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酒場にて

「とりあえず、これで一応やるべきことは全て終わったのでしょうか?」


「ん、と?ん~……そうだね。後は特に何も無いかな」



 アイシャ下を去ってから2人はペガサス支部の近くにある飲食店に訪れていた。

 数日の間まともにご飯を食べていなかった為、休息ついでに何か食べに行こうという話になったのだ。

 2人がきた飲食店の内装は主に木や赤レンガが使われており、飲食店というよりは酒場と言った方が雰囲気的にはあっているかもしれない。

 客層も若い人よりは筋骨隆々な冒険者や勇者が多くまだ日が明るい時間でありながらかなりの賑わいを見せている。



「ならこれでやっと一息つけるんですね。……ふぅ。改めて色々とありがとうございました。ティルファさんが居なければ今回の依頼はかなり……いや、多分僕は生きて戻ることは出来なかったでしょう。本当にありがとうございました」



 レイはジャルグーン樹海であったことを思いだし、深々とティルファに頭を下げて礼を述べる。



「ううん!そんなこと無いよ!私だってレイ君が居なかったらどうなっていたか分からないし、それこそ私だって死んでいたかも知れない。お礼を言うのは私の方だよ!」



 それに対しティルファもレイに頭を下げる。



「ですが、ティルファさんは本来ならば別に行かなくても良かった筈です。いくらローグさんの為とは言え、命を掛けて戦って守って下さったのですから、ティルファさんが気にすることは何もありませんよ?」


「それを言うなら私だって本来着いて行かなくてもいいところを勝手についていって足手まといになっちゃっただけだよ?最初っから魔物の攻撃で混乱しちゃうし、肝心な所で戦えなくなっちゃったし……」


「そのお陰で僕はこうして生きているんです。ティルファさんのサポートがあってこそのこの命。過程がどうであれそれは大したことではありません」


「それは私の台詞だよ!本当なら経験者の私がしっかりしなくちゃいけないのに真っ先に戦闘不能になっちゃって……。レイ君がそんな足手まといの私を見捨てずにいてくれたからこそ、今の私の命があるんだよ?」


「けれども僕は―――――」


「私だって――――」



 レイとティルファのお互いを尊重しあう口論はそれから暫くの間続いていた。

 途中から声を荒げて話していたせいで会話の内容が筒抜けになってしまい、その内容の凄まじさに店内にいた客の殆どが言葉を失っていた。


 それは当然のことで、いくらこの町が世界連盟勇者斡旋ギルドの支部がある街だとは言え、勇者が何十人もこの町を闊歩(かっぽ)しているわけでない。

 勿論全く居ないというわけでもないが、基本的に勇者はギルドの職員や仲間内以外とは自身が経験したクエストの内容や戦いの話をする事が無い。

 それ故に、勇者の話を間接的にしか聞くことの無い一般の市民や冒険者は自分達とはあまりにも違い過ぎる活躍のレベルに驚きを隠せない。


 因みに、その場にいた人達が驚いた二人の会話を抜粋すると



「高度100m近くはありそうな高さから落下していた時はヤバイなって思ったよ」


「魔物群れが津波のように襲ってきた時は焦りましたよ」


「ジャルグーンベアーのあの魔物を指揮する能力は目を見張る物がありましたね」


K(キング)・イオマンテのあの攻撃、レイ君の未知の侵略者に及ばないしてもあそこまで地形が消し飛ぶとは思わなかったよ。……あの時はレイ君が死んだんじゃないかって凄い怖かった」



 のような感じである。

 後半になるにつれ、内容の凄まじさは強くなっているのだが、一般人からすれば最初の高度100mから落下したの時点で異常に聞こえてしまう。


 この世界には数多くの魔法や能力(スキル)が存在しているとは言え、空中浮遊が可能となる魔法は上級魔法からであるし、そんな高度から落下しても無事な体を持つ者であれば既に勇者となっている。


 同じ勇者である者からしたら、若しくはそれに準ずる力を持つ者からしたら2人が話している内容が当たり前のように聞こえてしまうかもしれないが、なんの力も無い一般人からしたら異常なことに聞こえてしまう。


 それほどまでに、勇者と勇者でない者との差は大きいのだ。



「……キリが無いですね」


「ふふ。だね」


「まぁ何にせよ、今回のことに関しては本当に助かりました。ティルファさんさえ良かったら、これからもよろしくお願いします」



 そうして長く続いた尊重口論の末、先に折れたのはレイの方だった。

 レイはティルファの存在が今回のことも含め、この世界においてとても大切なものである感じたのでこれが最後の関わり合いにならないよう今後もよろしくお願いしますと、ティルファに頼む。



「それは……私の方こそだよ。……ねぇ、レイ君。レイ君がもし、まだどこの複数人編成(パーティ)にも属していなかったら私と複数人編成(パーティ)を組んでくれないかな?」


「え?」



 それに対し、ティルファがレイに答えた言葉はレイがまだ知らないものであった。

ここ最近、時間に追われてしまい今回も少ない文字数での投稿になってしまいました。

本当に申し訳ないです……


重ねて申し訳ないのですが、次回からの投稿が未定になってしまうことをこの場を借りてお知らせします。

なるべく土曜日には投稿するように頑張りますが、私の身の回りが安定するまでは私のわがままに目を瞑って頂けるとありがたいです。


前回の後書きで書きましたように、この物語を途中で放棄するつもりは全くありませんので、更新が遅くなっても見捨てないで頂けると嬉しいです。


少しゴタゴタしてきましたが、これからも

「こちら世界連盟勇者斡旋ギルド!チート勇者を募集中!」

をよろしくお願いします。

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