表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミルクロード  作者: 森野祐子
3/9

ハレー男

太陽が高くなり熱いくらいの日差しが、僕と、延々と続くアスファルトの道路を照らしている。バックパックを背負う背中に、うっすらと汗がにじみ出てくるようだ。今朝早く家を出た時は寒いくらいだったのに、さっきの富士山の見えるパーキングエリアで休んだ後は、もう寒さを感じることはなくなっていた。ゴールデンウィークの高速道路は、予想していた通りそこを走る車の数が多くなり、朝のまだ暗い時のようにスピードを上げて走ることはできなくなった。それでも僕の旅は順調に進んでいるようだった。

僕の視線の先に、僕を追い抜いて行ったバイクが走っている。僕を追い抜いたのはずいぶん前のことだったけれど、それからずっと僕はこのバイクの少し後ろを走っていた。知らない人が見たら、僕たちは一緒にここを走る仲間だと思われているかもしれない。それくらい、ずっとそのバイクは僕の視界の中にいた。僕はあまりバイクに詳しい方ではないけれど、ひと目でハーレーだと分かるそのバイクには、上下そろいの黒革のウエアを着た男が乗っていた。バイクのナンバーを見ると、僕と同じ東京から走ってきたようだった。この高速の道を走っている車やバイクはいろいろな場所からここへ集まり、それぞれの目的地を目指して進んでいる。これまで、家族連れの車やグループで走っているバイクをうらやましく思っていた僕は、僕と同じように一人で走っているそのハーレーに親近感を覚えた。僕の前を走るハーレーは僕を追い抜いた後、スピードを変えずに一定のペースで走っているようだった。僕も、走り始めてから最初のうちはついスピードを上げ過ぎてしまうこともあったけれど、今は同じようなスピードでここまで走ってきた。ハーレーは次のサービスエリアを示す標識が見えると、左にウィンカーを出してそこへ向かう車線へ入って行った。さっき富士山の見える場所で休憩をとってから二時間以上走り続けていた僕も、次のサービスエリアで休憩をしようと決めていた。ここで休憩すれば、ハーレーにそのまま付いて行くようで少しためらったけれど、もう僕もつかれてしまっていた。僕の前を走っていたハーレーの後ろを、まるで導かれるようにそのままサービスエリアへと進んで行った。

まだ午前中だったけれど、パーキングエリアの駐車場にはたくさんの車と人の姿があった。僕はバイクを停める場所を探してあたりを見回した。バイクの集団が停まるその端の方に、さっきのハーレーがあった。僕は、そのまま引きつけられるようにハーレーから少し離れた場所にバイクを停めることにした。ハーレーには、おなかの出た中年の男が乗っていた。男はヘルメットを脱ぎ、タオルでごしごしと音がしそうな勢いで顔や頭にきらきらと光っている汗をタオルで拭っていた。僕もヘルメットを脱いでバイクから降りると、汗ばんだ背中からバックパックを下した。緩やかに吹いている風が背中の汗を乾かしてくれるようだった。長い時間ハンドルを握りしめていたので、腕の筋肉がさっきの休憩のときと同じように強張っていて、手にも汗をかいていた。僕は汗で湿った両手にはめたグローブと格闘をしていた。

「兄ちゃん、東京から一人で来たんか?」

急に男の声がした。でも、僕に声を掛けているとは思わなかった。

「なぁ、兄ちゃん?」

もう一度声がして、足元に黒いブーツがみえた。それで、初めて僕に声を掛けているのだと気づいて顔を上げると、ハーレーに乗っていた男が僕のバイクの横に立っていた。黒い革のジャケットが、全体的に丸みを帯びた身体にぴったりと密着していて、でっぷりと出たお腹が窮屈そうに見える。首に赤いバンダナを巻き、少し髪が薄くなっている広い額には、さっき拭ったはずの汗がまたきらきらと光っている。バイクや身につけているものは、どれも、できたての新品のようだった。僕はいろんな種類のバイクがある中で、ハーレーはかっこいいと思っていたし、映画のイージーライダーに憧れたこともあった。でも、僕はいかにもと感じる革のウエアやブーツはあんまり好きになれなかった。だいたい日本人の僕にはあまり似合わないと思っていたし、恥ずかしいような気がしていた。でも、僕の隣に立っている中年の男は、そういったものがなんだか似合っているように思った。それに、広い額の下にある小さな目で微笑みながら僕に話しかける彼、悪い人のように思えなかった。そして何より僕がうれしかったのは、高速でこのハーレー男の後ろを走っていた僕に気が付いていたことだった。

