30、王都への道程
大幅に修正致しました、それに伴いサブタイトルも変更しています
王都へと向かう一行だが、平和そのものだ
ランギールと王都との行き来は多いのか、道もそれなりに整備されていた
見渡す風景は、草原が永遠と続いており、所々林が点在している
異世界と言われなければ、どこか海外の片田舎に来た感覚だ
そんな平穏な旅路の中、1日、2日、3日と夜営をしつつ順調に進み
4日目、日も落ちかける頃、夜営の準備をしてる中、ライラと4人組が目に付いた
夜営の準備や周囲の警戒など騎士達との持ち回りなのだろう
この夜は担当では無いのか、ライラが4人組に稽古を付けていた
ライラは激を飛ばしながら中々熱のこもった指導をしている
そんな様子を眺めていると後ろから、ソフィア、伯爵、マリーの三人もそれに気付いたのか此方に来る
この王都への道のり、馬車の室内のわざわざ隅で、ソフィアがマリーになにか指導しているのかマリーは真剣な表情でメモを取っていた、戦闘技術か護衛としての技術かなにかなのだろう、指導することは難しい、指導する方に取っても良い成長になる
俺の後ろに付くソフィアに
「あれをどう見る?」
『未熟かと』
「確かにソフィアから見ればそうなのだろう、だがやる気と真っ直ぐな気持ちを師弟ともに感じれる」
「お前もマリーに指導した身だ、お前に対し師事を仰ぐ者が道を違える時、叱咤し違えた道を正してやるのも師と言うものだ、頭の隅にでも入れておけ」
『心得ましたレオン様、しかと胸に刻みます』
「それは尤もだが、難しい事でもあるな、しかし誠に人の道を説く宗教家の方が向いてるのではないか?」
「その道を外れれば師弟共に堕落し腐るだけというだけの話だ、しかしそうだな、その有難い宗教家からお前に教えを与えるなら、その一言余計な所がなければ、お前はとうの昔に夫を持てていただろう」
ぐぬっと顔を引きつらせる伯爵をよそに
「マリーも良く覚えておけ、男とは無駄にプライドの高い者が多い、賢しく己より優秀で、口も立つ女など好む男は少ないとな、もしそうならば、その賢しさで男の好みそうな女を演じると良い」
そんなやり取りをしていると、此方に気付いたのか5人が此方に足を運ぶ
「鍛練か随分身がはいっていたな」
「はい、この子達のやる気に当てられて、つい私も力が入ってしまって、これからもバシバシしごく予定です」
後ろから、うげぇと聞こえるなか
「良い師を持ったな」
「はい! 自慢の師匠っす! 酒癖と喧嘩早いっすけど!」
スパーーンとダンの頭から良い音が響いた
それから食事を済ませ、傭兵の5人も入れ歓談していると、思い出したようにライラが俺に
「そう言えば、以前町を案内した時、最初に案内したあの店が休業してしまったんですよ、味も値段も良くて繁盛してたんですけど」
「従業員の体調不良か?」
「え? そうですけど、何故分かったんですか?」
「馴れぬことを力量以上にこなそうとすれば負担は体に来るものだ」
とその場は終わり、翌朝からまたのどかな道を進み王都を目指す
その日の夜営の時だった、「敵襲ーー!」との声が上がる
設置されたテントから出ると魔物に備え、騎士達と傭兵は、馬を守る者と迎撃に備える者にと別れていた
ランギールの元に行き
「魔物が出たのか?」
「ああ、稀にだが襲ってくる時もある、どうやら犬型魔物、ギールドッグのようだな」
そう伯爵が言うのと同時に無数の「ワォーン」と遠吠えが聞こえる
『始末致しますかレオン様?』
「いや、我々は今回招かれ同行している客だ、仕事を奪う必要はない、それでいいなランギール?」
「ああ、無論だ、それに数が多くしつこい魔物だが弱いのでな」
「だそうだソフィア、お手並み拝見といこう」
『ハッ、かしこまりました』
雄叫びは直ぐに近づいて来て、闇夜に魔物達の無数に光る目が浮かぶと、次々襲って来、交戦状態となる
騎士達は、綺麗な円を伯爵中心に等間隔に組み、襲いくる犬を各自確実に撃退している
それは魔物を倒すではなく、伯爵に近付けない事に終始しているようだ
「なるほど、良く訓練されているな」
「そうであろう?この陣形はな、我がランギール代々つ」
「長くなる説明は必要ないぞランギール」
むっこれからというのにと、もらしている伯爵をよそに、傭兵に目を向ける
こちらは、盾役のベンが先頭に立ち魔物を引き付け、受け止め、隙を付きダンが一気に両断して行く
抜け出た魔物をジョンが弓で仕留め、アリアは各員の補助に、盾役への回復に勤めていた
「なかなかの手際だな」
『はぁ』とソフィアには伝わらないか、ゲーム時ソフィアは俺の補助無しでも薬品を使うよう設定しておけば、全てを一人でこなせていたわけだしな
しかしこの異世界に来て、そういうわけにもいかない、俺とソフィアの連携も今後必要になってくるだろう
個々の力は確かに騎士、傭兵、俺達とは比べるまでも無い差はあるが、連携に関して言えば、俺達は大きく劣っている
餅は餅屋と言うが、さすが集団戦に馴れている、今後の為に参考にさせて貰うか
その中で全体を見て、薄い所を常にカバーしているのはライラだった
二本の剣を器用に使い、足らぬ所をフォローしては、また次へという感じだ、遊撃に全体の視野の広さか
確かに見比べると、ライラの動きは頭一つ抜けているな
全体を見る視野と不足の補助か、多数の料理人がいる店での料理長の動きに近いといえば近いか
俺の得意とする行動だな、ソフィアとの連携には此方を参考する方が良さそうだ
などと考え動きを見ていると、やがて魔物の数は減り、そして残り僅かになると魔物達は撤退していった
撃退を終え一息ついているライラに声をかける
「なかなかの手並みだったな、流石一流と言われるだけはある」
ライラは困った顔をして
「いえ、私などまだまだで、ソフィア様にはあの通りに、、ハハっ」
まぁそりゃそうだ、ステータスが違いすぎるだろうしな
限界の見えないステータスか、そうであるにも関わらず、人のステータスは低い
このままソフィアのステータスが上昇し続けたら肩を叩いただけで潰れるとか無いだろうな?
俺はソフィアの肩に手を置き
「頼むぞソフィア」
『お任せ下さいレオン様』
頼むぞソフィア、俺に軽く触れたつもりが、俺が瀕死になるとか勘弁してくれよ
その後は何事もなく王都へ進んだ
王都へも残り僅かとなった時、ふとライラの言った店を思い出す
地球での調理に関しても同じようなことはあった、転移前の苦い思い出が浮かんでくる
そんな時だ、俺は難しい顔をして俯いていたのだろう
『どこか御加減でも?』と心配そうな顔をしたソフィアが除きこんできていた
あぁ、ゲームの時から異世界にいる今も、俺はずっとソフィアに救われているな
ソフィアは俺に救われたと常々言うが、逆だな
意思を持ったソフィアに俺は何かを返せるんだろうか
「何でもないよ、ありがとうソフィア」
不思議そうな顔をするソフィアを眺めていると王都が見えてきた様だ
まだ何をしてやれるかわからんが、今は彼女の望む主を演じよう、強大で不遜で絶対的な勝者というレオンを




