第二話 恋の尾行
淡路涼平、高校2年生。普通な日常を送っているどこにでもいる男子生徒である。自分で言うのもあれだが、成績はトップクラスで常に学校面においては完璧だが、唯一勝てない部分がある。そう、彼女が一度たりとも出来たことがない。モテていないわけではない。むしろ毎日のように告白されている。だができたことがない。どういうことか想像がついた人もいるだろう。そうだ、俺は恋に無関心なのである。
登場人物
淡路涼平
高校2年生で成績優秀の男子生徒。恋についての概念を日頃から探しており、少しでも興味を持てるように努力している。
芳原龍太
高校2年生で涼平のクラスメイト。涼平に成績こそ毎度負けているが、唯一勝っている部分は彼女がいること。
糸崎舞
高校2年生で龍太の彼女。
淡路由寿
高校1年生で涼平の妹。兄と同じく成績優秀であるが、彼氏がいる。その為恋愛に関しては人一倍厳しい。
ということで、昨日由寿に言われた通り芳原を観察してみようと思い、尾行を始めた。まあ、芳原に関してはいつも一緒にいるから大丈夫なんだが、問題は彼女のほうだ。俺と芳原の彼女は接点がひとつたりともなく、顔見知りどころか会ったことすらない。だから、俺も顔を知らない。万が一見つかったら第一印象がやばいやつ認定されるので、慎重にいかなくては。まあ、見つかったら妹からの提案でと言えばいいんだろうけど言い訳だと思われるから、見つからないのが1番。
「じゃあ、俺彼女と帰るから。」
「おう。お幸せに。」
ここから尾行が始まる。俺は別れたあとすぐさま距離を取り芳原が彼女と合流するところを見届ける。
「龍太くんお待たせ。」
「よし、じゃあ帰ろうか【舞】。」
なるほど、彼女の下の名前は舞か。名前は恋愛にそこまで関係ないので次だ次。
「今日のテストどうだった?」
「まあまあじゃなかったかな?」
お前全然できてなかっただろ。っていうかもしかして同学年か。見かけたことはないが…ということをしてると、公園に着いたらしい。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね。」
「おう。」
彼女さんがお手洗いに行ったからその隙にたまたま通りかかった風に芳原に声かけようか…
「ねえ!あんた何してるの?」
「へ?」
後ろを向くと芳原の彼女が怒った顔で俺の後ろにいた。
「いや、たまたまここ通りかかってあいつに声をかけるタイミング見計らってたんだ。」
「言い訳はいいよ。もう前々から気づいてたから。」
詰んだ。めっちゃ詰んだ。これから先の物語が想像できない。さすがの俺もこの圧には勝てなかった。
「すみません。尾行してました。」
正直に言った。これで許してくれるだろ。
「じゃあ、警察に電話を…」
「ちょいちょい待ってくれ、これには訳がだな…」
「でも、尾行してたじゃない。それ言ってなんか変化あるの?」
「それは…」
正論すぎて言い返す言葉が見当たらない。もう諦めよう。と思ったけど、
「で、一応聞いてあげる。理由はなんなの?」
俺は理由を正直に話した。
「なるほどね。理由は分かったけど、本気にする必要あったの?」
確かに他人から見たら本気にする必要ないと思うかもしれないが、あの妹の圧。あれは本物だった。だから本気にせざるを得ない。
「ああ。俺には恋が何かよく分かってなくて、相談とかしてみたけどどうすればいいかわからないんだ。」
「なるほどね。分かった。私も手を貸すよ。」
「ありがとな。」
「とりあえず、連絡先だけ交換。」
とまあ、色々焦りはあったがなんとかなった。実は理由で妹のことは出さなかったのだ。流石に言い訳にも程があると思われそうだったから。
そんなトラブルもありつつ、糸崎と別れ俺は帰路についた。帰ると案の定妹が話しかけてきた。
「で、今日はどうだった?」
「もちろんやったよ。まあ、バレたけど…」
「バレたの!?それでどうなったの?」
こいつ人の失敗を喜んでるのかってくらい聞いてくるやん。
「一応誤魔化しといたから。妹発信だとかは言ってない。」
「なるほどね。で、その人の名前は?」
「舞って名前らしいけど、苗字までは知らない。連絡先にも下の名前しかないからな。」
「舞って…もしかして糸崎先輩?同い年なんだよね?」
「ああ、テストがどうとか言ってたから多分。」
「多分糸崎先輩だ。私の部活の先輩だよ。」
妹は吹奏楽部に所属している。あいつも吹奏楽部だったのか。
「でもね、結構静かな先輩なんだよね。あまり話したことないんだよ。」
あれ、今日見たのと印象が違うだと?今日の時はすごい高圧的だった気が…もしかして裏表があるのか。察した。
「でも、まさかあの先輩が付き合ってるとはね。お兄ちゃんも負けてられないよ。手伝うからがんばろ。」
俺が喋る隙を与えない妹の言葉の矢が刺さる。一言多いところもあるが、意外とちゃんとしているのがこいつのいいところでもある。痛みが9割優しさが1割ってとこだろうか。そんなこんなでとても濃い1日の幕が降りようとしていたが、深夜に糸崎から1通のメッセージが。
『放課後のこと龍太に言ったらどうなるかわかるわよね?』
俺もいうはずがなかったが、確かにあいつに言ったらどうなるかは想像つく。口聞かなくなりそうだし黙っとくか。
そんなわけで1日を終え、俺は翌日まさかあんなことになるとは思っても見なかった。
第三話へ続く
旭野です!少し短かったですが、第二話をお読みいただきありがとうございます!!またまた新しい登場人物が出てきましたね。個人的にキャラ設定は楽しいので今後も何人か登場人物が出てくるかもしれません!
3話はどうなるのか。来週もよろしくお願いします!!