「ああ、はい…、東京から走っています」

僕は急に声をかけられ、戸惑ったようにそう答えた。

「俺も東京や。朝のまだ暗い時間に出て来たんや、三時やった。車が多なる前に出なアカン思うてな。兄ちゃんは、どこまで行くんか?」

僕と同じ東京から来た、ハーレー男の話す言葉が関西弁なのが気になった。

「ええと、九州の…、鹿児島まで」

「ほー、それはまた、端っこまでえらい遠いな。今日じゅうに着けるか?俺は四国の松山や、夕方までには着きたいと思とるけどもう疲れてしもうてな、ちょっと休憩せんと、体が持たん」

ああ、だから関西弁なのか。でも四国も関西弁を話すのか僕にはよく分からなかった。僕は四国までならあと半分くらいだと思ったので、このペースなら夕方までに四国へ着くことができると思う、とハーレー男に言った。

「なぁ兄ちゃん、昼飯食うたか?まだやろ?」

ハーレー男は人懐っこい、強引な感じで僕にそう聞いた。僕は朝から何も食べていなかったのを思い出して、急にお腹がすいたように感じた。それまで僕は慣れない高速を走るのに緊張していて、食事どころではなかったのだ。僕はハーレー男と一緒に昼食を食べることにした。

サービスエリアの建物の中も、外の駐車場と同じようにゴールデンウィークに出掛ける人たちでいっぱいだった。ハーレー男と僕はたくさんあるお店の中からすぐに座ることができる所を探して、待ち時間が少なくて済む蕎麦屋に入ることに決めた。僕は蕎麦屋の小さなテーブルにハーレー男と向かい合って座った。ハーレー男は、ざるそばと小さなカツ丼のセットを、僕はざるそばを頼んだ。僕は、お腹はすいていたけれどそれまで何も食べていなかったので、胃に負担をかけないものがいいと思った。

「兄ちゃん、暑いし、のども渇いたし、なんかビールが飲みたい気分になるな」

ハーレー男は、悪さをたくらむ子供のようにニヤッと笑いながらそう言った。僕もハーレー男と同じ気持ちだった。僕たちの前には、温かいほうじ茶の入った湯のみが二つ並んでいた。

「駄目ですよ。僕たちは高速でバイクに乗っているから、飲酒運転になりますよ。僕はまだ死にたくはないし、ほかの誰かを巻き込むのも嫌です」

僕はそんな子供のように笑っているハーレー男に言った。ハーレー男は、彼の冗談にまじめに答える僕を見て笑った。

「まだ名前聞いてなかったな。俺は高野や」

「田辺です。あの、高野さん、さっきから気になるのですけど、四国も関西弁なんですか?」

「いや、いや俺は大阪におったから、関西弁覚えてしもうて、そのあと東京に5年もおったけど関西弁のままや。四国はまた言葉ちいと違うけどな」

これを聞いた僕は、高野と言う関西弁を話す東京で仕事をしている男が、今日ハーレーに乗り松山に向かっていると頭の中で整理をした。そして、そばが運ばれて来たので二人は黙々それを食べた。僕の今日初めての食事になるそのざるそばはとても美味しかった。そして体は、僕が思っていた以上にエネルギーを欲していたのだろう、ざるそばだけでは少し物足りなく感じた。ハーレー男は気持ちのいい音を立てながらざるそばを食べ終えると、カツ丼を勢いよく食べ始めていた。そして、それを食べながら、

「俺な、五年も東京に一人でおったんや。いわゆる単身赴任ちゅうやつや。そんで、やっと六十になって定年退職してな、今日、松山に帰るとこや。東京行く前は大阪に十年おったから、十五年ぶりに地元に戻れて、俺うれしゅうてな」

ハーレー男はカツ丼を持つ手を左右に大きく揺らしながらそう言った。

「定年退職、おめでとうございます。還暦で、ハーレーに乗って東京から四国まで走るなんてすごいですね。でも、還暦には全然見えませんよ」

僕はハーレー男のことを、まだ五十代になったばかりくらいに思っていたので本心からそう言った。ハーレー男が六十歳と言わなければ周囲の人はそうは思わないだろう。髪は薄くなっているけれど、よく笑う彼はやんちゃな子供のようだった。

「俺な、五年前東京に転勤決まった時、そらがっかりしてな。大阪に十年も一人でおったからもう松山に戻れると思とった。でもな、あと五年我慢すれば定年やったから、あきらめた。毎年な、あと四年、あと三年って数えとった。そんであと一年になったときな、松山に戻ったら何やろかって。そしたら、松山にいるうちの嫁さんが、まだ若かった頃にバイク乗っとるカップルを見て、うらやましいって言っとったのを思い出して。俺がバイクの免許取って嫁さんバイクに乗せよ、思て。退職した次の週から教習所に行って、四月にやっと免許取れたんや。だいたいバイク買うにしても、何買ってええんか分からんから、教習所通とる時に、若い兄ちゃんやセンセにいろいろ聞いて、おじさんが乗るならハーレーがええ言われて、アレ買うたんや。かっこええと思わんか?俺、結構気に入っとる。そんで、バイク乗る練習もして、引越しの準備とかしとったら、もう五月や。ゴールデンウィークは車多いから嫌や思とったら、マンションの契約四月いっぱいにしとったから、仕方なしこんな車多い時に高速走るはめになってしもうて…」

