日曜日 ~ 安息の日 ~
昨日の一件で、家族会議1歩手前にまで発展しそうになったが、なんとか彗に
弁解してもらい事なき終えていた。
ただ、最後まで俺の言葉を信じて貰えないのは非常に悲しく辛い。
もはやグレてしまってもかまわんのだろう?
そんな事思う程に酷い一日であった。
心なしか、朝ごはんも昨日よりグレードが下がった気がする。
いや気のせいではないだろう。
だって塩おにぎりだけだもん!ふざけんなよマジで!!
一体なんだこれはなんなんだコレは。
もしかしたら精神的苦痛を与えるという一種のイジメではないだろうか。
水曜日から始まり、木、金、そして昨日だ。
もう疑う事は無い。
あいつら曜日ごとに一日づつ来る気だ。
俺の中で確信に変わっていた。
つまりな所今日もまた来るのだろう。
そんな予感がある、というかそんな予感しかない。
ならば、家にいては危険なのではないか?
外に出ていた方が安全ではないか?
思ったら吉日である。
あいつらの居ない場所。
あいつらが来ない場所。
そんな場所に向かうとしようそうしよう。
玄関を颯爽と飛び出した。
軍資金はばっちしである。
俺は―――自由だ!!!
気持ちではアイキャンフライ。
滑走路を離陸し、俺は飛び出つのだ!!!
「おはよう兄ちゃん!待ってたぜ!!」
斎場愁の挨拶と共に不時着した。
「愁くん・・・何でいるのかな・・・?」
「え?だって兄ちゃんが呼んだんじゃないか!昨日彗の奴が呼んでたよって
言ってたぞ!!だから遠いとこ走ってきたのに!」
あれれーこの子の言ってる事おかしくないなー。
確かに言ってるわー昨日言ったわー、自分から出た錆だわー・・・・・。
昨日の話じゃん!何も今日じゃないやん!?
憎いぃ憎いぃい、中学生の懐事情と家庭の事情で分明の利器が持てないこの世
の中が憎ぃいいい。
「で!?何処に遊びに連れってくれるんだ兄ちゃん!!」
途方も無く元気な彼に圧倒された俺は、
「じゃ・・・ボーリングにでも行きますか・・・・」
そんな言葉を知らず知らず言っていた。
そんなこんなでボーリングである。
そう言えば、俺は一度も彼の能力をこの目にした事はなかった。
しかも本日の彼の姿は、学生服ではなくラフな私服スタイルである。
当然の如く、彼はセカンドバックなる物を方から下げていた。
そんなカバンにびくびくしつつも、こんな所で出すわけがないだろう
なんて思ってはいても、彼がカバンから取り出す時などは、妹の時のように
完全防御の姿勢を崩す事はなかった。
「靴は交換づつでいい!?その方が安上がりだしね!!」
なんて悲しい事を言われたので、靴代を出してやる事にすると崇められた。
「っしゃ!兄ちゃん俺から行くぜ!!」
ふ・・・所詮は中学生。
俺の時などボーリングなんて高くて手が出ず、高校になったデビューした際には
散々な・・・、
「よっしゃあストライクっ!!幸先いいや!!」
ふふふ、ビギナーズラックで喜びおって、憂い奴め。おし、9ピンだ。
「ダブルゲットぉお!!」
後輩には花を持たせる他あるまい、オラッ!!9ピンか。
「あ~おっしいい!!でもまぁ!スペアは・・・・貰った!!っしゃぁ!」
・・・・・あ・・あれ・・また9ピンなんやで。
「さっきから兄ちゃん9ピンばっかじゃーん!もしかしてボーリング苦手?」
「よくいった小僧!!!!高校生様の力ぁああ!!見せつけてくれるわぁあ!!」
その後、3ゲーム程したが、プライドをずたずたにされた俺は、
「エアホッケーだろ!男ならエアホッケーだろ!!」
「太鼓の鉄人んん!!太鼓の鉄人ん!!フルコンボだ○ン!!」
「卓球!卓球!!カットカットカットカトオぉおお!!!」
「次はバッティングだおらぁあ!!!130キロくらい打ってみんかい!!」
「ビリヤードっ!ビリヤーーードっ!打つべし!付くべし!落とすべし!!」
「おらぁあ!!次だ次ぃ!俺の家戻るぞ!!!ウイニングイ○ブンでぼっこぼこ
にしてやるわあああ!!!」
「大乱闘!大乱闘!!」
そのまま、対戦ゲームから共闘するゲームの方までやりきり、気づけば、
夕日が沈む時間帯となっており、母親が、どうせならご飯食べていかない?
お家の人に電話してもいいからなんて誘っていた。
「食べてけよ!飯できるまで、またやろうぜ!」
俺もそんな風に誘っていた。
が、
「いいや、流石にそれは悪いよ兄ちゃん!!今日楽しかったしさ!遊んでくれて
ありがとうなっ!!」
と、やはり会った時のように清々しい程の笑顔でそう答えていた。
「また遊んでくれよな兄ちゃん!」
「愁!また来いよ!」
なんとなく名残惜しくもあったが、斎場愁を見送った。
あれ?なんだろう。
普通に楽しい。そんな一日だった。
こんな回があってもいいじゃない。




