高身長王子様系女子を『褒め言葉責め』でわからせる(1800字)
【声をかけられて、内心焦っている】
……ん?
や、やぁ……。びっくりしたな。
こんな所で、会うなんて珍しいね。
この『ぬいぐるみ屋さん』には、よく来るのかな?
そうかい。
ボクもこのお店に来たのは初めてなんだけど、
こんな風にばったり出会うなんて、すごい偶然もあるもんだね。
誤解をされたくないから、先に言っておくんだけど、
ボクはこの『ぬいぐるみ屋さん』にプレゼントを買いに来たんだ。
妹へのプレゼントを選んでいただけで、決して自分用ではないからね。
いや、別に、必死に弁解してるつもりはないけど。
だって、ボクみたいな『可愛くない女の子』が、
ぬいぐるみなんて持ってたら変だと思うだろ?
……そんなことない?
いやいや、変な気を遣わなくていいから。
自慢する訳じゃないんだけど、
『クラスの女の子達から王子様扱い』されて、きゃーきゃー言われてるボクの部屋に、
可愛いぬいぐるみが飾ってあったら、おかしいと思うだろ?
例えば、ボクが可愛いパジャマを来て、大きなヌイグルミに抱き付いて、
ほっぺたをヌイグルミにスリスリしてたら、絶対笑うだろ?
……いいと思う? 本当にかい?
たしかに、好きなものを自分の部屋に飾るのは、
何も変なことじゃないとは思うけど……。
そっか……。
ボクが自分で恥ずかしいと思ってただけなのか……。
……ありがとう。
キミのおかげで、ボクも自分に素直になれそうだ。
そうなんだ。
妹のプレゼントを買いに来たのは本当なんだけど、
プレゼントを選んでいる内に、自分用にも欲しくなってさ。
でも、ボクみたいな、女らしくない女子が、
自分用にぬいぐるみを買うなんて、変じゃないかなって思ってしまって。
でも、キミのおかげで勇気が出たよ。
さっそく、このヌイグルミ、向こうのレジで買ってくる。
え? 買ったらダメ?
な、なんで?
なんで、とめるんだい?
さっきは、あんな風にボクを励ましてくれたのに。
あれは、嘘だったの?
やっぱり、ボクみたいな女には、ヌイグルミなんて、似合わないってことかい?
そりゃ、そうだよね。
さっきは、うっかり信じちゃったけど、
ボクが可愛いヌイグルミを持ってるなんて、冷静に考えたら、やっぱり変だよね。
……買ってくれる?
それって、キミがボクに、このヌイグルミをプレゼントしてくれるってこと?
いやいやいや、そんなの悪いよ。
このヌイグルミ、けっこう高いよ?
というか、値段の問題でもなくて、
キミにそこまでしてもらうなんて悪いよ。
ボクからすれば、ヌイグルミを買う勇気をもらえただけで、
感謝しても感謝しきれないぐらいなのに。
ボクが可愛かったから、プレゼントしたくなった??
な、なんて、恥ずかしいことを言うんだ、キミは!!
ボクのことを可愛いなんて!
カッコいいなら、今までに言われたことあったけど。
ボクに可愛いところなんて、1つもないだろ?
え? あっ!
ちょっと! だめだめだめ!
やだやだやだ! やめてよぉ!
こんなにたくさん人がいるお店で!
ボクのどんなところが可愛いか、かぞえないでくれ!
というか、声に出して、かぞえるなっ!
うううう、なんだこれ、なんだこれ。
こんなの羞恥プレイだよ。
ああああ、顔が熱いぃぃ。
あつい、あつい、あつい。耳まで熱い……。
『大丈夫?』なんて聞かないでくれっ!
誰のせいで、こんな風になっちゃったと思ってるんだっ!
でも、もう分かっちゃったんだからなっ!
キミは優しくて、いい人だから、
さっきのは、きっとお世辞で言ったんだろっ!
ボクを元気付けるためにっ!!
でも、お世辞って分かってても、
恥ずかしいものは恥ずかしいんだからなっ!
『お世辞なんかじゃない』って、またそういうこと言う!!
そんな真顔で言うなっ!
あと、こっち見るなっ!見つめるなっ!
ばかっ! ばか!ばか!ばか!ばか!ばか!ばか!
【連呼して、息切れしている感じ】
……はぁ。……はぁ。
……はぁ。……はぁ。
今日のところはボクの負けだ……。
でも、今度会ったら、覚えてろよっ!
キミのこと、絶対に照れさせてやるっ!
しかも、倍返しだからなっ!
じゃあ、また学校でっ!ばいばいっ!




