第44話 助っ人
「なるほど。デブリには取り巻きが4人いて、それを5対5で叩き潰すと。良い案だね。ミュレイ嬢が仲間を募っていると聞いたけど、顔合わせはしてみたのかい?」
そういえば、加勢してくれる人が誰か聞いていなかったな。
一体誰だろ。ミューを誘った時に喋っていた相手だろうか。
明日、朝のうちに確認しておかないとな。
間違えて攻撃しかねない。
「明日の朝リベルトも一緒に、ミューに助っ人が誰か確認しよう。把握しておかないと間違えて魔法をぶつけてしまうかもだしね」
俺は、リベルトに今考えたことを共有した。
俺の意見にリベルトも賛成のようで、彼はこう言った。
「うん。みんなで協力すれば、怖いものなしだよ」
ぐうぅぅうー
リベルトと話が盛り上がっていると、俺の腹の虫が鳴ってしまった。
やばい、突然お腹が鳴ってしまい、とても恥ずかしい。
「プッ。リオン君、そんなにお腹が空いていたのかい?それなら、そろそろ夕飯を食べに行こうか」
リベルトはそれを聞くと吹き出して、俺にそう提案した。
笑わないでくれ。余計恥ずかしくなる。
「うん。腹が減ってきたし、そろそろ夕飯を食べよう」
俺は恥ずかしがっていることを顔に出さないよう、顔を一生懸命冷静に保ち言った。
「そうだね。僕もお腹空いてきたから、一緒に食べようか。その顔、隠しているつもり?めっちゃ面白いことになっているよ」
え?ポーカーフェイスができていないのか?リベルトは俺の顔を見ると腹を抱えて笑い出した。
今鏡を持っていないので自分がどんな顔をしているのか見れないが、それほど滑稽な顔をしているのだろう。
ポーカーフェイスは俺には無理だったのか。
俺的にはうまく言ってると思ってたんだけどな。
相手がリベルトだけで良かった。これをミューにでも見られていたら、1ヶ月はこれで揶揄われていたな。
そうして、俺たちは夕飯を食べるため寮の食堂に向かった。
◆◇◆◇◆◇
リベルトと仲良く夕食を食べて、翌日の朝。
「おはよう、ミュー。聞きたいことがあるんだけど、ちょっと良い?」
ミューが彼女の友達と話し終わった隙を狙って、俺はリベルトを連れてミューに話しかけた。
「あら、どうしたのリオン。横にリベルト君もいるけれど、何かあったの?」
俺が声をかけると、ミューは反応して聞き返してきた。
「昨日、今日の昼に手伝ってくれる人を募ったと言っていたけど、その人たちを紹介して欲しいんだ」
声をかけた理由を説明すると、ミューは納得したような顔をして、誰かに向けて手招きをした。
「ちょっとこちらにきて頂戴、リオンに貴方たちのことを共有したいの」
それに釣られて俺もそちらに目をやると、そちらにはリースと、男子が1人いた。
確か助っ人は2人と言っていたな。つまり、リースも助っ人の1人なのか?
「どうしたの?共有って、私は別にする必要ないじゃない」
その呼びかけに反応して、リースがこちらにきた。
これは、確定か。
「まさか、リースも俺たちを手伝ってくれるんだな。助かるよ。それで、そこの君は?」
俺はリースに助かると言い、その後ろにいた男子に声をかけた。
「あっ、えっと・・・その・・・・・・」
俺が質問すると男の子は、何か言おうとしたが口を閉じてしまった。一体どうしたのだろう。
「この子はね、アレンというのだけど貴方と同じように奴に噂を流されたのよ。彼、平民出身なのだけど入試の成績が11位で入学したの。その所為か、デブリに有る事無い事吹聴されてね、初対面の人には怖がるようになっちゃったらしいわ。今回は、アレンの仕返しを手伝うのと、ミューに嫌な思いをさせたデブリを締めるために、私も協力するの」
なんと、アレン君も俺と同じ被害者だったのか。平民という立場なら、妬まれてもおかしくないし俺みたいに寄り添ってくれる味方も少ない。
折角同じ立場なのだから、俺がアレン君に寄り添ってあげないと。
「そうだったんだ。アレン君、よろしく」
俺は、リースが教えてくれたことに理解を示して、アレン君に声をかけた。
彼は俺の言葉に反応して、僅かにだが頷いてくれた。
頑張って仲良くなりたいな。
「あら、もう少しで授業が始まるわよ。席につきましょう」
ミューが自分の時計を見ると、そんなことを言った。
まじかと思って俺の腕時計を見てみると、確かに授業の3分前だ。
「じゃあ、また後で」
俺達は、そう言って一時的に解散して各々の席に座った。
俺たちが席に着くと、ブライア先生が教室にやってきた。
「みなさん、授業を始めますよ。教材を机の上に準備して座ってください」
1限目は魔術理論。机の上に教材を並べて、授業が始まった。
「それでは、教科書の3ページを開いてください」
授業が始まると、先生は早速教科書を開くように指示を出した。
教科書の3ページを開くと、そこには魔法陣の基礎も基礎、要素の接続について書かれていた。、
俺たちが教科書を開いたのをみて、先生は板書をしながら話し始めた。
「魔法陣には、それを構成するいくつかの要素があります。要素は、それ単独では何の反応もしません。ですから、魔法陣を成立させるため、要素の接続が必要になるのです」
先生は、板書した物を示しながら、説明をする。その内容は当たり前だが魔法陣において一番大切な物。俺は一言一句聞き漏らさないつもりで話を聞いた。




