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第九話 恋の正体

淡路涼平、高校2年生は恋の概念を探している。そんな中告白してきた1人、下館柑理との出会いを経て様々なヒントを得た。この先どうなっていくのか


登場人物

下館柑理しもだてかんり

この話の主人公。中学1年生。無口な女の子で勉強のことしか考えていない。兄が大好き。

柑理の兄

高校3年生。成績優秀で学校中でモテている。妹の柑理の世話をずっとしている。

淡路涼平あわじりょうへい

???

私は、小学生の時に両親が居なくなってずっと兄と2人で生活をしていた。兄はバイト、私もしようと思ってたけど、

「柑理は自分のことだけ考えときなよ。ね。」

と兄に止められていた。私は兄が寝ているところを見たことがない。私は寝ようとする時も、そして起きた時も兄はいなかった。

兄がいない時は隣の家のおばさんにお世話になっていた。それだけ、兄と会う時間がなかったのだ。だけど、私は兄が好きだった。

私は学校では特に話す友達もおらず、教室では本を読んでいるか、勉強しているかの二択だった。その影響もあってか、学校ではずっと成績トップだった。

〜〜〜〜

「お前も成績トップになったらモテるんじゃないか?」

「私中学行っても頑張る!」

〜〜〜〜

成績トップでもモテるはずがない。私には兄みたいな素質がないから。

そんな日々を過ごしているうちに気づけば夏が終わっていた。秋に変わっていくこの静けさが何かを物語っている気がした。いいことが待ち侘びているのかな?そんな私の思いを簡単に裏切ってきた。

夜になっても兄が帰って来ない。今の時間はもう0時が終わるくらい。私は不安に押しつぶされそうになりながら待っていると、1通の電話が。その電話の内容が私の不安をさらに大きくし、人生をめちゃくちゃにするものになる。

「え…」

私は状況の理解に追いつけずにその場で蹲ってしまった。もう手遅れだった。

「ごめん…私のせいで…私の…せいで…」

私は泣き崩れた。私の世話をする為にバイトに行ってた。だから世話をしなければ、バイトに行かずに済んでいた。あのような事にはなっていなかった。私はその日から自分って必要なのかと感じるようになっていた。

その後は学校にも行かず、部屋に引き篭もっていた。学校に行っても相談できる友達もいないし先生にも話しかけづらい。もう私の味方はいない。

「私ってなんなんだろう…」

もう生きてる心地がしない。そう思っていると、1通のメッセージが携帯に入ってきた。私は開く。

『unkown:シタヲムクナマエヲムケ』

嫌がらせ?なんで事情も知らない赤の他人に励まされないといけないの。私はそのメッセージを放置した。

そして後日結局あのメッセージのあとから特になかったからただの悪戯だったのだろう。

その日の夜、私の人生を変える出来事が起きる。

「おい、柑理いるんだろ?」

誰だろうこんな時間に。私は恐怖もありつつ窓を覗くとそこには…

「お兄、ちゃん?」

兄はもういなくなってしまったはず。寝ぼけてるのかと思ってたが、何度見ても兄だ。私は家の階段を駆け下り、兄の元へ。

「お兄ちゃん!なんで…なんで!私ずっと悩んでた。どうやって生きればいいか分からなかった。本当に今までごめんなさい…!」

「柑理、待たせて悪かった。心配かけたな。」


柑理は今も気づいていないが、柑理の兄はもういない。そう、俺だ。柑理の兄と俺は瓜二つらしく、ぱっと見見分けがつかない。普通に生活していると、俺そっくりの人が近づいてきて

「ごめんなさい!怪しいものではないんだけど、ちょっとお願いが…」

「はい、なんでしょう?」(性格変わる前)

