第十話 恋の再会
恋ってなんなんだろうか。デート?それともキスをする?そんな単純なことではないと俺はこの1年を通して気づいた。だが、まだ答えには達していない。俺の概念探しはまだ続くのだ。
登場人物
淡路涼平
高校3年生。成績優秀で学校で人気。告白に応じたところを見た人がいないらしい。だが、ここ最近柑理との関係が誤った情報で噂されているとか
下館柑理
高校3年生。涼平に恋心を抱いており、特別な思いも持っている。常に涼平を観察しており、タイミングを図っては告白に失敗している。
相生凌香
高校2年生。柑理の例のノートにてさらに恋について知ってしまった。
4月。人によっては新しい場所で新しい生活を送り始める頃だが、俺らは一貫校だから特にそんなこともなく普通に始業式があった。
始業式後、
「ねえ、どうするの?これでバレないようにするのは厳しくない?」
「まあ、こうなった以上完全に隠し切るのは厳しい。でも、なんとか1年過ごすぞ」
下館柑理。2年生まではクラスが別だったが、同じクラスになった。本当はうちの高校はそのままエレベーター式でクラスもそのままなんだけど、こいつの場合は簡単な話でクラスの人数調整でこうなったらしい。ちなみに、俺らとは違うクラスだが芳原と糸崎も同じクラスになれたみたいだ。
「なんで、よりにもよって席順が出席番号順じゃないんだよ。」
おそらく、テストの結果順で並ばされてる。そうでないとこいつが後ろに来るはずがない。まあ、なってしまったもんはしょうがない。
「とりあえず、クラスにいる間は普通のクラスメイトとして接しろよ。いつもの性格出すんじゃねぇぞ?」
「分かったよ。」
実はこいつも裏表があるんだが、糸崎とは異なり裏が明るすぎる。俺に接する態度が裏だ。ちなみにいつもの下館はというと…
「ねえ下館さん!ここ教えて欲しいんだけど…」
「あ、えっとここはね…」
とまあ、ざっくり言うと真面目キャラ。クラスが一緒になると分かるもんだな。
放課後になるといつも通りの下館にもど…
「ねぇ、このあと予定ある?」
「特にないが、何の用だ?」
「うち来ない?」
こいつ話のテンポが早すぎる。まあ、別に家に行くくらい問題はないが。
「別に予定もないしな。いいぞ。」
「本当!?ありがとう。あ、家来たことあるんだった!」
「いつの話だよ。」
こいつの家は確かにすごく久々な気がする。中学以来だよな。結構学校からあるんだよな。
俺らが通っている高校は山に囲まれてはいるもののそれなりに開けた街にある。ちなみに下館の家は隣町ではあるものの電車で5駅先。俺は寮だから高校のすぐだが下館は家から来てるからな。
電車に揺られること約30分。そして歩いて何分かすると下館の家に着いた。
「入っていいよ!」
「ああ。」
確かに懐かしい感じだ。まあ、もう3年くらいは来てないけどな。
俺は出来る限り部屋の中を見ないようにしていたが、残念なことにとある物に気づいてしまった。
「お前もしかしてあれって…」
「あれね、このあと相生ちゃん来るからそこに置いてただけだよ。」
こいつ堂々としすぎだろ。
(ピンポーン)
「お、噂をすれば。」
〜〜〜〜
「お邪魔します。あ、淡路先輩来られてたんですね!やっぱりおふたりってお付き合いされて…」
「ないからな!」
「淡路くん、どうしてそこまで必死なの…?」
「違う、それはその答え方と言うのがあってだな。」
まためんどくさいやつが1人増えた。
相生凌香。ひとつ下の高校2年生。こいつも下館同様に頭は良いんだが、どこかネジ外れてるみたいでな。このよく分からん入れ知恵ノートによって恋についてインプットされてしまった。
「あ、このノート渡しとくね。新しいやつ。」
「ありがとうございます!」
相生は恐らくこの告白必死なやつと頭は良いけど、恋についてはマジでおかしい妹に会わなければこうはならなかっただろうに。可哀想なこと。
「で、お前はこのノートを受け取る為にここまで来たのか?」
「いえいえ、実は私の家、ここの近くなので!」
「なるほどな、この辺ってことは…」
俺はそのあとのこいつの回答につい驚愕してしまった。
「ってお前ここから1時間以上かかるぞ!?」
そう。ここで初めて言うが、俺らの高校がある街から県が広いからこういうことはあるが、ここの近くは絶対に違うだろ。
「人によるってやつです!」
確かに近い遠いは人によって様々だが、さすがにこの距離を近いというやつはいない。
「というわけで、私はここから家まで時間かかるので帰りますね!」
さっきと言ってること矛盾してるじゃねぇか。遠いって言っちゃったぞ。
相生が帰ったあと、再び2人になった。
「この感じ、なんだか懐かしいね。」
「そうだな。」
6年前、俺らはまさにこの家で暮らしていた。そして数年後またこうやって再会しているのも奇跡かもしれない。そんなことを思った。
〜〜〜〜
「あの2人、本当に付き合ってるのかな。付き合ってるにしては空気感がなんか違うような…」
私は帰路の途中こんなことを思っていた。あの2人が付き合ってないってことは?
「もしかして、もう上まで行っちゃった!?なんてことないよね、まだ17だし。」
独り言を言いながら私は帰路に着いた。
〜〜〜〜
翌日、俺はいつも通り登校した。しかし、下館の姿はなかった。朝のホームルームでもあいつからの連絡は来てないという旨が話された。俺は心配で、あいつにメッセージを送ってみたが放課後になっても返信が一向に来なかった。心配になった俺は、あいつの家へと急ぎ足で向かう。あいつの家に近づくと、向こうから相生が走ってきて、
「先輩!下館先輩が…」
第十一話へ続く
旭野です!season2の連載を開始しました!
第十話から学年が変わりました。恋の概念探しに幕は下りるのか、まだまだ続いていくのか。それは、今後の物語に期待です!
というわけで、第十一話は何やら雲行きが…どうなるんでしょうか。
十一話でお会いしましょう!




