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第十三話 恋の贈物

夏が来た。蝉も鳴き出し、暑さもやってきた。外にいるとまるでサウナにいるような気分になる。

「暑すぎるだろ。お前は暑くないのか?」

「全然大丈夫!むしろ涼しいくらい。」

「お前嘘バレバレだぞ。」

下館と俺は休みをどう過ごすか決めていた。特に付き合ってもないのになぜこういうことをしているのか。そう、妹の誕生日が近いからだ。

登場人物

淡路涼平あわじりょうへい

高校3年生。恋に無関心な主人公。恋に興味はあるが、恋の概念が分からず長いこと探している。

下館柑理しもだてかんり

高校3年生。涼平に恋心を抱いている。理解し難いことを考えたりしているが、一応優等生なため涼平以外の人には面倒見がいい。

淡路由寿あわじゆず

高校2年生で涼平の妹。恋に厳しく兄である涼平にほとんど毎日課題を出している。ちなみに海外留学経験があるが、英語が苦手。

江津創太ごうつそうた

高校2年生。

ちなみに柑理は俺の妹とも会ったことがあるし、どういう人間なのかは理解している。まあ、その理解した瞬間は俺にとっては思い出したくない出来事だったがな…

「で、由寿が喜びそうなものを送りたいわけなんだけど。」

「いつも思うんだけど、淡路くんって由寿ちゃんと仲良いよね。なんか秘訣とかあるの?」

「そんなもんねぇよ。一方的だ一方的。俺は別に仲良いと思ってないからな。」

「またまたそんなこと言って、本当は色々思ってるんでしょ?」

「うるせぇ、とりあえず考えるぞ。」

由寿の兄貴ながら、欲しいものなど全くわからない。まあ、あいつが海外留学行ってからずっと離れてたから好きなものが変わってるかもしれないしな。だって恋に厳しくなったのその後だから。

「んー…思い浮かばん。」

「今更なんだけど、何で私を呼んでるの?今のとこ出番な…」

「とりあえず静かにしろ。由寿が来る。」

俺は下館の口を封じ、物音を出さないように【隠れた】。何で隠れたかというと、今相談していた空間が由寿の部屋だからだ。

「行ったな?」

「そうみたい。」

「危うく兄としての立場がなくなるところだった。」

「別に隠れる必要なかったんじゃ…」

「いや、ぜっったいにバレたくはない。」

「うわぁ、どれだけ嫌なのかは伝わってきたよ…」

理由は由寿の部屋を見れば何かヒントになるものがあるかもしれないと思った。が、結局ヒントになるものはなかった。

「どうするか、あいつの誕生日今週末なんだよな。」

俺がこんなことを言ってると、下館からある提案が。

「由寿ちゃんの身近な人に聞いてみればいいんじゃないかな?」

「それだな。」

なぜ俺はこの案が思い浮かばなかったのか疑問に思う。

「よし、そしたらまずはあいつだよな。」

相生凌香。由寿と1番仲のいい友人だ。最近は俺とも関係がある。

「由寿の誕生日プレゼントに何が良いかって質問ですよね?」

「俺まだ何も聞いてないんだが、何でわかるんだ。」

「この時期に私に質問に来るって時点でお見通しですよ!」

こいつもこいつで下館同様に俺以外の人にはこんな対応を取らない。

「由寿だったら…」

『……』

「愛が贈り物とか言えば喜ぶかと!」

やっぱこいつもダメだ。

「あのなぁ、冗談どころの話じゃないんですよ相生さん。誕生日まで1週間もないんだよ。」

「正直、私も由寿が好きそうなものが何かまでは分からないんですよね…」

「そうなのか…」

「頼ってもらったのにすみません…あ!1人由寿のことをよく知ってる同級生がいるんですけど…」

「本当か!?」

〜〜〜〜

「この人は由寿の彼氏さんです!」

由寿の彼氏?