ハーレー男はかつ丼を食べながらもすごい速さで話しをした。ハーレー男はおしゃべりなのだろう。だから一人で昼飯を食べたくなくて、たまたま後ろを付いて来ていた僕に声をかけたのかもしれないと思った。

「免許取りたてで、新品のハーレーで松山まで走るってすごい勇気ですね。僕も昔、バイクに乗っていたけど、十年以上ずっと乗ってなくて。また乗り始めてまだ一カ月くらいなので、まだ結構怖いですよ」

「ああ、怖い、怖い。特にでっかいトラックが横走りよる時なんか、引きよせられるし、トンネルの中はもっと怖い」

だから僕と同じようなペースで走っていたのかもしれないと思った。

「そう、そう。僕も同じですよ」

ハーレー男は僕なんかよりずっと、怖い思いをしたのかもしれないと思った。

「じゃあ、松山で待っている奥さん、今ごろは高野さんのことを心配しているでしょうね。事故に遭ってないか、とか」

「それがな、嫁さんにはまだ言うてない。免許を取ったことも、バイクを買ったことも。それに、今日帰ることは知っとるけど、飛行機で帰ってくる思とる。バイクで帰ることは知らん。もし、そんなこと言うたら絶対反対するからな」

僕はこれを聞いて、「ああ、このハーレー男はやっぱり子供のようだ」と思った。

「奥さん、あなたが東京からハーレーで帰って来たって知ったらびっくりするでしょうね?」

誰だってそんなのびっくりするだろうと思う。びっくりするどころか…、

「まさか、¬¬奥さん怒ったりしないでしょうね?ハーレーに乗る、高野さんを見て」

「ああ…うん、それや。俺もずっと、それを考えとった」

ハーレー男は急におとなしくなってしまった。僕は、やっぱりと思ってしまった。

「だから、はよう帰りたいけど、何かな、気が重うてな。だから、ゆっくり走っている兄ちゃんに合わせて俺もゆっくり走っとった。そんで、ちょっと休も思うたら兄ちゃんも付いて来てな、こらゆっくり昼飯でも食おうと思うてな」

ハーレー男はニヤッと笑った。どうやら僕は、このハーレー男の時間稼ぎに利用されているようだった。

「なぁ、兄ちゃん…いいや、田辺君。このバイク初心者の俺に付きおうて、しばらくの間でえぇから、俺と一緒に走らへんか?」

僕の行く先は、まだはるか遠くだったので、あまり嬉しくない誘いだった。でも、僕はその時、還暦を迎えた、赤いバンダナを首に巻いてなれないバイクで走っているハーレー男の誘いを断ってしまうのが、とても悪いことのような気がした。それに、ハーレー男は四国へ行くのだからそんなに長い時間だとは思わなかった。

「四国は、どこから行くのですか?」

「神戸から淡路島通るか、岡山の倉敷からも行ける。あと、広島から橋を渡って行くちゅう手もある。どっからでも行けるで」

ハーレー男は四国へどこか向かうかまだ決めていないようだった。僕は、もう仕方がないと思った。このハーレー男の誘いを断るのは難しいことのようだった。

「じゃあ、途中まで一緒に走りましょう」

僕は、しぶしぶハーレー男にそう返事をしてしまった。


「ああ、天気がええなぁ。いいドライブ日和や。なぁ、兄ちゃん」

僕が途中まで一緒に行くことになって、ハーレー男はまた元気を取り戻したようだった。僕たちは、知り合う前に走っていた時のように、ハーレー男が前を走り、その後ろを僕が追いかけるようにして南へ向かって走った。僕がバイクに再び乗り始めるようになってから僕の周りにバイクに乗っている人はいなかったので、いつも一人で走ることしかなかった。誰かと一緒に走るのはまた違う楽しさがあった。僕が気持ちいいと思うことや、楽しいと思うことを相手もたぶん同じように感じているのかもしれないと思うとうれしくなった。初めはハーレーに乗るヘンなおじさんに引っかかってしまったって思ったけど、僕ひとりだったこの旅に少しだけ色が付いたような感じだった。

時々、ハーレー男がスピードを緩めて僕に並び、おどけて笑ったり何か叫んだりしていた。それはとてもうれしそうで、見た目は十分おじさんなのに、まるで子供のようにはしゃいでいた。ハーレー男のおどけるほど楽しい気分は、僕にも同じだった。


