何を言っても無駄なのだろう。

 憎々しげにこちらを睨みつけるグローリアに、アルベルトは背を向けた。


「あなた方の兵が、アレを表舞台に引き摺り出した。それだけは、お忘れなきよう」


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