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第三話 恋の噂

淡路涼平高校2年生。学校生活で困ったことはないが、強いて言うなら恋とは何かについて困っている。俺はこれを解決すべく妹やその他の人間に色々と相談をしているが、まだ答えが見つからない。俺の恋の概念探しは今日も続く。

登場人物

淡路涼平あわじりょうへい

高校2年生。学校では困り事などはなさそうに見えるが、内心恋愛に困っている。

芳原龍太よしわらりゅうた

高校2年生で涼平のクラスメイト。糸崎と付き合っている。

下館柑理しもだてかんり

高校2年生。涼平に恋心を抱いており、一度は振られたものの、今も彼を監視している。

糸崎舞いとざきまい

高校2年生で龍太の彼女。表向きでは静かな性格だが、裏だと高圧的な性格。裏を知っているのは涼平だけ。

実は糸崎と初めて会った日、糸崎はこんなことを口にした。

「実はこの付き合ってることは学校では秘密にしてるから誰にも言わないでね。」

龍太が言いそうで危なそうだが、言うことはない。

翌日学校に行き、教室に入るとなんか空気感が重かった。その目線は俺に…

「涼平、お前そんなことするやつだったんだな。」

芳原に今日初めて会って言われた言葉がこれだ。何も心当たりはない。周りではこんな声が聞こえてきた。

(ねえ、芳原くんって3組の糸崎さんと付き合ってたんでしょ。あの子ってそんなタイプの子だっけ?)

(これって、誰から聞いた?)

(自分は鮫立さんから聞いたけど、淡路くんが流してるとか何とか。)

「は?どういうこと?」

俺はそんなことをした覚えがない。あれ以降口にはしていない。そんなことを考えてると糸崎が飛んできた。

「あんたどういうこと!?」

「いや、俺は何にも…」

「言い訳はいい、あれだけ口外しないでって言ったはずなんだけど。」

「だから俺は…」

「話しかけないで。もう口聞きたくないから。」

そういうと糸崎はどこかに行ってしまった。クラス中の俺への信頼度がすごく落ちた。前までは誰かしらが話しかけに来てたんだけどこの一件で話しかけてもらえなくなった。そう、俺はクラスから浮いたのだ。何もしていないのになぜこんなことになるのか。もちろんあれ以降芳原も口を聞いてくれなくなった。

次の日もまたその次の日も。この状況が変わることはなかった。

ところがある日、下館に廊下に呼ばれた。

「あの件って本当に淡路くんがやったの?」

「そんなはずない。俺がそんな口が軽いようなことするわけない。」

「だよね、淡路くんそんなことするはずないのに何でこんな噂が流れてるんだろうって思ってて。」

「で、お前は何のようだ?構ってる暇はないぞ。」

「失礼だね淡路くん!私は君を助けたくてここにいるんだよ。」

「俺を助ける?」

「この噂を流してる人を突き止めるんだよ。それでこの噂が嘘だって言うのを証明させる。それだけで淡路くんの評判は戻るよ。」

「そんなこと簡単にできるのか?」

「当たり前だよ。」

冗談で言ってるのかと思ったが、普段笑顔の下館が真面目な顔をしてるのを見て察しがついた。

「私が保証するから。」

「分かった。」

そういうと、下館は自分の教室のほうへ戻っていった。俺は、居心地の悪い教室に戻り、受けづらい授業を受け、過ごしづらい休み時間を過ごした。そして、その日は早足で帰った。もう、この状況を早く抜け出したいと言う気持ちと勝手に着せられた罪悪感を抜け出したいと言う思いでいっぱいだった。頼むぞ下館。

翌日、嫌々学校に行くと芳原があっちからきた。

「涼平、昨日はごめん。すっかり友人のことを疑ってしまった。俺もあんなことする訳ないとは思ってたんだけど反論できなくて。」

「いいよ全然。お前は悪くないしな。」

これでこいつとの関係は戻った。いや、こいつだけではなくクラス全員に謝られた。それだけではなく、何か知らないが告白される理由が変わった気がするのだ。まあ、仕込んだのはどうせあいつだろうけどな。でも、下館のおかげでこんな感じにすぐに何もなかったような生活に戻れるなんてやっぱりあいつの学校での信頼が高いのがよくわかる。本気で感謝しないとな。

そしてその夜、

『昨日はごめんなさい。理由も聞かないで。』

と糸崎から謝罪のメッセージが届いた。恥ずかしがり屋なのか知らないが直接その言葉はなかった。まあ、あいつらしいっちゃあいつらしいな。

翌日、俺は下館にお礼を言おうとあいつが所属する1組行ったのだが、

「柑理だったら今日休みだよ。体調崩したらしいよ。」

だそう。この数日で何があったんだか。と言うわけでこの件は静かに幕を下ろしたのであった。

翌日、下館がいたので声をかけた。体調悪そうには見えないが。

「その、一昨日はありがとな。おかげさまで噂も流れなくなったし。」

「それは良かった!ね、だから言ったでしょ?大丈夫だって。」

こいつの自信はどこから湧いてくるのやら。

「じゃあ、私と付き合っ…」

「保留。」

俺はまた振った。が、いつもと違う、少し嬉しかったと言う気持ちが心にあったのだ。

「あいつの思いもいつかは…な。」

そんなことを思いながら、後ろを振り向くと立ち尽くす下館の姿が見えた。まあ、その次の日からはいつも通りに戻ってたから大丈夫だと思う。

俺は、また恋の概念探しに努めようと思う。


四話へ続く…と言いたいのだが少し会話に付き合ってもらいたい。

実はあの件の噂を流していた人物はどうやら俺から話を聞いたと言っていた鮫立…ではなく、それをさらに広めていた、そう同じクラスのとある女子だった。そう、鮫立も俺と同じく濡れ衣を着せられていたらしい。ちなみに彼女がどうなったかは誰もわからないみたいだけど。

今度こそ


四話へ続く

旭野です!第三話をお読みいただきありがとうございます!いやあ、ちょっと暗めのエピソードではあったんですけど何とか終わりに持っていくことができました。今回も少し短めではあったんですが、今後は少しずつ長くしていこうと思います。

それと最後に!後に出す柑理目線のスピンオフと本作の当エピソードが繋がりますので、投稿した際はぜひそちらもお読みください!

というわけでまた第四話でお会いしましょう!

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