ハーレー男と僕は四国への分岐点のある倉敷に着く手前のサービスエリアで休憩した。ここもゴールデンウィークの連休をどこかへ出かける人でいっぱいだった。僕たちは自動販売機でペットボトルに入った冷たいお茶を買い、その場で「ああ、うまい」と言いながら飲みほした。気温の高い中、長時間の運転で僕らは喉がカラカラだった。それから座って休む場を探していると、入り口にある売店でソフトクリームを売っていた。

「なぁ、兄ちゃん。ソフトクリーム食べへんか?俺、甘いのが大好きでな」

ハーレー男はもう、財布の中から小銭を取り出していた。本当は、僕も甘いもが好きだった。でも、こんなバイクに乗った大人が二人して、並んでソフトクリームを食べているのは恥ずかしい気がした。

「僕はいいですよ。高野さんどうぞ買ってきてください。僕はあそこのベンチで休んでいますから」

僕は、たった今空いたばかりのベンチを指差しながら言った。僕は、ゆっくりとベンチに腰を下した。バイクに乗る時は風が強く当たるので、家を出る時からずっとアウトドアジャケットを着ていたけれど、僕はさすがに暑いと思ってジャケットを脱いだ。中に 着ていたシャツは汗で湿っていた。走り始めてもう八時間以上、さすがに疲れがピークになっていた。僕よりずっと年上のハーレー男は、それ以上に疲れているだろう。それなのに、ハーレー男はうれしそうにソフトクリームを買うために、子供や女の子たちに混じってその列に並んでいる。そして、ハーレー男は嬉しそうにソフトクリームを両手に持って、僕の座っているベンチに向かって歩いて来た。

「はい、こうてきたで」

ハーレー男は真っ白なソフトクリームを僕に渡した。

「僕はいらないって言ったじゃないですか。こんなの、高野さんと二人で食べていたらおかしいですよ」

でもハーレー男は、必死でそれを断る僕に向かってソフトクリームを押しつけながら、

「えぇやないか、一人食べても、うまくないし。疲れた時は、あまいもん食べると元気になる。さあ、はよ食べんと溶けてしまうで」

すでに下の方が溶けかかっている。

「じゃあ、いただきます」

僕は仕方なくハーレー男の片方の手に持っていたソフトクリームを受け取り、あきらめて食べることにした。それは、ハーレー男の言ったように、疲れた僕の体に甘く広がった。それでも、すごく恥ずかしい気持ちの方が大きくて、美味しさを味わって食べるというより、少しでも早く、誰にも見られないように食べてしまいたかった。


「なぁ、兄ちゃんは四国に行ったことあるか?」

ハーレー男が遠くを見ながら言った。僕らはすでにソフトクリームを食べ終えていた。

「行ったことありますよ。僕が大学生の時に旅行しました。たしか、愛媛と高知、四国を半分だけまわったかな?」

太陽がまぶしくて、座っているだけでもうっすらと汗をかきそうだった。なんだか、また冷たいものを飲みたくなった。

「なら、もちろん松山には行ったか?」

「行きましたよ。四国から帰る最後の日に。大分から愛媛までフェリーで渡って、それからずっと海沿いを走って高知まで行って。そして四万十川に沿うように愛媛に行って」

もう十年以上、それより前のことだった。

「そうか、四国に来たことあるか。なあ、松山はどこに行った?道後温泉には入ったか?高松城は見たか?」

ハーレー男は僕が松山に行ったことがあると知り、興奮して次々に僕に質問した。

「道後温泉は行きましたよ。一番安いお風呂でしたけど。たしか、夏目漱石の坊ちゃんの名前の付いた風呂とかあって、建物も風呂場も雰囲気があったのを覚えています。そのあと高松城に行ったけど夕方になって、ケーブルカーの運転は終わってしまっていたので、上まで登ることができなくて。次の日にまた行こうと思っていたけど、結局行けなかった」

「そりゃ、残念や。でもあれな、ケーブルカーに乗らんでも歩いていける。結構きついけどな、知らんかったんか…」

ハーレー男は自分のことのように残念がっていた。

「歩いて行けたなんて、知らなかったですよ」

もし、歩いてお城まで行けると知っていたら、その日に僕はそこまで歩いて坂道を登り、何を見たのだろうか?

