第14話 “トモダチ”
守哉と忠幸が森から脱出したのは、逢う魔ヶ時が過ぎてすぐの頃だった。
二人は森から出るとすぐにそれぞれの家に戻る事にした。ブラジャー片手に守哉が寮に入ると、いつもの通りロビーのカウンターに突っ伏して眠っている優衣子の姿があった。
守哉が近づくと、気配を感じたのか優衣子は顔を上げた。守哉はばつの悪そうな顔で優衣子に言った。
「ただいま」
「おかえりぃ……」
いつも以上にだるそうな返事をする優衣子。守哉は、優衣子の頭の上にブラジャーを乗っけた。面倒くさそうに優衣子はそれを手に取ると、驚いた顔になって守哉を見つめた。
「あなた、ずっと私のブラ探してたの?」
「んなわけねぇだろ。たまたま見つけたんだよ」
「じゃあやっぱり……」
「違う!あんたが考えてるような事は一切してないからな!」
「そんなに強く否定しなくてもいいじゃない。でもね、せめて使ったら洗って返してよね」
「だから違うっつーの!」
なんともかみ合わないやり取りであった。
しばらくそんなやり取りを続けた後、面倒くさそうに立ち上がった優衣子は、守哉の額を軽く指で弾いた。
「いてっ」
「次から外泊する時は連絡しなさい」
それだけ言うと、優衣子は管理人室に入っていった。
「心配してくれてたのかな……」
守哉はそう呟くと、カウンターの上に本日営業終了と書かれた札を置いた。
エレベーターに乗ろうとして、思い止まる。なんとなく結果が見えていた気がしたので、いつもの通り守哉は階段を使う事にした。疲れた身体を引きずって最上階に到着し、自室である607号室へ向かう。
部屋の扉を開けて中に入ると、そこには先客がいた。
「おや、ようやくお帰りのようだね」
先客は子供だった。守哉に瓜二つな顔立ちと、守哉とまったく同じ服装。違いは性別と年齢だけというこのドッペルゲンガー的な存在は、神様であった。
守哉は中に入ると、着替えを引っ張り出しながら神様に言った。
「俺の部屋に勝手に入るなよ」
「私は神出鬼没なのだよ。そして、この島においてあらゆる無礼が許されるのさ。そう、お前のように」
まったく悪びれていない顔で神様は言った。守哉は着替えを準備すると、部屋を出て行こうとする。それを見て神様は守哉を追いかけた。
「おいおい、私を置いてどこへ行く?」
「風呂だよ。体中、泥と汗まみれで気持ち悪くてしょうがねぇ」
そう言って、守哉は廊下へ出た。神様は腕を組んで何かを考えると、こくりとうなずいて守哉の後を追った。
「では、私がお供しよう」
「神様が風呂に入るのかよ」
「悪いかね?私は一度風呂というものに入ってみたかったのだよ」
「入った事なかったのか。汚いな」
「ふふん。私は風呂いらずなのだよ。風呂など入らなくとも、常に身体を清潔に保つ事ができるのだ」
ふんぞり返って神様は言った。守哉はそれを無視して階段を降りていく。慌てて神様も階段を降りてきた。
「つれないなぁ。もっと私にかまっておくれよ」
「知るか。他のヤツのところに行けよ」
「私は神和ぎか神和ぎもどきと一対一でしか話せないのだよ」
「神和ぎもどきって何?」
「先代の神和ぎの事さ。この島には二人いるが、そいつらは話しても面白くない。だからかまってくれ」
そう言いながら神様は守哉のパーカーのすそをくいくいと引っ張った。守哉は無視して地下一階に降りると、大浴場の男湯ののれんをくぐった。神様もその後に続こうとしたので、守哉は振り向いて言った。
「お前は女湯だろうが」
「いいじゃないか。お前と一緒に入りたいんだよ」
