ボクっ娘天才クールマゾ彼女に別れを切り出したら(2000字)
ねえ、キミ。聞いておくれよ。
ひょっとすると、ボクは天才かもしれない。
世界の真理に気付いてしまったんだ。
分かったんだよ。人類の進化のゴールが。
そう、人類が目指すべき終着地点は、マゾだったんだよ。
おっと、待ってくれ。
呆れるのはまだ早いよ。
昔、イエス・キリストってすごくエライ人がいたでしょ。
その人が言ったんだ。
「右の頬を殴られたら、左の頬を差し出せ」って。
そう!彼はきっとマゾだったのさ!
世界で約23億人が信じている、あのキリスト教の有名人がそんなことを言ってたんだよ。
これはかなり信憑性の高い話だと思わないかい?
それに、何も大昔の話だけじゃないよ。
例えば、プロのアスリートとか、ボディビルダーもそうさ。
自分の体をいじめ抜いた人間こそが、ムキムキマッチョの肉体を手に入れることができる。
つまり、マゾこそが最強という訳さ!
というわけで、ボクのことをいじめてくれるかい!
これは厳しく、そしてツライ修行になるだろう。
だが、ボクは人間として、次のステージにのぼりたいんだ!
優しいキミは、ボクの崇高な目的のために、もちろん協力してくれるよね?
さあ、来い!
パンチでも!ビンタでも!
何でもいいよ!
ボクを好きに痛め付けてくれ!
ヘイ!カモン!
ほらほら、どうしたの!
ボクのトレーニングに協力しておくれよ!
……もぅ。
なんで、やってくれないかなあ。
女の子を叩いたりなんかできないって、
キミの優しいところは確かに美徳だ。
でも、ボク自身が良いって言ってるんだから、
遠慮なく叩いてくれればいいのにぃ。
ノリが悪いよ! ノリが!
分かったよ。ボクの負けだ。
無理やりさせるのも、良くないだろう。
100歩ゆずって、叩いてもらうのは、諦めよう。
代わりに、この洗濯ばさみを、ボクに使ってくれ。
それぐらいなら、キミにだってできるだろ?
使うの意味が分からないだって?
おいおいおい。キミも男だろう?
女の子に洗濯ばさみを使いたいと思ったことぐらい、勿論あるだろ?
怒ったりしないから、キミの挟みたいところを、洗濯ばさみで挟んでおくれよ。
どこでも、好きなところを挟んでくれていいんだよ?
オーソドックスな方でもいいし、かなりドエスな所でもいいよ。
なあに、そんなに心配しなくても大丈夫だって。
これは洗濯用ではない洗濯ばさみだからね。
人体に使っても大丈夫なように、バネはちゃんと弱めてあるから。
ほらほら、遠慮しないで。
女の子に洗濯ばさみを使うなんてチャンス、滅多にないよ?
ほら、好きなところ、挟んでくれたまえ。
も〜。 これもダメなのかい?
分かった。分かった。
ボクの負けだ。
ここは、200歩ゆずろう。
洗濯ばさみも、諦めよう。
代わりに、ロープならどうだい?
ロープで、ボクのことを縛っておくれ。
なんで縛るのも無理なんて言うんだ!
キミは、今までに何も縛ったことがないのか!
新聞とか雑誌を捨てる時は、ロープで縛っていたんだろ?
それなら、縛る対象がボクに代わるだけじゃないのか!
もー。本当にキミはワガママだなぁ。
ボクの崇高な目的に、キミはなぜ非協力的なのか。
どうしてなんだい?
理解できないよ。
あっ…………。
いや……ごめんなさい……。
ははは、どうしたんだい?
そんな急に怒らなくてもいいじゃないか。
ちょっとしたジョークだよ。ジョーク。
別に、本気で、ボクの性癖をキミに押し付けようとしたわけじゃなくて。
え……?
待って、待って、待って。
ごめんなさい。ごめんなさい。
そんな、別れようなんて言わないで。
ほんと、ごめんなさい。
キミって優しいから、お願いしたら、ちょっとぐらいやってくれるかなって……。
キミの優しさに甘えちゃったというか……。
ち、違うよ。
キミが優しいのが悪いんじゃなくて。
ごめんなさい。今のは、ちょっと言い間違えただけで……。
やだ……。やだやだやだやだぁ。
こんなことで別れるなんて言わないでよぅ……。
もうキミを怒らせるようなことしないし、言わないから……。
変態には付き合いきれないなんて、言わないでよぅ……。
たしかに、ボクは……キミにいじめられたいと思ってる変態だけど……。
……はぁ♡ ……はぁ♡
ちゃんと……我慢……できるから……。
……はぁ♡ ……はぁ♡
……え?
あっ、今のは違うの……っ。
変態って言われて喜んでるわけじゃなくて……。
ごめんなさい。ごめんなさい。
そんな風に幻滅した目で見ないで……。
そんな目で見られたら、嬉しくなっちゃうの……♡
ごめんなさい、変態でごめんなさい。
お願い。ボク、何でもするから、別れるなんて言わないで……♡