しばらくハーレー男も僕も黙ったままそこに座っていた。ハーレー男は何か考え事をしているようだったので、僕は、ゆっくりとここにいるたくさんの人を眺め、木陰の涼しい風を感じて上を向いて目をつぶった。

「なぁ、田辺君。鹿児島まで急いで行かなあかんのか?」

急に、ハーレー男がそう僕に聞いた。僕は閉じていた目を開け、ハーレー男の方を向くと、ハーレー男はまじめな顔をしていた。

「僕の休みはあと三日しかなくて。今日のうちに鹿児島まで行って、明日と明後日をあっちで過ごしたら、また東京に戻らないと仕事がありますから」

「そうか…」

ハーレー男はなんだか寂しそうに言った。

「そんなら、前に四国に来た時みたいにフェリーで九州まで行ってみたらどうや?俺と一緒に四国まで来てみんか?松山城も見せたいしな。それに今日な、俺の嫁さんがうどん作ってまっとる、旨いで。だからそれな、兄ちゃんに食べさせとうて。こんなおじさんとバイクで一緒に走ってくれたお礼や」

「それなら、お礼はさっきのソフトクリームでいいですよ。それに、僕も楽しかったし」ハーレー男と走るのは楽しかった。でも僕は、できることならすぐにでも鹿児島へ向かって走り出したかった。

「少し遠回りになるだけや。うどん食べて、明日、朝はようフェリー乗れば、九州にすぐに着く」

ハーレー男は簡単なことのように言った。たぶん、ハーレー男は一人で家に帰るのが嫌なのだ。奥さんにバイクのことで怒られるのが怖いのだろう。

「嫌ですよ。高野さん、ほんとは奥さんに怒られるのが怖いから一人で帰るのが嫌なだけでしょう?」

「田村君は頭ええな、俺のことようわかっとる。やっぱ、ここまでいっしょにバイクで走った仲間や」

僕は黙っていた。ハーレー男と走るのは楽しかったけれど、彼の家に行くほど親しくはなかったし、僕の目的地はハーレー男のそれよりずっと遠くにあったので、遠回りなんてしたくはなかった。

「そうかそうか、田辺君は俺を見捨てるか?まあ、鹿児島まで行くんやしな、仕方ないな」

ハーレー男がうつむいたまま、黙っている僕に開き直ったように言った。でも僕は、そんなハーレー男がなんだかかわいそうに見えてきた。本当のことを言えば、僕も四国に行ってみたいと思っていた。十年以上昔に、一度だけ訪れたことのあるあの大きな島に。

「ああもう、仕方ないですね!今から、高野さんと一緒に松山の家まで行ってあげますよ。でも、家に送るだけですよ。後は知りませんからね、奥さんには自分でちゃんと説明してくださいよ」

つい、僕はそう言ってしまった。うつむいていたハーレー男はパッと頭をあげた。その顔はぐちゃぐちゃな、満面の笑顔だった。

「ほんまか?ほんまにええんか?松山まで俺と一緒に行ってくれるか?」

ハーレー男が僕の両手を握りしめていた。大の男が並んでソフトクリームを食べて、今度は手を握り合っていて、周りから僕たちはどんなふうに見えるのだろう?ちょっと、恥ずかしくなった。

僕は、こんなに喜んでいるハーレー男を見ていると、僕が四国へ行くことはいいことなのかもしれないと思った。


僕とハーレーは、さっきまでと同じように二台並んで走り出した。今度は僕がハーレー男の前を走った。ハーレー男は時々左右に大きく揺れながらバイクを走らせたりおどけて前の車に乗る子供に手を振ったりしていた。僕はそんなハーレー男が事後を起こしたりしないかハラハラのしどうしだった。ハーレー男は上機嫌だった。


僕は四国へ向かう高速を走りながら何度も、なんでハーレー男について松山へ行くなんて言ってしまったのかと思っていた。自分で決めたことなのに、なんだかいけないことをしているようだった。始まりは、僕がハーレー男のバイクについて行ってしまったことだった。そして、ハーレー男の魅力に引き込まれ、四国という地に僕が反応してしまったのだ。もともと僕は、人に頼まれごとをしたら断ることができない気の弱さがある。もしハーレー男の誘いを断って、そのまままっすぐ鹿児島へ向かうと言っていたとしても、結局、僕は今と同じようにハーレー男と一緒にこの道を走っていたことだろう。



僕が初めて四国へ行ったのは、大学の三年になる年の春休みだった。その時に付き合っていた僕と同じ大学に通っていた恋人と行った、初めての旅行だった。サークルの合宿に行く大学の先輩が、その二週間のあいだ使わないというぼろぼろの愛車を僕に貸してくれることになった。「どれだけぶつけてもいいよ」と先輩は言った。それで、僕は彼女を「どこか遠くに旅行に行こう」と誘った。彼女は僕のその提案に喜んで賛成してくれた。彼女と僕は、旅行の行き先についてどこにしようかと相談をしていた。

「四国に四万十川っていう川があるって、なんか面白そうよね。私、四万十川を見てみたいな」

僕は彼女が学生の頃、地理の授業で四万十川を教わらなかったのだろうかと思ったりもした。でも、僕も四万十川を見てみたいと思った。僕たちはさっそく四国の大きな地図を買いに行き、旅行の計画を立てた。

