第3話 上へ
「二手に分かれます」
湊を背負子へ固定し、その引き手を須貝へ差し出しても、相手は眉ひとつ動かさなかった。
代わりに、深く重いため息を夜気へ吐き出した。
「言い出すと思っとったわ」
「弟の保温が先です。須貝さんの《火伏せ》があれば、下りの烏天狗も問題なくやり過ごせる」
俺は、頭上の闇へ消えていく急斜面を見上げた。
「俺は兄を追います」
「本隊を待つ手もあるぞ」
「本隊はまだここに着いていません。道の組み替えに足を取られて、上がるまでに時間を食う」
手元の機械式時計の針を確認した。
「兄がここを発ってから、もう三時間近く経っています。夜の裏山で、この時間差は――」
「……分かっとる」
須貝は背負子の帯を自分の肩へ通しながら、横目で鋭く俺を射抜いた。
「人を担いで下ろすのは、本来はお前の領分だろうが」
「夜の変わり道を無事に誘導して下ろすのは、先達の領分でしょう」
「口だけは一人前に減らず口を叩くようになりやがって」
それで話はついた。
須貝は腰の雑嚢から米の小袋を三つ抜き取ると、俺の腰袋へ乱暴に押し込み、太い人差し指を一本突きつけてきた。
「一つだけ言っとくぞ。夜明けまでに戻らんかったら、わしは本隊を引き連れて力ずくで上がり直す」
突きつけられた指が、そのまま俺の胸元を指した。
「それまで余計な真似はするな。探して、見つけて、引っ立てて下りる。それ以外のことは一切考えるな」
「それ以外って、何をする気だと思ってるんですか」
「お前が毎回、無意識にやっとることだよ」
言い返そうとしたが、須貝はすでに背中の少年の重心を確かめ、歩き出す体勢に入っていた。
背負子の上から、湊の冷え切った手が伸びてきて、俺の袖口をぎゅっと掴んだ。
薬と湯で温もりは戻り始めていたが、指先の強張りはまだ解けていない。その震える指が、胸元の油紙の札入れを外そうと紐をもたつかせていた。
「これ……持ってってよ。兄ちゃんの、最後の札だから」
「要らない」
湊の手がぴたりと止まった。
俺はその札入れを、湊の胸元へ強く押し戻した。
「それは兄ちゃんがお前に残したもんだ。お前が持ってろ」
見開かれた湊の目をまっすぐに見据えて、言った。
「本人に、直接返させる」
口にした瞬間、奥歯の裏で舌打ちしたくなった。
救助の現場で、遭難者に約束をするな。
この仕事を請け負い始めたとき、最初に耳にタコができるほど叩き込まれた鉄則だった。約束を口にすれば、それを守るために引き返す判断が狂う。退くべき危険な場所で、退けなくなる。
だから遭難者には状況と段取りだけを淡々と伝えろと、須貝にも口酸っぱく言われていたはずだった。
いま言ったのは、どう取り繕っても約束そのものだった。
湊は息を呑み、やがて背負子の上で顔を伏せ、声を押し殺して泣き始めた。泣く声には、さっきより力があった。
「湊、関まで下りたら温かい湯をたらふく飲め。それから婆さんの飴を全部食っていい」
返事はなかったが、背負子を揺らす嗚咽の隙間に、かすかに鼻をすする笑いが混じった。それで十分だ。
須貝が背負子を軽く揺すり、腰の位置へ荷重を乗せる。歩荷の目から見ても申し分のない背負い方だった。とても五十を過ぎた男の足腰とは思えない。丈が二千を越えた人間の強靭さは、こういう咄嗟の荷扱いにこそ露骨に出る。
「上と下で、合図の手段は」
「無い。山内無線は、わしとお前で一台ずつ持っとるだけだ」
須貝は即答した。
「お前の一台は持っていけ。だが、この先は中継器の外だ。わしが下で本隊を拾っても、お前とは繋がらん。上で何かあっても、お前が足で戻るしかない」
須貝は振り返らず、顎で登り道の先をしゃくった。
「だから無茶をするなと言っとる。――行け」
俺は踵を返し、闇の斜面へ足を踏み出した。
◆
一人になると、夜の裏山は途端に音の数を増やした。
二人で歩いている間は互いの足音が重なり、衣擦れの気配が耳の半分を塞いでくれる。
だが単独行の足音は薄く、地面を捉える自分の靴音の隙間から、杉の梢が擦れ合うかすかなざわめきや、遠くの沢が泡立つ湿った響きまでが容赦なく耳へ流れ込んでくる。
背後の闇で何かが土を踏みしめる音がしても、すべてただの野獣の足音だと思い込むことにした。そう割り切らなければ、歩幅が自然と縮んでしまう。
別れてから三つ目の辻で、俺は須貝に渡された米の小袋をひとつ取り出し、地面へ置いた。見よう見まねで、短く頭を下げる。
「道を借ります」
形になっているのかは分からない。山が律儀な客を覚えてくれるとしても、俺のこの所作をどう受け止めるかは山の勝手だ。こちらにできるのは、米を置いて筋を通すところまでだった。
組み替えられた道は、執拗に登り勾配ばかりを突きつけてくる。
