第七話 恋に無関心
生きた心地がしなかった。これで終わりだと思わなかった。
「じゃあ、帰ろうか。」
「うん、そうだね。」
そんな目の前でどうして…
「待ってくれ…!!」
ピピピピ…
朝の日差しが差し込むいつもの部屋に俺はいた。
登場人物
淡路涼平
高校2年生。恋の概念が分からないということだが、柑理と絡むようになってからは答えに近づいてきた気がすると感じている。
下館柑理
高校2年生。涼平に恋心を抱いており、いつも涼平を監視している。が、人が困っている時は助けたりと優しさも持ち合わせている優等生。
なんだ夢か。ここ最近昔のことを思い出してしまうような夢を見てしまうようになった。
「またこの夢かよ。」
俺はいつも通り学校に行き
「淡路くんおはよう!」
「おう、おはよう。」
いつも通りになりつつある下館との挨拶を交わし教室に入る。しかし今日はいつもと違うみたい。
「転校してきた〜〜です。よろしくお願いします。」
「…!」
俺は昔のことが思い出され、胸が痛くなる。
「よろしく。淡路くん。」
「…よろしく。」
こいつどうやら俺のことを覚えてないみたい。ならいいやと思ってた瞬間。
「お前、まだあいつのこと好きなのか?」
「…!?」
「多分あいつもう俺のことしか興味ないんじゃないかな?なんちゃって!」
「お前…」
「で、お前は彼女出来たのか?あ、お前に出来ないか。クラスでろくに話してなかったしな。」
「いい加減にしろよ!」
俺は思わず胸ぐらを掴んでしまった。タイミング悪く周りのクラスメイトがざわついたせいで人が群がってしまった。
(何喧嘩?)
(転校生に喧嘩売るとか…)
「これは…」
俺が言葉を発しようと思った瞬間鮫立が先に言葉にした。
「安心していいよ。俺は大丈夫だから。」
「…」
(でも怖いからしばらく話しかけないようにしよう。)
俺は過去の思い出が頭に蘇ってきて心臓の鼓動が早くなるのを感じた。そして俺は教室の外へと駆け出した。
「どうしてだ。どうしてあいつがここに…」
〜〜〜〜
中等部時代
「俺のクラスは…」
「私のクラスは…」
「ここだ!」「ここだ!」
「あ…」「あ…」
「ごめん。つい声が出てしまってたみたいで。」
「大丈夫だよ。私の方こそ声出てた。」
俺らは、入学式の時に出会った。て言っても小学校からそのまま内部で進学しただけなんだけどな。
その子の名前は〜〜と言う。どうやらここに中学から転校してきたらしい。
「淡路くん…よろしくね!」
「こちらこそ!」
俺はこの時はまだ性格も明るい方だった。成績も全然良くなかったし、モテてもいなかった。
「ねえ、連絡先交換しない?」
「急だね…!もちろんいいよ!」
こんな感じに入学式初日に連絡先を交換するほどまでになった。
「今度一緒に遊びに行かない?もちろん2人で!」
「うん!行こうよ!」
俺らはよく2人で遊びに行っていた。遊園地とかその他色々と。毎週のように遊んだ。そしてある日
「私と付き合ってください!」
「もちろん!むしろ俺からもよろしく!」
俺らは付き合った。もちろん2人とも熱い恋情で。
もちろん学校内ではバレないように付き合っていて、放課後に一緒に帰るくらい。お互い部活をやってたから部活がお互い遅い時は片方が待つということをしていた。そして、気づけば2年が経っていた。
ある日の俺は、クラスの日直で教室の掃除を行なっていた。すると携帯にメッセージが入ってた。
『ごめん。今日先帰るね。』
彼女からだった。珍しいなと思い、その日は
『了解』
とメッセージを送るだけで終わった。しかし、日が重なるにつれて先帰るのが増え、最終的にはメッセージが1通も来なくなってしまった。
ある日、俺はそれがなぜなのか答えを知ってしまう。
「じゃあ帰ろうか。」
「うん。そうだね。」
彼女の姿を見かけた、のだが隣にいるやつを俺は知らない。
「誰だろうあの人。」
俺は良くないのを分かってはいたが、尾行してみることにした。すると思いがけないことを耳にする。
「ねえ、〜〜って彼氏いるの?」
「え、いるわけないじゃん。あなた一筋に決まってる。」
「…は?」
俺は理解が追いつかなかった。理解が追いつく前に男の方が俺に追い討ちをかける発言をする。
「俺と付き合って欲しい。」
「もちろん。」
そう。彼女は俺を捨てたのだ。しかもいない前提で。一応メッセージも送ってみる。が、一向に返信が来なくなり確認してみるとブロックされていた。俺は悲しみより怒りが先に来た。
「あいつまじで許さない…」
俺は彼女に気づいたら正直に話してしまった。すると
「え…マジでヤバいんだけど、キモすぎる。」
「でも、浮気してる方が悪くないか?」
俺は震える手をなんとか抑えて話だけで持っていこうとする。
「君、よくも俺の彼女に変な真似してくれたな。」
「それはお前の方だぞ。俺が裏切られたんだ。俺はお前を許さない。」
すると、こいつは口より先に手が出てきた。
「いてぇなお前!」
「痛いのはお前だよ。変な真似しやがって。ただのストーカーだろ。付き合ってもないくせに。」
「付き合ってだぞ俺は!なあ、。なんか言ってくれよ!」
「私のこんな人と付き合った記憶ないんだけど。仮に付き合ってたとしてもすぐ別れてるし。」
俺は思わず固まってしまった。今までの時間はなんだったのか。
「もう行こう。」
「うんそうだね。」
と言うと2人はその場から立ち去ってしまった。
「恋ってなんなんだろう…」
俺は全てを失った気がした。時間も努力も全て。もう俺は生きた心地がしなかった。もう諦めた。もう恋はやらない、と思った。
〜〜〜〜
「やっぱり俺ついてないな…」
そんなこと思ってると、教室から声がした。聞き覚えのある声。下館の声だった。
「あなたたちはこれだけ見て何がわかるの?淡路くんなんかした?」
あいつが真面目に話しているところを俺は初めて見た。その後何分かして教室の扉が開いて下館が出てきた。
「やれることはやったよ。教室戻ってみて。」
あんなに無表情な彼女をみたことがなかったが、俺は言われるままに教室に戻った。すると、
「ごめんなさい…」
とみんなに謝られる。そこには【あいつ】の姿はなかったが。俺は安心したが、それ以前に前の噂の件と言い、今回の件と言いあっさり片づけすぎだなと感じた。下館は一体どんな手を使っているのか。
転校生は気づいたらまた転校したらしく、もう教室にはいなかった。下館の手によって全てが終わった。俺にまた平凡な生活が戻ってきたのだ。
「淡路くん!おはよう!」
「おはよう。」
こいつといつも通りの挨拶が交わせることが俺にとって楽しみになってきていた。もうすぐで冬休みになるが、予定を決めないと…
『25日は暇?』
決める必要もなかったみたいだ。
第八話へ続く。
旭野です!第七話をお読みいただきありがとうございます!今回は三話よりも暗めの話となりましたがいかがでしたでしょうか。浮気されてた彼氏彼女に関しては名前は出してませんが、後々正体がわかったりとかわからなかったりとか…そして、柑理は何をしたのか。その辺は外伝にでも書こうと思います。柑理の登場が増えてきたと言うことで、次回八話は待ちに待った冬!と言うかこの話も実は12月になってました。早すぎ!
ということで第八話でまたお会いしましょう!