僕らは、三月の終わりのまだ寒さの残る暗い早朝に、僕たちが住んでいた大学のある街を出発した。僕と彼女は、先輩に借りたおんぼろの車に寝袋と着替えやなんかをたくさん積んで、運転は僕が担当した。彼女は助手席に座り、CDを入れ替え、地図を見る役目だった。でも、彼女は地図をうまく読むことができなかった。地図を、横や上下にひっくり返し、曲がるところを僕に教えてくれたけれど、気づいたら全く別の方向にいることがあった。僕らはそんなちょっとした間違いも、どちらが悪いと言い合うことはなかった。それよりも、そんなちょっとした失敗が僕らには楽しい出来事だった。

彼女と僕が乗った車は、海岸沿いを北の方へ向かって進んでいた。海岸沿いの岬で灯台に登り、目の前に広がる太平洋を見た。僕たちは海の近くの街に住んでいたけれど、そこから見える海とは全く違っていた。広い海がずっとそこにあった。それ以外には空しか見えなかった。

僕たちはずっと海沿いの道を走りながら、途中にある観光名所に寄り道をした。

「だって、とっても珍しいものが見れたのに、なんて後から分かっても悲しいでしょう?私、なんでも見てみたい」

そんなわけで、僕と彼女の旅行は、なかなか先に進むことができなかった。それでも夕方には、四国へ向かうフェリーが出る港へ辿り着くことができた。僕と彼女と、僕たちのぼろぼろの車が乗るフェリーは、思っていたのより小さくて古い船だった。出港してすぐにデッキに出ると、ずっと向こうの方に僕らが目指す大きな島が見えた。遠い場所と思っていたら、意外と近いところにあることに、僕らはびっくりした。

「すごい、すごい。海の上にいるよ、私達」

彼女は船に乗っているあいだ、ずっとそう言っていた。彼女が生まれ育った所は海から遠く離れた、山に囲まれた町だと言った。だから、海をこんなに近くに見ることができるのはすごいことだって。彼女は四国の港に着くまでずっと海を見続けていた。僕も初めは楽しかったけれどすぐに飽きてしまって、ベンチに座って居眠りをしていた。

フェリーが着いた港は、海の中に細長く海岸が突き出したところにあった。夜が近づき、辺りは薄暗くなりかけていた。僕らは泊るところを決めていなかったので、近くの町へ行ってみることにした。そこへ向かう途中、海沿いの山の木々の間から白い鉄の柱がいくつも空に向かって突き出ていた。そして、その先端には大きな3枚の翼が回っていた。細長く海に突き出たこの半島の山の斜面に、海に向かっていくつもの風力発電の風車が並んでいるのだった。彼女と僕は風車を見るのは初めてだった。薄暗くなった空の中に、白い大きな翼がゆっくりと回っていた。僕らはまるで巨人の国に迷い込んでしまったみたいな、そんな気分だった。


彼女と僕は、風車の並んだ岬の先にある小さな町でその夜を過ごすことにした。僕らはどこかに泊まるだけのお金は持っていなかったので、町の中にどこか車を停めることができるところを探した。僕たちは小さな町の中をめぐってみた。小さな古い商店街と、そこから横に伸びたアーケードが見えた。僕らは商店街のある通りの先に小さな公園を見つけた。その公園は、ブランコと滑り台、砂場しかない簡単なものだったけれど、ちゃんと車を停めるスペースはあったし、水道やトイレもあった。彼女と僕はそこに車を停めて、車の中で一夜を過ごすことに決めた。彼女は公園の中にあるものを、一つひとつ点検するように見て回った。ブランコは大人が乗っても大丈夫だったし、水道もトイレもちゃんと使うことができた。彼女はその公園を「すごく気にいった」と言った。

「子供の頃は、こんな公園が憧れだったの。だって、私が子供の頃に遊んだ場所は、田んぼとか川とか、山の中ばっかりだったもん。テレビに出てくる都会の公園は、ブランコとか滑り台があってうらやましかったなあ」

僕もこの小さな公園が気に入ったし、彼女が楽しそうにしていたので安心した。

僕らは、その公園に車を停めたままにして、さっきの小さな商店街まで夕食を食べに出掛けた。商店街にあるお店のほとんどはシャッターが下りてしまっていた。そこから横に伸びるアーケードには、まだ開いているお店がたくさんあった。僕たちはその通りを端から順に見て回り小さな感じのよい洋食屋に入った。海辺の町にあるその洋食屋には、魚を使ったメニューがたくさんあった。僕は魚のフライを、彼女はあまり魚が好きではでなかったのでオムライスを注文した。夕食が運ばれてくるまで、僕たちは今日の旅行のことを話した。