そう言うと、神様はくねくねと腰を動かして上目遣いで守哉を見上げる。神様は守哉を模した姿をしているが、元となった守哉が美少年であるために神様も相当な美少女である。そんなわけで、普通の男性ならばこんな美少女に上目遣いでおねだりされれば、断りきれないどころか理性を失いかねないようなものであったが、あいにく守哉は自分の顔は見慣れていたのでまったくの無反応であった。
冷ややかな目で神様をしばらく見つめた守哉は、その頭に手刀を振り下ろした。
「あたっ!なにをするか!」
「一応お前は女だろ。諦めて女湯に行けよ」
「や~だ~。私はお前と一緒にお風呂に入りたいの~」
その場で地団太して暴れる神様。守哉はため息をつくと、無視して脱衣所へ入った。
その行動を肯定と受け取ったのか、神様は嬉しそうな顔で脱衣所へ入ってきた。
「よーやく折れたか。まったく、お前ときたら何を恥ずかしがっているのだ。そんなに私に裸を見られるのが恥ずかしいのか~?」
にやにやと笑いながら守哉の横で服を脱いでいく神様。守哉はそれを無視して服を脱ぎ終わると、タオルを引っ掴んで大浴場へ向かった。慌てて神様も服を脱ぎ終えると、守哉を追って大浴場へ入る。
タオルも持たずに裸で入ってきた神様に、守哉は顔を逸らしながら言った。
「お前、タオルぐらい持って来いよ。あと、身体隠しとけバカ」
「私は神様だぞ?身体を隠すなんてみっともない真似ができるか。それに、私は身体には自信があるのだ。見ろ、このおっぱいを!」
胸を張って守哉の前に立つ神様。守哉は無視して身体を洗い終えると、湯船に浸かった。
無愛想な守哉の態度が不満なのか、神様は頬を膨らましながら、守哉の隣に腰を下ろした。白く美しい足が視界の端に映り、守哉は顔をそむけた。
「んふふ~。綺麗だろぉ?どうだ、私に永遠の忠誠を誓うなら、触ってもいいんだぞ?」
「遠慮しとく。俺、ロリコンじゃねぇから」
「ふむ、それは残念。……さて、百代目。お前、鎮守の森に入っただろう?」
突然真顔になって神様は言った。守哉は真っ直ぐ前を見つめて答える。
「あの森の事か」
「そうだ。あそこは鎮守の森と言ってな、高天原に満ちた力の余剰分を放出するために存在するんだ。それ故に、あの森では神和ぎの力も増す。言魂を使っていて気づかなかったか?普段よりも明らかに派手な事ができたと」
そう言われて守哉は思い出した。確かに、いつもより言魂が強力になっていた気がする。精神力の回復も早かった。
「しかもあそこじゃ神力が無限だ。神和ぎ次第では逢う魔ヶ時並みの力が引き出せる」
「前から気になってたんだけど、神力って何なんだ?いまいち理解できないんだけど」
神様は呆れ顔になり、やれやれと首を左右に振った。
「まったく、あの女ときたら、どれだけこの子をぞんざいに扱っているんだ?ちゃんと育てろと言っておいたのに」
「あの女って誰だよ」
「お前もよく知る人物さ。まぁ、それはいい。神力に関する説明だが……私よりも最適な人間がいるだろうし、その子に聞いてみるといいさ」
そう言うと、神様は湯船から出た。大きく背伸びをすると、そのまま脱衣所の方へと向かう。
「もう上がるのか?」
「思っていたよりも気持ちよくなかった。私は二度と風呂には入らないよ」
そう言って神様が扉を閉めた瞬間、神様の姿が消えた。
一人残された守哉は、天井を見上げてぽつりと呟いた。
「……風呂の良さがわからないなんて、虚しいヤツだな」
☆ ☆ ☆
翌朝、守哉は甲高い電話の音で目を覚ました。目をこすりながら枕元の受話器を手に取る。
「朝よ」
