第八話 恋の予感
季節も変わり気づけば冬。俺らが住んでる街は人が多く住んでいるものの、少し移動すれば山なので、雪が多く降り積もる。外に出るだけで一面雪景色だ。淡路涼平のいつも通りの日常なんだが、今年は何かが違う気がする。
何かが違うとは、交通網が止まってしまったことだ。普段だと雪が降るだけではなかなか止まらない電車だが、この日はあまりにも雪が強くかった。結局25日は、雪で交通網がどこも止まっていたため、下館との予定は無くなった。まあ、大雪の中でもしものことがあったら危ないからな。下館はギリギリまで何がなんでも行こうとしてて、
「あそこのイベント行けなかったら、ここに行けばいいんじゃないかな!」
や
「中だったらいいよね?」
みたいな感じで、どうしても行きたかったみたいだ。結局俺の
「お前が危ないだろ?もう俺と会えなくなるかもしれないぞ?」
と言うと
「それは嫌だから今回はやめようか…」
と聞き分けが急に良くなった。
そして翌日になり、すっかり雪も止んだが気温は低いため雪は溶けずに残っている。電車も動いてる。言ってなかったかもだが、下館とよく会ってるイメージがあると思うがあいつの最寄りは俺の最寄りから5駅先且つ、駅間が長いからそれなりに時間がかかる。別に家が近いわけではないのだ。俺は寮だから、登校はもちろん別である。
学校に登校すると、いつも通りの下館とのやりとり(省略)をし、教室に向かう。俺が入った瞬間クラスの注目が俺になった気がした。なんか見覚えのある場面だな。
「お前、そんなことする奴だったんだな…」
あれ、この台詞も聞いたことがあるぞ。
「俺なんか悪いことしたk…」
「お前、下館さんと付き合い始めたのか!?」
「は?」
付き合った覚えはない。ただ単に絡んでるだけなんだが。何をどう改変したら付き合うことになるんだよ。
「それは、ただ単にあいつが俺にめっちゃ話しかけてくるから仕方なく付き合ってるだけだよ。」
「それだけだったら、なんで駅前に2人でいたんだよ。」
と言うと芳原は携帯の写真を俺に見せつけてきた。
「馬鹿!そんな写真どこで手に入れたんだよ?」
俺は携帯の写真を消そうとしながらこいつに問いかける。
「いやあ、実はね俺も舞とデートしてたんだよ。そしてら駅に2人がいて…話しかけようとしたんだけど舞に…」
「2人にしてあげよう?今いい場面だから。」
「って言われちゃって、申し訳程度に写真だけ…」
申し訳程度の意味が分かってんのかこいつは。俺らにとってはかなり痛いぞ。もうクラスにバレてる時点で遅いかもしれないが。
(え、あの下館さんと付き合ってるの?淡路くんって。)
(性格真反対だよね。)
外野がうるさいが、付き合ってないのは事実。これをどうやって収めるか。
「私付き合った!ってクラスに言っちゃった!」
こいつはさらに馬鹿だったのかもしれない。俺の気持ちも考えろよ。
「お前ってやつはなぁ…」
「本当にごめん!不快だったなら今からでもクラスに言いにいくけど…」
確かに気まずくはある。しかし、むしろこれは俺にとって恋の概念についてのヒントになるかもしれない。
「大丈夫。とりあえず放課後に俺の教室に来てくれ。」
「うん!分かった。」
俺にとって概念とは何かがわかった気がする。訳でもないが、少なくともここでこいつとの関係を否定したらいけない気がした。俺はその時、妹の言葉を思い出した。
〜〜〜〜
「女性っていうのはちゃんと見てほしいものなんだよ。逆にちゃんと見てあげないとその人の良さなんか分かるはずない。」
確かに。俺は今日まで下館に告られ、振るをずっと繰り返してきた。だけど、あいつと出かけたりしているうちに内面が色々とわかってきた気がした。だから関係を否定するわけにはいかない。
そして放課後。呼んだ通りに下館が来た。
「淡路くんから呼ぶって珍しいよね。どうしたの?」
「急に俺がこんなこと言うのもあれかもなんだけど、聞く覚悟はあるか?」
「うん、大丈夫だよ!」
「あのな…」
俺は覚悟を決め口を開き、そのメッセージを送った。
「!?」
下館は急なことに驚いていたが、俺は言ってスッキリした。
「じゃあな。そういうことだ。」
俺はそう言うと教室を後にした。俺はもうこのひとことでこの先の出来事を決めようと思っていた。
〜〜〜〜
「俺に今後関わらないでほしい。」
九話へ続く
風邪を引き、喉がすごく痛かったですが病み上がりでこの話を書いてます、旭野です!!
さて、短く完結に終わった第八話ですが予想外の終わり方だったかと思います…実は初期段階は幸せな終わらせ方をしようと思ってたんですが、これだと作品の進行的に今後のストーリーが浅くなってしまうと思い、このような感じにしました。柑理目線のスピンオフは読み切りにしようと思ってますのでしばらくお待ちください!
それでは、個人的にも書くのが緊張する九話でお会いしましょう!