「あーあ、あのモヤイ像の先のサボテンがたくさん生えていた公園にあった、サボテンステーキ食べてみればよかったね。私、サボテンが食べられるなんて知らなかった。せっかくのチャンスだったのにね」

彼女は思い残すことがないようにと、欲張っていろいろな所を回ったのに、それでもやっぱりやり残したことがあったようだった。

「たぶん、アロエみたいな感じだよ。アロエの入ったヨーグルトとかあるでしょ。またいつか行けるかもしれないし」

僕もサボテンなんて食べたことなかった。でも、僕はそれを食べてみたいとは思わなかった。

「ねえ、今日は四国に来ることが目的だったのに、いろんなところに行けてすごく楽しかったね。私達にしてはすごいことよ」

彼女は、小さな目をいっぱいに大きくして言った。僕は彼女に、何がそんなにすごいのか聞いてみた。

「だって、私とあなたって、なんでも自分達で決められないでしょう?あなたは、自分からこうしたいって言わないし。今日は二人でいろんなこと決めて、こんな遠くまで来ることができたでしょ」

僕もその意見には賛成だった。僕と彼女はどちらかと言えば優柔不断な性格で、思いつきのおおざっぱな計画を立てて、行きあたりばったりの目的を果たせないままのことだっていっぱいあった。でも今日は四国まで来ることができたわけだし、たぶん明日は四万十川まで行けるだろうと思った。

僕らが話に夢中になっていたとき、頼んでいた僕らの夕食が運ばれてきた。その夕食には、二人とも大満足だった。僕の魚のフライは、食べてみると新鮮なもので作られているのが分かったし、手作りのタルタルソースも美味しかった。彼女はオムライスも美味しいけれど、それ以上に大盛りのサラダと、まっかな甘いトマトが美味しいと言った。お腹がいっぱいになると彼女と僕は、またアーケードの中を端からずっと歩いてまわった。春休みだからか、そこには僕らのような、たくさんの若者たちの姿があった。僕たちはしばらくそこを見て回ったけど、すぐに何もすることがなくなってしまったので公園に戻ることにした。

僕らが公園のある方へアーケードから角を曲がり、古い家が立ち並ぶ細い路地を歩いていると、前の方からタオルを頭に巻いて石鹸やシャンプーの入ったプラスチックのかごを下げたおばさんが歩いて来た。僕らは風呂に入るため温泉を探さなければならなかったので、ちょうどいい所でこのおばさんに出会うことができてラッキーだと思った。

「あの、この辺に温泉はありますか?」

人見知りをする彼女は、ちょっと恥ずかしそうに声をかけた。おばさんは、こんなお風呂あがりの格好をしているのに知らない若者に声をかけられて迷惑だわ、と思ったのかもしれない。何も答えてくれなかった。風呂上がりのおばさんの目はびっくりしたように大きくなって、口は閉じたまま顔の前で手をブンブンと振った。そして、目を僕らから逸らすようにして、最後には顔を左右に振った。彼女がもう一度その何も答えないおばさんに向かって聞いた。

「近くにお風呂に入れるところはないですか?」

また、そのおばさんは顔の前で手を左右に振り、黙って僕たちの脇を通り抜けて逃げるように行ってしまった。彼女は僕の方を向いて小さな声でいった。

「ねえ、あの人怖かったね。一言もしゃべらなかったよ。教えてくれたっていいのにね」彼女はあのおばさんが何も教えてくれなかったことが不満そうだった。そして、とても面白いことがあったね、と僕に言っているような目をしていた。

「きっと僕たちが変な風に見えたんだよ。だから何にも話してくれなかったのかもしれないね。僕だって、風呂上がりに急に知らない人に声をかけられたら、誰だってびっくりするよ」

「でも、あのおばさんはやっぱりお風呂上がりだったよね?ぜったいお風呂の場所知っているはずなのに、なんで教えてくれないの?」

そして彼女は僕の前に立ってニヤッと笑って言った。

「こうしたのは、どういう意味かな?」

彼女はさっきのおばさんと同じように、顔の前で手を左右に黙って振って見せた。彼女はおかしそうに笑いながら、さっきのおばさんの真似を続けていた。

「だから、温泉なんてないってことだよ」

彼女がいつまでも続けるので僕もおかしくなって笑った。

彼女と僕は、さっきおばさんが歩いてきた方へ手をつないで歩いて行った。少し歩くと長い煙突がある古い銭湯を見つけた。建物の壁に赤いペンキの剥げかかっただるまの絵が描いてあった。そして、「だるま湯」と書いてある看板が入口の上にあった。

