12、神化トロール
大きく吹き飛ばされ、地面を転がりながら勢いを殺し体制を整える
腕は痺れ鈍い痛みが襲い熱を帯びてくる、両腕の骨が折れたか
「戦闘ストレージ、指定回復薬」
そう口にすると震える手の中に回復薬の瓶が現れる、コンソール操作の他に戦闘ストレージの指定品は音声により即時召喚が可能だ、事前確認がここに来て助けになった
瓶の蓋を歯で開け何とか口に運ぶ、すると腕の痺れや痛みが引き元の感覚へと瞬時に回復する
立ち上がり剣を抜く、その様子を巨大なトロール、ゲームでいうならレアPOPのトロールの神か、直ぐに立つ俺が不愉快なのか、その顔を歪ませている
素早くコンソールを出し直ぐに消す、よしソフィアは無事だ12000あるHPは500しか減っていない
いや一撃でこんなに減らせる敵も稀か
ソフィアが戻るまで、俺が時間を稼ぐしかないか
そう覚悟を決め前へ踏み出した時だった
居住地の中から光の槍が放たれトロールの胸を貫き、ポッカリと大穴があく
「ソフィア!無事か?」
『申し訳ありません、直ちに処理致します』
と平坦な声が帰って来るがその声はどこか怒気をはらんでいる
『魔物の分際で、レオン様の使徒たる私にぃレオン様の前でぇ無様な姿を晒すはめになるとは』
『貴様ぁーーーーーーーーーーーー!』
そう吠えるやいなや、爆発するかのようにトロールに突っ込で行く
トロールの膝を一瞬で切り飛ばすが超再生により切った側から回復し胸にあく大穴もみるみる回復していき、その巨大な腕で先程ソフィアをぶっ飛ばしたように横凪ぎに拳を向ける
『うぉーーーーーーーーーーーーーー!』
という気合いと共にソフィアはその細い腕から小さな拳で迎え撃つ
「ゴリッ、メキョメキョ!」
と音と共に軍配はソフィアに上がる、トロールの拳はひしゃげて潰れ、その肘からはぶつかりあった衝撃で肘から骨がつき出していた
『死ぬがいい!!』
と憤怒の表情で神槍を次々トロールの頭、胸と撃ち込んでいく
穴だらけになり、頭も失ったトロールは膝を付き倒れると思った時、空いた穴も、消えた頭まで瞬時に再生が始まる
それをみたソフィアは『神炎ウリエル』と唱えると、再生の始まった頭上に直径1メートル程の赤紫の火球が現れる
神炎も2から3に上がり以前よりはるかに巨大になった、その火球はトロールの頭から上半身に被さるとトロールを滅却せんと食らい付く
しかし強化された神炎でも、さらに強化された超再生に軍配が上がるようで、トロールはもがきながらも頭を蘇生していっている
此れでは切りがない上、ソフィアも熱くなりすぎている、潮時だな
「ソフィア!こっちへこい!リターンで神殿へ引くぞ」
『レオン様!?しかし!』
「熱くなるなソフィア、面倒にも程がある相手だ、いい勝負など何の利益にも繋がらん」
「レベルかスキルを上げ圧倒出来るようにしてから始末しにくれば良い」
『かしこまりしたレオン様』
「とは言えリターンを使用すると隙が長すぎる、神炎で時間を稼げ、切れていた補助も掛ける」
「チッもう再生が終わるか、行くぞソフィア!アブソルトウイナー!」
すると何時もの様に地上から一振りの光の剣が顕現したのだが、いつもの白い光を放つ剣ではなく赤く光る剣が顕現する
しかもその剣はソフィアの胸に刺さることなく宙に浮いたままだ
どういうわけかは解らんが剣ならば
「スキルアップの影響か?、ソフィア剣を手に取れ!」
ソフィアが赤く光る剣を手に取ると赤い光の粒子となってソフィアを包み、その光の粒子はソフィアの背に収束していく
翼だ、赤い光の翼がソフィアの背に現れる
「グオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーー!」
と再生が完了し怒り狂うトロールに対しソフィアは左手をを向け
『神炎ウリエル!』
スキルレベルが3になったことで直径1メートルの神炎がトロールの頭上に現れる
現れるはずだったのだが、でかい、規模が今までと違う
トロールに頭上に顕現せしは直径10メートルはあろうかという火球、差し詰小さな太陽のようだった
その赤紫の火球は8つに分かれトロールの全体を檻のように囲む
その炎の檻から抜けようと、トロールは腕を檻の外に伸ばすのだが、檻のように囲む炎が腕に巻き付き檻の中に押し込む
「ウォーーーーーーーーグオオオオオオオオオオオオーーーーーーグガァーーーーーー!」
とトロールも必死の抵抗をしようとはしているが、檻はトロールを燃やし滅しながら縮んでいった
もはや超再生などまるで意味をなさなくなっており、雄叫びは悲鳴にかわり、やがて静寂となり
檻はまた球体に戻ると、さらに縮まり消えていった、後に残る物は何もなくトロールは消滅した
「ふー、終わったのか」
「神炎が消えると同時に翼も消失していったが平気か?」
『はい、異常は有りませんが翼とは何のことでしょうか?』
「気付いて無かったのか、あの赤き剣を手にとったあとソフィアの背に赤い光の翼が現れたのだ」
『その様な御力を付与されているとは、目に出来なかった事が残念でなりません』
「状況が状況だ、何時でも見る機会はあるだろう」
「しかしアブソルトウイナーが3になった影響か」
『はい、通常時の神炎とでは、威力も規模も桁違いの上昇です』
「ああ、これも後で検証がいるな、おそらく3になったことで威力増加の効果も付いたのだろう」
『流石はレオン様の御力です』
「今までが消費MPしか減らない地味な魔法だったしな」
『けしてそのようなことは無いかと、転移の影響もありますので』
「まぁ、その件は後回しとして、ふむレベル26か、、」
「つくづく割に合わん敵だったな」
『申し訳ありません、戦闘ストレージのMP回復薬をかなり消費致しました』
「問題無い、今そちらに補充する」
「この世界に来てからの消費はHP回復薬は消費2本に対してMP回復薬は200弱か、まだ800はあるが、補充したいが期待できそうにないな」
『魔法の使用頻度を落としますか?』
「いや、当面は気にするな残200までは出し惜しみは無しだ、そこまでにはレベルも上がり1本に対する魔法の燃費も解消されるだろうしな」
「可能なら補充はしたいがな」
「さて、集落も調べたい所だが、夜が空けるまで仮眠と休息を取るか」
『この集落で御休みなさいますか?』
「ふっ、無いとは思うが寝てる間にまたあのデカブツがリポップして襲われたらかなわんぞ?」
『確かにそうですね』
としばし二人で笑い合う
「近くの適当な場所で休息をとるとしよう」
『はいレオン様』
丁度空には雲がかかり星が隠れ辺りは暗闇に包まれる中、ソフィアを引き連れ集落の入り口を丁度出た時だった
「ヒューーーーーーーー!」
と何かが風を切り裂く音が聞こえ、突如目の前に緑の光を纏った矢が俺の眼前に現れ額を射抜いた