「実は妹がいまして、その妹が1人でいつも生活してるんですよ。それで、もし自分に何かあったら俺の代わりをして欲しい。」

「それは、どういう…」

「そのままの意味です。それで、もし彼女が高校に進学したら1人にしてやってもらいたくて…仮に同じ高校に入ったら別人という事でやってもらいたいです。」

「急に言われてもですね…」

「頼みます!どうかお願いします。」

その人は深く頭を下げた。本気なのは伝わった。

「分かりました。自分で良ければ力になります。」

「ありがとうございます!」

そこから、俺はもしものことに備えあらかじめ準備していた。正直そのもしものことになってもらいたくはないと思っていた。柑理には言ってなかったらしいが、どうやらお兄さんは重い病気を持っていて、そう長くはないらしい。

しかし、その日はやってきてしまった。俺の元に1通の電話が入り、俺は覚悟を決めた。そこから俺は【下館祥介】として生活することとなった。

〜〜〜〜

「俺はあの時柑理に嘘をついてしまった。柑理を傷つけるようなことをしてしまった。本当にごめん。」

俺らは抱き合った。泣きながら。これも嘘だなんて言えない。

そこから数年、柑理が高校へ進学する前に俺は海外転勤という嘘をつき家を離れた。その時、柑理は泣くかと思ったが、

「もう大丈夫!私1人で頑張るね!」

俺は偽物の兄なのに心なしかなんだか嬉しかった。そこで俺は淡路涼平に戻った。

俺も実は両親が居なくて、妹は海外留学中。だからこのようなことができたんだ。

〜〜〜〜

私はあのひとことが淡路くんの本音だと思わなかった。むしろ私しかその想いはわからないと思った。私は咄嗟に淡路くんを追いかけた。

〜〜〜〜

なぜあんな発言をしてしまったのだろう。傷つけると分かっているのに口に出てしまう。もう下館に嫌われたかな。

「俺ってなんてやつなんだ。」

「そんなことないよ。」

後ろを振り返ると下館がいた。

「確かにさっきの発言は私も驚いた。だけど、あれが本音だと思わなかった。淡路くんのことを1番分かるのが私。私のことを1番分かるのは淡路くん。」

「なんで俺がお前のことをわかると思うんだ?」

「だって、、、【私のお兄ちゃんでいてくれたじゃん】」

「お前…なぜそれを…」

「気づくよあんなの。13年も一緒に暮らしてたお兄ちゃんが急になんか変わるんだもん。で、高校で淡路くんを見かけて話しかけたけど、なんか初対面っぽくて。それであえて気にかけてくれてるってのも伝わったよ。だから私は告白を続けた。」

「柑理…ごめんな。俺ってやつはこんなので。俺も色々迷惑かけてしまったのに、ここまで心配してくれるとは思わなかった。だから…

「君がいてくれなかったら私はここにきてなかったかもしれない。だから…」

『ありがとう!』

俺らはお礼がシンクロした。お互い思ってることが同じ、思いが一緒なんだと感じた。

翌日はいつも通り

「淡路くん、おはよう!」

「おう、おはよう。」

挨拶を交わし、いつも通り

「あの、告白の答えは…」

「まだ保留だな。」

振られる。そんな日常が俺にとってはかけがえのないものなんだと感じた。そして、俺たちは高校3年生のステージに上がるのだ。


season1 END 十話に続く


旭野です!season1完結しました!ありがとうございます!

そう言えば、糸崎さんと相生さんはどうなったの?と思うかもしれませんが、相生さんに関してはseason2で詳しく書きますのでそれまでお待ちください!糸崎さんものちに出てきます。

本当に読者の皆様ありがとうございます!私がここまで長く6作目が続いたのは、本当に読んでくださる方がいたからです!

さて!次回からはseason2となります。気づけば季節がまるで秒速、高校3年生へとなります。個人的に高校3年生の話を長く書きたいと思ってますので、season2が長くなるかもしれません。その点はご了承ください!

ということで、次回season2第十話でお会いしましょう!ありがとうございます!!

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