「やっぱり温泉あるじゃない。あのおばさん何で教えてくれなかったのかな?」

彼女はまた不機嫌そうに言った。

「さっきのおばさんにとっては、僕らに教えたくないほどいい銭湯ってことだよ」

僕らはその場所を確認すると、公園に置いてある車まで着替えを取りに戻った。そして、急いで銭湯へ戻る途中に彼女はうれしそうに言った。

「よかったね、温泉があって。日本はいいね、どこに行っても温泉あるし。泊まるところがなくてもお風呂にはちゃんと入れるから」

「ねえ、残念だけどさっきのだるま湯は温泉じゃなくて、銭湯だよ」

彼女は、そう説明する僕の方を見て不思議そうだった。

「え、銭湯って、温泉と違うの?」

「銭湯は普通の水を温めたものだよ。家のお風呂の大きくなったのだよ。温泉の成分は含まれてないの」

彼女が育った町は温泉地として有名な所だったので、銭湯のことは分からないと言った。

だるま湯の建物の中も、外観と同じように一昔前から時が止まってしまっているような世界だった。脱衣所には、古い木のロッカーや竹の籠、今ではあまり見かけない古い形のマッサージ機やなんかが置いてあった。風呂場には痩せたおじいさんと、小太りの六十台くらいの男と、僕の三人だけしかいなかった。浴場は水色と白の小さなタイルが貼ってあって、壁には海岸と松の林の景色が描いてあった。女湯との境は天井の部分が空いていて、僕がいる男湯には女湯のにぎやかな声が聞こえてきた。僕は頭と体を軽く洗ったあと、三つに分かれている浴槽の一番広い湯船につかった。蛇口から水が出しっぱなしになっていたけれど、それでも熱いくらいだった。僕が我慢してしばらくお湯につかっていると、一日の長い運転の疲れが僕の体の中からお湯の中に流れ出すような感覚がした。


彼女と約束した時間にだるま湯の玄関に出ると、彼女もちょうど女湯の入り口から出て来るところだった。

「ああ、すっきりした。すごく気持ちよかったね」

風呂上がりで彼女の頬は赤くなっていた。そして、彼女の髪からは外の冷たい空気に湯気が上がっているのが見えた。彼女は瓶に入ったコーヒー牛乳を僕にくれた。銭湯の入り口の古い冷蔵庫にぎっしりと詰まっていた牛乳の瓶を見て、僕も飲みたいと思っていた。でも、外は寒いからと思い買うのをためらって出てきたのだけれど、彼女も僕と同じようにこれを見つけて、牛乳じゃなくコーヒー牛乳を2本買ってきたそうだ。僕たち二人はその瓶に入ったコーヒー牛乳を飲みながら、今夜過ごすことに決めていた公園に歩いて帰った。彼女と冷たい空を見上げながら、ちょっと甘すぎの冷たいコーヒー牛乳を飲んでいると、もう今日の疲れはなくなってしまっていた。


彼女と僕は、公園に停めた車の中でそれぞれの寝袋にくるまって眠った。3月の終りの夜はまだ真冬のように寒かった。真っ暗な車の中で、僕らは持っていた洋服を何枚も重ね、タオルを首のまわりに巻いてみても、それでも彼女は「寒い、寒い」と言っていた。車の窓から真っ暗な空に星がたくさん見えた。目をつぶっても、瞼の裏の真っ暗な闇に白いツブツブが残っているくらいの星空だった。寒いと体を震わせていたのに、彼女は僕より先に眠ってしまった。こんな寒い車の中で彼女はなんだか幸せそうな顔をして眠っていた。

彼女はとても人見知りで、いつも自分が安心できる所から離れることがあまり好きではなかった。そして、ちょっとしたことでも彼女にとっては億劫なことに感じてしまうのだった。だから、今日のように知らない場所で道に迷い、海の向こうのこんな遠く町に来て、車の中で眠るなんてことは、彼女にとってはかなりきついことだったと思う。それでも、彼女はそれをとても楽しんでいるようだった。彼女は僕と一緒にいる時は安心できると言った。そして、僕も彼女と一緒にいると素直に自分の気持ちを口にすることができた。彼女と僕は二人でやっと一人分になれるような、足りないものを二人でお互いに補っているような感じだった。

僕もいつの間にか眠ってしまっていた。そして、あまりに寒かったので途中で一度目が覚めてしまった。時間は分からなかったけれどたぶん朝に近いような気がした。車の窓から見える空がうっすらと白くなりかけていた。彼女と僕は、お互いの頬をくっつけ合うようにして眠っていた。僕は彼女を抱き締めたかったけれど、寒くて寝袋の中から手を出すことはできなかった。僕はそのまま彼女に僕の頬をギュッと押しつけ、くっついたままでまた眠った。彼女と知らない町に来て、こんな近くにいることができることがうれしかった。僕は彼女のことが好きだった。そして、それは彼女も同じだったと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