それだけ言うと、電話は切れた。本来はモーニングコールなど頼んではいないのだが、それなりに便利なので特に何も言う事はない。
手早く着替えを済ませると、勉強道具をショルダーバッグに突っ込んで廊下に出る。エレベーターは使わずに階段で一階に下り、食堂の扉を開いた。
食堂に入ると、一番近いテーブルに優衣子が突っ伏していた。向かい側にはカップラーメンと割り箸が置いてある。優衣子の向かいに座ると、いただきます、と言ってカップラーメンを食べた。
カップラーメンを食べ終わり、カップと割り箸をゴミ箱に捨てる。その後、棚からコップを二つ取り出して水を注ぎ、テーブルに戻ってくると優衣子の近くにコップを置いた。
のっそりと頭を上げた優衣子は、守哉が置いたコップを、じーっ、と眺めながら言った。
「学校行くの?」
「当たり前だろ。俺は学生だぜ」
「それなら、七瀬ちゃんに礼を言っときなさい。あの子、ずっとあなたの事心配してたわよ」
「そうなのか?」
「ええ。寮に来ていきなり、かみやは大丈夫ですかーって聞いてきてね、私がどっか行っちゃったって言ったら血相変えて飛んでったわよ。島中探し回ってたみたいだけど」
「そっか……。悪い事したな」
七瀬はいいヤツだな、と守哉は思った。七瀬は数少ない、自分に優しく接してくれる存在なのだ。今では妹のように想っている。……どうしてそこまで慕ってくれるのかはわからないが。
それ以上会話せず、守哉は寮を出た。坂を下りて学校へ向かう。まだ早い時間帯のためか、登校している生徒は少なかった。
門をくぐると、前方に見慣れた水色の髪の少女を発見した。早足で近づくと、どこか暗い雰囲気が漂っている背中に声をかける。
「七瀬」
その声に、七瀬はびくっ、と身体を強張らせた。勢いよく振り返ったその顔には、驚きと嬉しさが入り混じっていた。
声を震わせて、七瀬は言った。
「……かみや」
「久しぶりだな。とはいっても、二日ぶりくらいだけど」
「……かみや、どうして一昨日と昨日はうちに来なかったの?怪我、治ってなかったの?」
心配そうに上目遣いで見上げてくる七瀬。目尻には涙が浮かんでいる。今にも泣きそうな表情だった。
「ごめん。色々あって、来れなかったんだ」
「……心配したんだよ。この前の戦いの後、かみや、ずっと目を覚まさなかったから」
「この前は……本当に、すまないと思ってる。俺、全然役に立てなかった」
「……ううん、そんな事ないよ。かみやは頑張ってたもん。誰も責めたりなんかしないよ」
「そうだといいけどな。とにかく、今日はちゃんと行くからさ」
「……ほんと?」
「ああ。また飯食わしてくれよ」
七瀬は嬉しそうに微笑むと、こくりと小さくうなずいた。
「……じゃあ、わたし日直だから、行くね」
「ああ、引き止めて悪かった。じゃあな」
「……気にしないで。また後でね」
そう言うと、七瀬は校舎に向かって駆け出していった。その背には、先ほどの暗い雰囲気は微塵も感じられなかった。
「ずっと、心配してくれてたんだな……」
感慨深げにそう呟きながら、守哉も校舎へ向かった。昇降口で靴を上履きに履き替えると、自分の教室へ向かう。教室の扉を開けると、既に登校していた何人かの生徒がそれに気づき、顔を向けた。しかし、それが守哉だとわかると、あからさまに嫌そうな顔をしてすぐに顔を逸らした。いつもの事に苦笑しながら守哉は自分の席へと座る。
そこで守哉は、自分の机の中に何かが入っている事に気づいた。取り出してみると、それは紙くずと引き裂かれた新聞紙だった。ふと視線を感じて顔を上げると、こちらを見ていた何人かの生徒が顔を逸らした。クスクスと小さな笑い声が聞こえる。笑っていたのは守哉の座っている列の一番前の女子生徒。緑色のショートヘアで、やや小麦色に焼けた肌の女の子だ。
