第40話 魔道具
体術の授業を受けて、俺達は教室へ戻ってきた。
次の授業は魔道具理論。しかも、次の5限目で今日は放課だ。
直前が移動教室の授業だったからか、俺たちよりも先に先生が教室へやってきていた。
「早く席に着いてくれ。全員座り次第授業を始めるぞ」
その先生は俺たちに指示を出した後、教卓の上に何やら道具を広げだした。
2分と経つ前に、クラスメイト達が皆席に座った。今の時刻は午後2時9分。授業が始まる予定の時刻の1分前だ。
「おお、すごいな。私が想像していたよりも早く座り終わった。今年の白金クラスは優秀だな。そしたら、宣言通り今から授業を始めるぞ」
先生は、俺達が素早く座ったことに感心したようで、俺達のことを褒めてくれた。
そして、授業は始まる。先生は一つの魔道具らしき物を取り出すと、黒板に向けて使用した。
「はい、注目。こんにちわ、まずは自己紹介からだな。私はリコル・フラメル。見ての通り魔道具理論の担当教師だ。よろしく」
その魔道具は黒板に文字を映し出した。
先生はそれに合わせて自己紹介を行い、自分の名前を言いながら黒板の文字を指した。
よく見ると、その文字はリコル・フラメルと書いてある。もしかして、プロジェクターの代わりなのだろうか。
これまで一度も目にした事がなかったため、そのような魔道具は存在しないのかと思っていたが、そんなことはなかったようだ。
プロジェクターの魔道具にみんな注目していると、先生は説明をしてくれた。
「おや、みんなこの魔道具が気になるようだね。君たちにもわかるよう、簡単に説明してあげるよ。これは指定した絵を壁に映す魔道具で、私が昨日発明した物だ。君たちに自己紹介するためにじゅんびしたから、これ以外は映せないけどね」
これって、フラメル先生が発明した物だったのか。この人は、とんでもない発明家だったりするのだろうか。発明した、ということはこれまでこのような魔道具は存在していなくて、これが最初のプロジェクター魔道具ということだろう。
もしかしなくても、この先生、十分やばいんじゃないか?授業で自己紹介するだけのために世紀の大発明をするだなんて、頭のネジが飛んでいないと無理なことだろう。
「なんだ?その目は。バケモノでも見るような顔をして。まて、また何かやらかしたのか?ああ、また学園長に叱られるよ。なんで叱られるかはよくわからないけど」
先生の大発明に引いていると、先生は頭を抱え始めた。
エビそったり丸くなったりしながら学園長に叱られる・・・学園長に叱られる・・・と悩んでいる。
なんと言ったらいいのかわからずにその光景を眺めていると、満足したのか先生は態度を戻して、授業を再開した。
「こほん、すまない。少々取り乱してしまった。この魔道具は事前に描いておいた絵を読み込ませて、それを壁に映し出す。今回の場合は黒板だな。最初、絵を映すところまでは出来たのだがなんと上下左右が反転していてな。なんとか正しい向きで見られるよう調整したんだ」
物を発明するのには、どんな天才、奇才であっても努力は必要か。この先生も才能にかまけず、努力を詰め重ねたのだろう。
「自己紹介と魔道具の解説は、これくらいでいいかな。そうしたら、次は授業の説明だ。ここまでは絶対に終わらせろと言われてるからな。ちゃちゃっと終わらせたいな」
メタい。おそらく先生はこれに乗り気では無いのだろう。様子を見るにしったりした授業を早くしたそうだ。
「最初に、そもそもこの授業は、魔法理論の授業がある程度まで進まないと行われない。私は一刻も早く魔道具作成の楽しさを君たちに伝えたいのだが、そうもいかないのだ。具体的には起動と接続の紋を習ってからだ。時期的には・・・2ヶ月後からかな」
なんと、魔道具理論の授業はしばらくないのか。魔術理論の授業に依存するのなら、授業が早く進んだ場合は早めに始まるのだろうか。
「一応、これで最低限は終わった。今からは、この授業が始まるまでに忘れられないよう、君達に私の作った魔道具をみせてやる」
いや、キャラの濃い先生のお陰で十分記憶に残ったというか、こびりついているんだが・・・・・・
そんな心の中での必死の抵抗も虚しく、先生は魔道具の解説を始めた。
「はい、こちらは蓄音器だ。ここの筒に向けて音を発すると、任意のタイミングで蓄えた音をそのまま鳴らす事ができるんだ。勿論これは私が発明して、特許までとっているものだ」
この先生は、俺が前世で使っていた物を再現でもしようとしているのだろうか。それほどまでに、先生の作った魔道具は前世で見た機械によく似た物だった。
「そしてこれが_____ここがこうなっいて_____」
そのまま、先生による魔道具プレゼンテーションは授業の終わる時間になるまで延々と続いた。
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ついに5限目の授業が終わった。これで今日の授業は終わり。リベルトやミューを誘って何処かに行こうか考えていると、教室にブライア先生が入ってきた。