「初めまして。江津創太と申します。以後お見知りおきを。」

「ご丁寧にどうも。3年の淡路涼平、由寿の兄だ。いつも妹が世話になっているな。」

江津創太。由寿たちと同じ高校2年生でクラスも同じらしい。

「いえいえ、お世話になってるのはこちらですよ。いつも勉強教えてもらったりしてるので。」

「そうなのか。ところで、由寿が今週末誕生日なんだ。そこで彼氏のお前にあいつが何が好きそうなのかを聞こうと思っててな…」

「ちょうど自分もお兄さん探してて、たまたま相生にお兄さんが用事あるって声かけられたんですよ。それを聞きにきたということは…」

「…そういうことだ。」

マジか、1番あってそうな江津ですら分からない感じか。これはまずいことになったな。

「あれ、そういえば下館は?さっきまで一緒だったんだが。」

「あ、下館先輩だったら由寿のクラスに行きましたよ。クラスの人に聞けばわかるかもって。」

そうだった。由寿は俺とかこの辺の人間以外には本性だしてなかったんだった。てことは…

「ところで、急に変な質問するんだが、妹ってクラスではどんな感じ?」

「そうですね…。とても優しくて頭がいいってイメージですね。」

やっぱり。江津も表の顔しか知らないんだ。糸崎といい由寿といい、彼氏にすら本性バレてないのに何で俺にはすぐ本性が出るのかがとても謎だ。 

「淡路くん!お待たせ!」

噂に特にしてないが、下館が帰ってきた。

「クラスの人たちに聞いたんだけどね…」

下館が俺にとあることを伝え。

「お、それいいんじゃないか?すぐ行こう。」

俺らは誕生日に何を贈るかがまとまった。

〜〜〜〜

誕生日当日。俺は直接渡すわけにもいかないので、こいつのテーブルにこっそりと置く。放課後、

「お兄ちゃん、これ私の為に?」

「ああ、そうだ。たまたま店に行った時にお前が喜ぶかと思ってな。」

「さすが私のお兄ちゃん!ありがとう!」

無事に喜んでくれたみたいだ。めでたしと言いたいんだが、下館は一体何をしたのか。

【短編 下館柑理のデータ収集】

下館柑理、高校3年生。今私は迅速な対応を求められている。なぜかというと淡路くんの依頼だからだ。妹の由寿ちゃんの誕生日プレゼントについて悩んでるみたい。

私は相生ちゃん、淡路くん、由寿の彼氏さんと話してる間に相生ちゃんにこっそり、

(ちょっと由寿ちゃんのクラス行ってくるね。)

(わかりました!)

とコンタクトを取り、由寿ちゃんのクラスへ。

(あ、あれ3年生の下館先輩じゃない。)

(やっぱり人気者のオーラが漂ってるね。)

「このクラスの皆さん!ちょっとお話しさせてください!」

クラスを静まらせ、私は再度口を開く。

「急に変な質問しますがこのクラスで優しい優等生って誰だと思います?」

(優しいって言えば…)

(優等生っていえば…)

((淡路さんだ。))

「思い浮かびましたか?その人に贈り物をしたいんですが、何がいいかを紙に書いてこのボックスに入れて欲しいのです!」

そう言ってクラスの人たちは全員私の言う通り紙に書いてくれた。これが私の特技みたいなところ。

「ありがとうございます!それでは失礼します!」

私は素早くクラスを後にする。その後回答を確認し…

「みんな一緒だ…」

私は淡路くんの元へ。そしてとあるものを伝えた。

「お、それいいんじゃないか?すぐ行こう。」

私の意見が通ったわけではないのになぜか内心嬉しかった。淡路くんの力になれたと言うのが嬉しかったんだきっと。そうして私たちは誕生日プレゼントを買いに行く。何を買ったのかはまたいつか話せる時に。


第十四話へ続く

ゲームに夢中になりすぎてしまい、気づいたら投稿前日に書き上げました旭野です。

私は土日しか書く時間がしっかりと取れないのでかなりスケジュールを詰めてます。その為内容が変だとか誤字とかあるかもしれないのでその点ご迷惑をおかけします。

さて、気づけば第十三話です。もうここまで書いたのかと言う達成感と執筆が続くのかという不安が両方あります。ですが、今後も頑張って執筆していこうと思います。今回の話は新しい登場人物が出てきました!彼は今後も出す予定なのでよろしくお願いします!龍太と糸崎さんがなかなか出てませんがしっかり出しますのでそちらもどうぞよろしくお願いします!!

それでは第十四話でお会いしましょう!!

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