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転生したけどチートとか無かったから努力で世界最強目指します!  作者: 敬礼 なろう・カクヨムで連載中
学園

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第55話 転生

 一人で悩んでいたはずが、いつのまにかミューが横に座っていた。


 「ミュー⁉︎ どうしてここに・・・? っていうか、いつから聞いてた?」


 驚きながら、俺はミューに尋ねた。


「どうしてって・・・・あなたなら、ここにいるんじゃないかと思ってきてみただけよ。案の定、悩み事をしていたようだけれど。やべぇ、どうしようってところから聞いてたかしら」


 ってことは前世持ちなのバレてるじゃねーか!必死にどうするか考えてたってのに、勝手に聞かれてたのなら時間の無駄遣いじゃ無いか!返せよ俺の時間!


「いや、しれっと俺の行動読むなよ。ストーカーの趣味でもあるのか?」


 そうだよ、どうしてここがわかったのか、説明が説明になってないんだよ。


「私に、あなたみたいな変な趣味はないわ。せいぜい読書くらいよ。それで、前世の記憶があるってどういうことなのかしら?」


 やっぱり聞いてくるよねー。そりゃそうか、逆に聞いてこない道理がない。


「あー、なんて言ったらいいかな。簡単にいうなら、俺とは別の人間として生きた記憶があるって感じかな?」


 俺は、転生者だということを噛み砕いて説明し始めた。


「一度他の人間として生きて、ある日死んだ。そして、この世界でリオン・ヒュードとして生まれ落ちたんだ」


 俺がそう言うと、ミューは信じられないという顔をして、言った。


「信じがたいけれど、あなたがこんな状況で嘘をつくとは思えないわ。つまり、それが真実なのでしょうね。どうしてそんなことになったの?私には前世の記憶なんてないのだけど、なんで貴方だけ?」


 ミューが訊いてきた。なんで俺だけ、なんで自分は、その疑問が出るのは当然だよな。


「俺にも、その理由はわからないんだ。色々考えたりしてみたけど、それを裏付ける根拠も何もない。ただあるのは、俺に前世の記憶があると言うことだけ」


「その前世の記憶に、原因となりそうなものはないの?」


 前世での原因か、考えもしなかったな。ただ、超常現象などとは無縁の生活を送っていたし、転生に関わりそうなことなんて・・・・あった!


「そういえば、死ぬ寸前に『もし来世があるとしたら・・・・』って考えたな。それがきっかけだったり?」


「なによそれ。特別な力が働いたりとかはなかったわけ?思うだけでそんなことができるのなら、今頃世の中は前世持ちで溢れてるわよ」


 それもそうか。じゃあ、なんなんだ?何度考えても、それらしき原因が見つからない。


「原因究明は後にして、取り敢えずあなたの奇行の原因がわかって安心したわ。部屋に行きましょ。そこでみんな待ってるから、私にしたのと同じ説明をするのよ」


 また同じことを喋るのか。でも、これまでみんなに嘘をついていた贖罪なのだとしたら、軽いものだ。さっさと済ませてこよう。


「そうだな、オッケー。じゃあ行こうか」


 俺たちは、必要の部屋に向けて歩き始めた。



 ◆◇◆◇◆◇



「〜〜と言うわけなんだ。みんな、嘘ついててごめん」


 必要の部屋に戻り、俺はリベルト達に転生者であることを説明した。


「ちょっと待ってよリオン君、あまりに信じ難いことなんだけど、本当なの?」


 最初は、信じられないのが普通だよな。俺が嘘ついてるようには見えないとかいう理由だけで、俺の言葉を信じるミューは例外だが。


「それを信じるしかないのよ。それを嘘だと言い切れる証拠も、逆に本当だとする証拠も無いけれど、私の目にはリオンが嘘をついているようには見えなかったの」


 アレンの疑問に、ミューが補足をした。すると、それまでしばらく考え込んでいたリベルトが発言する。


「つまり、リオン君。君がこの前言っていた必要の部屋の語源は、嘘をついていたってことかい?」


 リベルトは、鈍感だが馬鹿じゃない。やはりというべきか俺が以前リベルトに行ったことが嘘であったと気付いたようだ。


「ごめん、リベルト。リベルトには特に謝らないとだよな。一部本当のことも入っていたけど、あの時俺はリベルトに嘘をついた。ごめん」


 もう一度、今度はリベルト1人に対して謝罪する。すると、リベルトは俺を質問攻めにした。


「一部の本当のことってどれだい?君のいた世界には、必要の部屋みたいなものがそこらじゅうにあったのかい?」


「一部の本当のことってのは、小説に必要の部屋のことが載っていたということなんだ。リベルトに嘘をついたのは、思い出したら教えるということだね」


 俺は、嘘に混ぜ込んだ事実に関して説明をした。リベルトは、それにうなづいて納得した様子を見せながら、俺の発言の続きを待つ。


「俺が前いた世界には、必要の部屋みたいなのは無かったよ。そもそも、魔法が存在しなかったんだ」


 俺が説明をしていると、ミューを含め、全員が魔法が存在しなかったという言葉に反応した。


「ちょっと待って、魔法がなかったってことは、どうやって文明は発達したの?小説があるくらいなんだから、それなりには発達していないとおかしいのだけれど」


 リースがツッコミを入れる。今度はそっちか。この世界の発展は完全に魔法ありきのものだったから、想像もつかないのだろう。


「俺がいた世界では、魔法の代わりに科学というものが発展していたんだ」


「科学ってなに?それはどんなものなの?」


 今度はミューが、知的好奇心を刺激されたような顔で訊いてくる。


「科学とは・・・・俺も死んだ時はまだ学生で全てを知っていたわけではないけど、簡単に言えば世界の法則を調べる学問、みたいな感じかな?」


 俺は、知っていることの一部を、ミュー達が次々と出してくる質問に答えながら話した。



「リオン、あなたの世界はとても興味深いわね。もっと聞きたいところだったけど、そろそろ授業の時間になるわ。向かいましょう」


 しばらく喋っていると、ミューが腕時計を見ながらそう言った。ほんとだ、授業まで後10分もない。


「遅刻するぞ!急げ!」

 

 俺たちは駆け足で急ぎながら教室へ向かった。


 

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