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転生したけどチートとか無かったから努力で世界最強目指します!  作者: 敬礼 なろう・カクヨムで連載中
学園

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第56話 占拠



 俺が転生者だということをカミングアウトしてから、4日が経った。

 授業のため、その日はミュー達からの質問責めを乗り切ることができたが、それだけで見逃してもらえるわけもなく、たまに現代知識を喋らないといけなくなってしまった。


 どうしてこうなったんだよ。いや、俺に責任があるんだけど、当時高校生だった俺に何を話せと言うのだ。大した知識なんてないのに、解説なんてできるわけないだろ。


 今日の放課後も、いつもと同じように質問責めに合うのかと憂鬱になりながら授業の準備を進めていると、なにやら教室の外が騒がしくなってきた。


 何事かと席を立ち上がろうとすると、ガラララと音を立てて教室の扉が開いた。


そこから教室に入ってくるのは、杖術のウィリック先生・・・・ではなくウィリック先生を引き摺った黒ずくめの男だった。


「お前ら!大人しくしろ。さもないとお前らの先生がどうなるかわからないぞ?」


 黒ずくめの男は、引き摺っているウィリック先生にナイフを突きつける様子を見せつけて、俺らを脅すようなことを言った。


 まさか、これはテロリストによる学校占拠というやつか?俺も健全な日本人男子、中学生の頃はつまらない授業中にテロリストをボコボコにする妄想をしていたものだ。


 閑話休題(はなしがそれた)、おそらくこいつは以前ユーリ先生から聞いたさまざまな学園を襲うというテロリストなのだろう。決して望んでいたことではないが、この時のために準備してきたものが使えると思うと気が昂ってくる。


「おん?意外とおとなしいな。流石白金クラスってところか」


 テロリストは、俺たちが静かなことに感心しているようだ。

 だが、実際は違う。俺含めミュー、リベルト、アレン、リースは待ちに待った展開にワクワクしている。


「とんでもねえ、待ってたんだ」


 俺はそう言うと、立ち上がり腕を振り上げて魔法を展開する。


 刹那、男を取り囲むように魔法陣が現れた。


「おい!どういうことだこれは!」


 男は、ビビりながらナイフを先生に押し当てる。


「お前がこっちを脅したように、俺たちもお前をいつでも脅せるんだ。諸行無常、お前の立場が常に上だと思うなよ?」


 どうやら、男は魔法に対する回答を持っていないようだ。その証拠に、男は何か対処するでもなくただ魔法にビビっている。


「お前が先生を殺したら、俺もお前を殺す。先生を殺さなければ、お前を死なない。どうする?このファック(腐れ)野郎」


 俺は、男に向かって脅しをかけた。こいつなら、屈してくれると踏んだからだ。


「おいおい、最近の子供はどこでそんな汚い言葉を覚えてくるんだ?しかも、このクラスの殆どはお貴族様の子供だろ?」


 ビビってるくせに口を開いたかと思ったら、くだらないことを聞いてきた。


「立場を弁えろよ?こっちはいつでもお前を焦げカスに出来るんだ。それ相応の態度を取らないと、わかるよな?」


 ここまで俺は大口を叩いているが、実際の状況はこちらが不利だ。相手はいつでも先生を殺せる状態、それに対してこちらは男を殺せる状態だ。


 こちら側から見ると、先生を失うことはとても大きな痛手だ。ちょっとやそっとではそれを失うことによって空いた穴を塞ぐことはできない。

 それに対して、相手はただの構成員だ。構成員を1人や2人失ったところで、テロリストには大した損失なんてないだろう。


 だが、ここには男1人しかテロリスト陣営はいない。さらに相手の性格のおかげで、多少のハッタリで有利に立てたのだ。


「さあ、先生を解放しろ。そして両手を頭の後ろに回すんだ。そうしたら、命だけは助けてやる」


 先生を離すよう、交渉(脅し)を持ちかけた。相手はテロリスト、嘘をついても心は傷まない。解放させた後は殺すか、少なくともボロ雑巾になるぐらいには叩きのめすつもりだ。


「本当か?俺だけは助けてくれるんだな?約束だぞ」


 そう言いながら、男は先生を離して両手を頭の後ろに回した。

 ちょろくて助かるな。意識を失ってグッタリしている先生を、アレンが助けたのを確認すると、俺はこう言った。


「命だけは助けてやると言ったな。あれは嘘だ」


 俺は指を鳴らして魔法を発動する。魔法陣から飛び出た魔法は、たちまち男を襲った。


「そんな、助けてくれ!うわぁぁぁあ!」


 男は、魔法の業火に包まれていく。抵抗しようとしているのか、地面を転がっているが、魔法でできた火はそんなことでは消えない。数十分ほどして、男はただの炭と化した。


「リオン、これはやりすぎじゃないかしら?拘束するくらいでも良かったはずよ」


男の死に様を観察していた俺に、ミューが耳打ちしてきた。


「いや、それだと抜け出される可能性がある。完璧な拘束をできるわけじゃないし、なにか連絡手段を持っていたとしたらこれが1番の最善手のはずだよ」


俺の反論に、ミューは理解はしても納得しないとでも言いたげな様子をした。


「それに、犯罪者相手に容赦する必要なんてない。そんなことよりも、こうなってるのはこのクラスだけな訳がない。どうするか話し合おう」


学校中にテロリストがいなければ、今頃他のクラスから救援が来ているはずだ。そうでないと言うことは、他のクラスも、似たような状況に置かれていることだろう。


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