よく見れば、このクラスで守哉より先に登校していた生徒は女子生徒だけのようだった。その全員が不自然に守哉から顔を逸らしている。
守哉は呆れ顔になると、手に取った新聞紙を丸めた。教室の端にあるゴミ箱目掛けて放り投げる。すると、その様子を見ていた女子生徒の一人が守哉に言った。
「ちょっと、ゴミ投げないでよ」
「あ、ごめん」
守哉は素直に謝った。女子生徒は不愉快そうに舌打ちすると、何も言わずに顔を逸らした。
どうも自分はいじめにあっているようだ。やられっぱなしというのは癪なので、何かないかと辺りを見回す。すると、ちょうど先ほどの緑色のショートヘアの女子生徒が立ち上がった。他の女子生徒の席へ向かおうとしている。
守哉はしばらく思案すると、イメージした。女子生徒を見ながら、小さく呟く。
「―――下がれ」
守哉の声に呼応して、女子生徒のはいていたスカートがずり下がった。スカートで隠されていた白い下着が白昼の下に晒される。その女子生徒が悲鳴を上げると、すぐに振り向いて守哉を睨んできた。しかし、普通に考えて守哉のいる位置からは女子生徒のスカートを下げる事はできない。それでも女子生徒はスカートをはき直すと守哉に向かって突進してきた。
守哉の前方に仁王立ちした女子生徒は、目を半開きにして見つめる守哉を見下しながら強い口調で言った。
「あんたでしょ」
「何がだよ」
「とぼけんじゃないわよ!今、私のスカート下げたのあんたなんでしょ!?」
「はぁ?どう考えても俺の位置からお前のスカートを下げるのは無理だろ」
「なんか使ったんでしょ!神和ぎなんだから、そのくらいできるはずだわ!」
怒りに顔を歪める女子生徒とは対照的に、守哉はいたって冷静だった。最近わかった事だが、どうも島民の全てが神和ぎに関して詳しいわけではないらしい。この女子生徒のように、言魂の存在さえ知らない人間もいるようだった。
ちなみに、守哉は学校で嫌がらせを受けるたびに言魂でささやかな復讐をしていたりする。疑われるのは時間の問題だとわかっていたが、気にせずに続けていた。
「最低よね!女の子のスカート下げるなんて、今時小学生でもやらないわよ!頭悪いにもほどがあるわ!一回死んで人生やり直してきたらどうなの?」
ぎゃーぎゃーと甲高い声でわめく女子生徒を冷ややかに見つめていると、他の女子生徒まで守哉の席に近寄ってきた。守哉を囲むように立つと、口々に守哉を罵倒し始める。
「きったないパーカー。何それ、カッコイイと思ってるわけ?ダッサー」
「うっわ、こいつ変な臭いする。ちゃんと風呂入ってんの?」
「ちょっと、こっち見ないでよ。気持ち悪い」
とりあえずパーカーを侮辱したヤツは後で悪戯してやる、と決めた守哉は、元気にわめき続ける女子生徒達を冷ややかに見つめていた。いい加減聞き流すのも面倒になってきたなぁ、と守哉が思い始めた頃、一人の男子生徒が教室に入ってきた。星町忠幸である。
忠幸が入ってきたのを見ると、女子生徒達は忠幸に大声で声をかけた。
「ねぇ、聞いてよー!こいつがさぁ、香苗ちゃんのスカート下げやがったの!最低でしょ!?」
「木崎の?」
「そうそう!それでさぁ、今こいつに説教してるところ!忠幸君も言ってやってよ!」
どうやら、緑色のショートヘアの女子生徒は木崎香苗という名前らしい。忠幸は守哉に近寄ると、女子生徒の一人から大まかな状況を聞きだした。しばらく考える仕草をした後、忠幸は女子生徒達に向かって言った。