ただ、進む方角自体は、頭上で赤橙色に明滅する火袋の位置から大きく外れてはいなかった。夜の裏高尾は道を勝手に組み替えるが、まったく無軌道に出鱈目な迷路を作るわけではないらしい。
目的地そのものを隠すのではなく、そこへ至る時間を際限なく奪い取る。
いま、何よりも惜しいものを削りに来ている。
現在地は、音の反響と足裏の感覚で割り出した。右手の谷底から響く沢の音は、水量の太さと響き方からして、昼間に飛び石で渡った沢の上流部だ。爪先が拾う傾斜の角度も、頭の中の等高線と一致している。
目の前に敷かれた踏み跡は信用できないが、山が刻んでいる谷と尾根の骨組みまでは変わっていない。
頭の中にある裏高尾の地形図へ、夜の道筋を一本ずつ引き直していく。
そうやって歩数を数えながら進むうちに、もうひとつの違和感に気づいた。
登り道が、わずかずつだが、確実に火袋の方角から右へ逸れ始めている。
偶然の線形かもしれない。まだ決めつけるには材料が足りない。俺はその違和感を頭の隅に留めたまま、歩調を緩めずに先を急いだ。
杉の若枝が、ちょうど大人の腰の高さでぽきりと折れていた。
足を止め、額のヘッドライトの光を寄せる。折れ口の繊維は白く瑞々しく、まだ水分を失って乾いていない。
数歩進んだ先にもう一本、さらにその先にもう一本。
山道に沿って、まったく同じ腰の高さで折られた枝が続いていた。
枝折りだ。
木の枝を折り曲げて道標にする、古い時代の山歩きの知恵だった。もちろん、現代の入山講習などで教えるような技術ではない。山岳小説で読んだのか、それとも誰か古い登山者から聞きかじったのか。
どちらにせよ、そこから読み取れる事実はひとつしかなかった。
あの兄は、必ず弟の元へ戻るつもりだったのだ。
夜の道がどれほど姿を変えようと、迷わずに弟の待つ岩陰へ引き返せるよう、急ぎ足の中でも律儀に枝を折り続けていた。
朝の関で、先達がいると平然と嘘をついた男だ。規則を都合よく踏みにじる軽薄さと、弟を生きて連れ帰るために目印を刻み続ける執念が、同じ一人の若者の中に同居している。
「……戻る気だけは、ちゃんとあったわけだ」
暗闇に向かって独りごち、俺は歩幅を一段階広げた。
背後の右斜面で、ガサリと落ち葉を踏む音がした。
歩調を変えずに、頭の中で歩数を数える。三歩。こちらの速度にぴたりと合わせ、一定の間合いを保ったまま背後についてきている。
送り犬だ。
獲物の後ろを死角からつけ回し、足を取られて転倒した瞬間に喉笛へ食らいつく。
八年間、この山肌を踏み抜いてきた足だ。この程度の傾斜で、素人みたいに転びはしない。
痺れを切らした一頭が、右の茂みから濡れた鼻先を突き出してきた。
額のヘッドライトを犬へ向け、腰の鞘から山の素材で打たれた小刀を抜き放つ。大振りはせず、手首のスナップだけで横一文字に払った。
手応えもなく、犬の輪郭が黒い霧となって弾け散った。湿った小枝を払ったのと変わらない感触だった。
残る二頭の気配が、杉の巨木の陰へさっと引いていくのが分かった。
深追いはしない。追えば時間を浪費するし、せっかく一定に保っている呼吸のリズムが崩れる。
二千の丈を持つ体にとって、送り犬など路傍の小石と変わらない。本当に厄介な相手は、このさらに上にいる。
◆
大人の背中に背負われて下る山道は、昼間に自分の足で登った道とは何もかもが違っていた。
まず、視界が左右に大きく揺れる。
須貝という先達の歩き方は、上下への跳ね返りがほとんどない代わりに、体重の移動に合わせて左右へ規則正しい振り子のように揺れていた。その一定のリズムのせいで、湊は自分が激しい眠気に呑まれかけていることに気づいた。
「寝るなよ」
背中越しに、低く乾いた声が飛んできた。
「……起きてます」
「口が動いとるうちはええ。返事が途切れたら、容赦なく太腿を抓るからな」
湊は痛む足首をかばいながら、暗い斜面の上方を振り返った。
そこには、沢渡というあの担ぎ屋の提げる明かりがあるはずだった。だが、木々の闇が深すぎて、光の欠片ひとつ見えない。
「あの人……一人で、大丈夫なんですか」
「大丈夫なわけがあるか」
須貝は足元から目を離さずに、吐き捨てるように言った。
「夜の裏山をたった一人で登っていくなんぞ、正気の沙汰じゃありゃせんわ」
段差をひとつ慎重に下り、そのまま言葉を続ける。
「大丈夫じゃないと百も承知で引き受けるのが、あいつの仕事だ」
「……おれのせいだ」
口をついて出た自分の声の震えに、湊自身が驚いていた。喉の奥にずっと引っかかっていた熱い塊が、勝手に言葉になって溢れ出す。
「おれが、石を踏んで転んだりしなきゃ……兄ちゃんは明かりを探しに行ったりしなかった」
湊は須貝の分厚い背中に、額を押し当てた。
「朝の関のところでも、おれがついて行きたいなんて言わなきