11、トロール殲滅戦
1時間ほど後を追っていくと、周りの木々が人為的に斬り倒された物が増えて行く
切り口はずさんだが、明らかに刃物を使い斬り倒してある
金属ではなく鋭利にした石か何かで力任せに斬り倒したと言ったところか
更に進むと大きく開けた地が見えてくる、照明代わりなのか大きな松明が幾つか立て掛けており、その近くに2体のトロールが見える
奥には木を斬り倒し丸太のまま重ね合わせ家の様な物も幾つも確認出来る
やはり集落を形成しているのか、ゲーム時はゴブリン、オーク、サハギンなどがおり集落を形成し一定数の戦力が整うと町を襲うイベントなどはあったが
この魔物の集落にはボスの王と言われる個体が必ずいて、倒すと中々に経験値がうまい
それに集落の壊滅を繰り返していると、王が進化した神の名称が付く強力な個体が極希にPOPし強さは普段と比較にならない強さなのだが、討伐成功時に高レアリティーのアイテムがドロップしていた
此処まで来て神殿に戻るには惜しいが、無理そうなら札で戻ればいいだけで、この機会を逃す手はないな
「ソフィア、見張りと合流したところでまとめて始末しろ、無理そうなら札で神殿に戻るが、この地での初の獣人タイプの魔物だ、逃す手は無い可能な限り殲滅するぞ」
『ハッ畏まりました、合流直後に神槍を放ちます、以後は集落に切り込み随時殲滅で宜しいですか?』
「それでかまわん、ただしボスがいたらボスを優先させろ、ボスの中には部下強化のパッシブを持つものも多いからな」
見張り役と逃がしたトロールが合流したところに、無慈悲に神槍が放なたれ3体は光に呑まれ消滅する
それと同時にソフィアが集落に向かい飛びだす、俺もその後に続き後を追う
ソフィアは次々と神槍を丸太で造られた居住スペースと思われる物に打ち込んで行く
「残MPに注意しろ!余裕を持って回復しておけ、薬品の消費は気にするな!」
神槍の光と騒ぎに気付いたトロールが各所の居住スペースから大量に出てきており、集落内は悲鳴や鳴き声の中、大混乱になっていた
俺もパニックに陥っているトロールを次々に切り伏せていく
ソフィアの方も神槍、神炎を惜しみ無く使い、討ち漏らしは剣によって両断していっている
しかし弱い、弱すぎる、ゲーム時の魔物拠点に類似してるかと思ったが、どうやら違うのか
もしくは、此方が強すぎるのか、あるいはその両方か
その時、奥の方から「グォガァーーーーーーーー!」と強烈な雄叫びが集落全体に響き渡る
すると奥から現れたのは、他のトロールより一回りはでかい体長3メールほどで他のトロールとはヤや肌の色もどす黒いトロールが、石で出来た斧のような物をもち進み出てきた
「ソフィア!ソイツがボスだろう、先に叩け!」
矢の様に飛び出したソフィアはボスの前に立ち塞がるトロール立ちを切り捨てたながら、瞬く間にボスの足元に辿り着く
ボスは石斧を振り上げ両断せんとするのに対し、ソフィアは下から切り上げる
斧と剣が交わり、本来ならその質量や重さから押し潰されるだろうが、「カシューッ」と石斧を切り裂きその丸太の様に右腕ごと切り裂いた
しかし半分ほど切り裂いた腕の傷がみるみる塞がり再生していく
ボスは切り裂かれた石斧を気にもせずソフィアに対して降り下ろす、それを流れる様にかわし膝を一閃するソフィア
しかしその一太刀も浅く、直ぐにまた再生をしていく
俺もフォローに回りたいが、パニックに陥っていたトロール達がボスの雄叫びによって統制を取り戻し、その処理に追われている
自己再生の特化型のボスか、動きは遅いようだが両断できないということは油分が多く切って行くと同時に刃の腹に油分が糊のように張り付き両断する前に再生をさせているのだろう
前に話したバターは切りにくいの理由でもある
ではどうすれば切りやすくなるか、刃を熱し高温にして溶かし切ることで刃に油分が張り付か無くなり簡単に切れるのだが、現状のソフィアの剣では相性は悪い
「ソフィア!剣では切りがない魔法主体で片付けろ!」
それを聞くとソフィアは大きく後ろに飛び距離を開けると左手を前に出す
ボスの頭上に赤紫の炎が現れるとボスの頭に被さりその頭を覆い燃やしつくす
「ゴウァォォォーーーーーーー!」
と悲鳴を上げもがき苦しみ朽ちると思われたが、燃やされながら再生を繰り返している
その頭部を食い付くそうする炎と超再生との壮絶な綱引き状態だ
その綱引き状態が拮抗していると見るとソフィアは光の槍を顕現させその手に持ち炎が覆う頭部目掛け槍を投擲する
光の槍が頭部を通過すると、その頭部を覆う炎ごとポッカリと消滅させる
頭部を失ったボスは、腕をバタつかせ消失した頭部を触ろうともがいた後、そのまま大の字に地に倒れた
ボスを失った後のトロール達はまた大混乱に陥り、俺とソフィアで残党を1体残らず殲滅した
集落に立つのは俺とソフィアの二人、死骸の数と消滅させた物をいれるとおよそ300体程度と言うところか
「面倒な敵ではあったが思ったより数も少なく弱かったな、ソフィア何か異常や問題はあるか?」
『レオン様と私ならば当然の結果です、問題では有りませんが今の戦いで神炎魔法が3に上がりました』
「見事な戦いだった、神炎魔法はまた次の機会にでも試すか」
俺もコンソールでステータスを確認する
「これだけ倒したにも関わらずレベル21か労力と使用した薬品を考えると割に合わん敵だな」
「アブソルトウイナーの効果もそろそろ切れるか、一様かけ直しておくか、んっどうやら俺の方も3に上がっていたらしい」
『おめでとうございますレオン様』
「ああ、ありが、、ん?」
そこで俺は周りに違和感を覚え、周りをよく確認する
「ソフィア、討伐したトロール達がまだ飛散していない」
ソフィアも周りを確認すると
『確かにまだ飛散していませんね、ですが遭遇したトロール達は飛散していましたし魔物では無いということは無いと思いますが』
「確かにそうだな」
すると示し会わすかのようにトロール達の死骸が黒い霧状に飛散していく
俺の考え過ぎだったのかと、飛散していく霧を眺める
本来黒い霧は直ぐに光の粒子になるのだが、およそ300体分の霧は黒い霧のままひとつに集まり、俺とソフィアの後方へ流れていく
俺はその霧を目で追いソフィアの後方に顔を向けた
「ソフィアーッ!後ろだ!」
「ドゴッ!」「ドガーーーーン!!」
と黒い霧を纏う巨大な腕に横凪ぎにされ吹き飛びトロールの居住地の中へ吹き飛されるソフィア
その黒い霧がソフィアを吹き飛ばした何かに吸い込まれ纏う霧が晴れ巨大な何かの全貌が見える
先程ソフィアが燃やし頭を吹き飛ばしたトロールのボスか
3メートル程だった体長は6メートルほどに膨れ上がり、青黒かった肌はさらに黒が深くなり青いトゲのような刺青が全身を駆け巡り、さながら青い血管の全てが表面に浮き出たように見える
さらに禿げ上がった頭には一本の角が生え、2つだった目は4つに増えていた
その姿が露になると4つの目は俺を目視し赤く光る
「グオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
と巨大な雄叫びを上げ、その巨大な拳を俺に打ち出してくる
「チッ、クソが!」
雄叫びにより出遅れた俺は剣を抜き放つ事が出来ず咄嗟に両腕を前へクロスする
「ゴッ、メキメキメキッ!」
と嫌な音を立て俺は後方に10メートルは吹き飛ばされていた