「どう考えてもそれはおかしいだろ。未鏡のいる位置から木崎のスカートを下げるのは不可能だぜ」
「こいつは神和ぎだから、そのくらいお手の物なのよ、きっと!まったく、神和ぎの力をなんのためだと思ってるのかしら」
「それはお前らの方だ。変な推測で罪をなすりつけるなよ。スカートのホックが外れただけなんじゃないのか?」
「ち、違うわよ!たぶん!大体、さっきからこいつ何も言わないんだもん!犯人だって認めてるからでしょ!?どうなのよ!」
「そうなのか?」
忠幸は守哉に問いかけた。守哉は頭を左右に振りながら答えた。
「俺じゃない」
「違うじゃないか」
「犯人がそう簡単に罪を認めるわけないじゃないの!」
「お前、さっきと言ってる事が違うぞ。大方、一方的に詰め寄って未鏡の話を聞かなかっただけなんだろ」
「う……」
図星を指されて香苗は口ごもった。しばらく何か言おうと口をパクパクさせたが、結局何も言う事が思いつかなかったのか、きびすを返して教室を出て行った。慌てて他の女子生徒も香苗を追って教室を出て行く。
教室に残ったのは守哉と忠幸だけだった。しばらくして、忠幸は守哉に言った。
「災難だったな、未鏡」
「いや、ぶっちゃけ犯人は俺なんだ。あいつらが嫌がらせしてきたから、仕返ししてやった」
守哉がそう答えると、忠幸は笑った。
「だったらあいつらが悪いよ。本当に災難だったな、お前」
「いいさ。もう慣れた」
「……無理してないよな?」
「なんだよいきなり。気色悪いな」
いきなり真顔になって忠幸が聞いてきたので、守哉は顔をしかめた。忠幸はぽりぽりと頬を指で掻くと、自分の席に座った。
「いや、お前には世話になったからさ。なんか、気になっちまって」
「俺は大丈夫だよ。それよりも、お前の方は大丈夫なのか?」
「ああ。一応けじめはつけたよ。全部、お前のおかげだ。ありがとう」
そう言って忠幸は頭を下げた。慌てて守哉は忠幸に頭を上げるように促す。
「お礼言われるほどの事してねぇよ。当然の事だろ」
「当然じゃない。お前が思ってるほど、お前が俺にしてくれた事は軽くないんだよ。本当に、お前には感謝してもし足りないぐらいだ」
「そこまでのもんじゃ……」
「そこまでのもんなの。それより、何かお礼がしたいんだ。何か俺に出来る事はないか?なんでも言ってくれよ」
「いや、お礼なんていいよ」
「いいから、何でも言ってくれ。じゃないと俺の気がすまないんだ」
しばらく守哉は腕を組んで考えると、頭を掻きながら顔を逸らして言った。
「じゃあさ、一つだけ」
「何だ?何でもいいぜ」
「俺と友達になってくれないか?俺、友達一人しかいないから」
守哉の答えに、忠幸は笑いながら言った。
「そんなの、俺達はもう友達じゃねぇか!今更言う事じゃねーよ!」
守哉もつられて笑ってしまった。しばらく二人が笑い合っていると、教室にクラスメイトが入ってきた。気づけば、午前8時を過ぎていた。そろそろ人が増え始める頃合だ。
ひとしきり笑った後、忠幸が言った。
「なぁ、今度から守哉って呼んでいいか?その代わり、俺の事は忠幸って呼んでくれ。いつまでも苗字で呼び合うのは他人行儀な気がするからさ」
「そうだな。じゃあ、改めてよろしくな。忠幸」
「おう。よろしく頼むぜ、守哉」
そう言って、二人は握手を交わした。周囲のクラスメイト達の視線が注がれるが、二人は気にしなかった。
予鈴が鳴り、空貴が来てHRが始まるまでの短い間、二人は互いの顔を見合って楽しそうに笑い続けた。




