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第五話 恋の夏

あらすじ

淡路涼平。高校2年生はいつも恋について悩んでいた。当の本人が人気というのには気づいているものの、告白に了承したことは一度もない。なぜかというと、淡路涼平は恋に無関心であるからだ。

登場人物

淡路涼平あわじりょうへい

主人公。高校2年生。恋の概念探しをするにおいて色々なトラブルに巻き込まれているが、なんとか乗り越えてきた。

下館柑理しもだてかんり

高校2年生。涼平に恋心を抱いており、2度振られているものの諦めが悪く、今でも涼平のことを追っている。

暑い。何を考えても暑すぎる。時は8月。夏休み期間に入っていた。そういえば、勉強会の翌日に

「淡路くんごめん!連絡先交換してもらってもいい?」

と下館が聞いてきたので、連絡先くらいいいかと思い交換した。その時下館はめっちゃ嬉しそうに

「ありがとう!!」

と言ってテンション高いまま教室に入って行ったが、俺にはよく理解できなかった。そんなこともあって夏休み期間がやっとのことで来たのである。もちろん課題も初日に終わらせてやっとゆっくりできると思っていた矢先、携帯が鳴った。俺は飲み物を飲みながらメッセージを確認する。どうやら下館からみたいだ。どうせろくなこと書いてないんだろうなと思いながら開いてみると、

『今週の土曜日デートしませんか?』

俺は思わず飲み物を吹き出してしまった。どんな内容だよ。しかも付き合ってもないのにこんな気軽に誘うものなのか?よく分からないが。

『無理。』

と返しておいた。これでひと段落だろうなと思ったら秒で返信が返ってきやがった。

『今週の土曜日出かけませんか?』

デートという単語を消して送ってきた。単語を変えたどころで意味はないぞ。

『無理なもんは無理だ。』

と送っといた。今度こそ終わりかと思ったが、そうはいかないというのが下館柑理という女だ。今度は電話が掛かってきた。もう勘弁してくれよ。

「もしもし。」

「淡路くんだよね?」

「間違い電話じゃないでしょうか?」

「あ、そうでしたか。失礼しました…じゃなくて!淡路くんでしょ?連絡先の電話番号も間違えないように10回くらい確認したんだから。」

「で、何の用だ?あのデート擬きの件か?」

「擬きって失礼だね!デートは確かに言いすぎたけど友達として出かけたいなぁって思ってて。」

こいつに流されるのも気が引けるが、まあ、前助けてもらった恩もあるしたまには息抜きになるかもな。

「分かった。友達としてなら行く。」

「やった!ありがとう!」

「で、どこに行くんだ?」

「それは淡路くんに任せる!」

こいつ俺に丸投げかよ。

「分かった。」

「じゃあ、今週の土曜日よろしくね!」

「おう。」

電話を終え、俺は丸投げされた予定を決めていく。友達と出かけることはよくあるが、こんな出かけ方をするのは流石に初めてだ。まあ、何とかなるだろ。

そして土曜日…

「おはよう淡路くん!」

「おう、おはよう。」

俺らは駅で待ち合わせをし、そこから俺が決めた場所に行くことにした。下館曰く、場所は当日行ってからのお楽しみということらしく、まだ俺しか知らない。

「じゃあ、行くか。」

俺らは電車に乗り込み、目的地に向かう。

「ここって…。」

「そうだ。うちの別荘だ。」

何漫画みたいなこと言ってるんだと思うかもしれないが事実である。実は両親共に会社の社長をしており、その関係であらゆるところに別荘がある。あまり学校の友人には言ってないが、こいつにならばれてもいいだろということだ。

「淡路くんってすごいんだね。」

「俺は何もしてないがな。俺はいつも夏はここで過ごしてるんだ。」

言った通り俺は、夏は避暑地としてここによく来ているが、今年はあまりにも暑すぎて家から一歩も出たくなかったため行くつもりはなかった。だけど、場所決めてというならばここにすると決めていたのだ。実は元々土曜日だけだったんだが、ここまで来といて日帰りは申し訳ないということで日曜日まで過ごすことにした。

「荷物置いたら出かけるぞ。急げ。」

「分かったよ!」

俺らは、迎えの車に乗り込み次なる目的地へ。それは、そう。

「ここだ。下館。」

「ここって山?」

そうだ。別荘のある場所は山が近い。だから涼しい風を浴びたいと思ってこの山に来たのだ。この辺だと避暑地としても有名だ。

「あれって、もしかして?」

「そうだ。滝だ。お前、前に滝に来たかったって言ってただろ?」

「そんなことまで覚えててくれたんだ…。」

実はちょくちょくあいつからメッセージが来ててたまに話してたからこんなことも知ってたりする。まあ、実際は

『マイナスイオン浴びたいんだよね。』

というメッセージだけ添えられていたんだが。

俺らは、体を冷やして別荘に戻る。どうやら下館も嬉しそうだ。

「淡路くん、本当にありがとう。淡路くんが来てくれなかったら私どこも行くつもりなかったんだよね。」

まあ、こいつは他には興味ないようなところあるからな。

「だから、私本当に良かった。淡路くんとここに来れて。一緒に過ごせて。」

「うん。なら良かった。」

こんな会話をし、日曜日に俺らは元いた街へ。今更だが俺は寮に住んでいる。普通だとルームメイトが知らない人とかになるんだけど、俺は妹が同じ高校に通っているから同じ部屋にされてるらしい。だから、いつもと変わらないような生活を送っているわけだ。

次の日、

『淡路くんおはよう!』

『おはよう』

メッセージで毎日挨拶をするようになった。しかし、今は淡路から一方的ではなく俺も返している。俺は少しだけ下館に心を開いてきた気がする。彼女はこんな感じだが、内心優しいところもある。そういうところからなんだろうな。そして、俺らの夏休みはまだ続いていくのである。


第六話へ続く

旭野です!実は三、四話辺りを書いてるくらいから喉が乾燥してて水が必須になってます…

とまあ、一旦その話は置いといて第五話をお読みいただきありがとうございました!今回は待ちに待った夏休み!夏の描写を頭に想像しながら書いてますので、あくまで自分の理想ということを忘れないでいただけると幸いです。そして一話からずっと家のことを書いてませんでしたが、ここで涼平の家族について触れました。立派な別荘なんでしょうね…涼平が言うにはデート擬きらしいですがどうなんでしょうか。

六話の内容はこれから考えていこうと思いますので、明後日の投稿も読んでいただけると嬉しいです!!

それではまた第六話でお会いしましょう!!

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