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正しい世界の護り方  作者: 龍蓮泉
第1章
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1話-トリップ!

「……どうしたの。いきなり……。」

「………別に、何でもないわ。聞いてみただけ。」


そう言って友人はまた本の世界に戻っていった。いつもと変わらないように見える。けれど、さっきの言葉を言った時の雰囲気は……


「あのさっ。……っ!!」

ドサッ。


何か話さなければいけない衝動に突き動かされたが、その瞬間、1冊の本が落ちてきた。


「なんだろ、この本。」

「どうかした?」


触っていなかったはずなのに、いきなり本が落ちてきた。(ポルターガイストか?遭ったことないけど。)

本を拾おうとして、偶然本が開けられた瞬間……


あたしの意識は途切れた。















「……んぅ…。」


 気がついたら、森の中でした。


「えぇーーーっ!!」


 なんでこんなとこにいるの!!あたし図書館にいたよね!!いつの間にか誘拐された!?

 見知らぬ土地で目覚めたという驚愕の衝撃から抜け出せないでいると、


「……ぅ。」


横から人の声がした。


「ぅわっ!!!?」

「えっ!」


びっくりして横を向くとその人もびっくりしていた。でも、その人の顔を見てあたしは更に驚いた。


「うそ…。」


その人は、遺影の母の顔によく似ていた。






「……か…た…。」

「えっ。なに?」


 小声で言われたため、聞き取れなかった。

 その人は質問に答えることなくさっと立ち上がり、未だに地面に腰をおいたままのあたしに手を差し伸べてくれた。


「なんでもあらへんよ。初めましてやね。まずは名前教えてくれん?」

「名前って…。そんなことよりもここはどこなの!?知ってるの?……っ!」

「ストップ。」


 口の前に指先をかざされ、思わず黙ってしまった。


「深呼吸して。」

「え。」

「ほら深呼吸。」


 スーハー。

 隣で実演され、釣られて深呼吸をする。3回繰り返したところで、


「なに?」

「落ち着いた?」

「落ち着けるわけ無いでしょ!!」

「でも元気出たな。よかった。」


 その人があまりにも自然にふわっと笑ってくれたおかげで、いくらか落ち着いた。


「ここが何処かは私にもわからん。こんなん初めてやしな。でも、物語風に言うと異世界トリップかもよ。」

「そんなわけないでしょっ!!?……そんなの…。」


 実際、現実に起こり得るはずがない。あれは漫画や小説の中だけの作り話であるのだから。


「本当に?」


 そういうと彼女はあたしから離れ、少し歩いた先でチョイチョイとあたしに手招きをした。


「?」


 不思議に思いながらも、彼女に近づいた。彼女の立っている場所は、まだ森から抜け出た所ではないが、そこから森を抜けた草原がよく見えた。


「っ!?」


 そこであたしは目を疑った。


「……あれは、なに?…」

「私たちの世界でわかりやすく表現できる言葉で表すと、天馬(ペガサス)って()うんかなぁ?」

「……。」


 大勢の人たちが戦っていた。その人たちの多くは馬に乗っていたが、天馬に乗っている人もちらほらいた。そして、


「……ありえない。」

「自分の目で認識したものはとりあえず信じてみぃへんか。何なら頬っぺた引っ張ってみる?」


 その人たちは、魔法を使っているとしかいいようのない戦い方をしていた。

 現実を受け入れることができず呆然としていると、


「そういやこの本何やったん?」


 そう尋ねられて初めてその本の存在に気づいた。


「わからない。この本を開いた時に意識が無くなっちゃって…。これが原因なの?」

「その可能性もあるやろけど、まだわからん。」

「あなたは持っていないの?」


 その本は、1冊しかなかった。彼女はその本を拾いしげしげと眺めた。


「私のはないなぁー。」

「じゃあ、その本が原因じゃないのかしら。」


 2人が同じ本を持っているなら、間違いなく本が原因だろうが、彼女が持っていないのであれば別の要因があるのかもしれない。しかし、


「いや、多分これが原因。」

「なんでわかるの?」


 その時、



 グイッ。

「きゃあっ!!」


 火の玉が突っ込んできた。一瞬早くそれに気づいた彼女に腕を引っ張られたために、当たることはなかった。

 愛実にぶつかるはずだった火の玉は、すぐ近くにある木に衝突し、勢いよく燃えた。


「……魔力のこもった火やね。」

「……なんでそんなことわかるのよ…。」

「普通の火だったらここまで燃えないよ。木って意外と水分多く含んでるもんだし。」


 彼女が一瞬、口篭ったことに愛実は気づかなかった。(まだ現実が受け入れられず、周囲に気が回らなかったとも言える。)

 戦っている人々を横目に見て、愛実の中に次第に恐怖が湧き上がってきた。

 (火の玉が飛んできた。流れ弾みたいだったけど、当たったら絶対死んでた。この世界ってなんなの!?あたし死ぬの?)


「…どうしよう。」

「とりあえず、避難しよか。」


 特に変わった様子もなく、彼女は平然としたまま歩き出した。しかし、さり気なく繋いでくれた手のおかげであたしはいくらか落ち着いた。何も言ってこないけれど、これがあたしを守ってくれるのではないかと思えた。そういえば、


「あのっ。あたし、まだ…っ!?」


 あなたの名前聞いてない。

 そう伝えようとしたところで、


「こんな所で何をしている?」


 氷色のの天馬に乗った男の人に話しかけられた。







次こそ名前出します!!

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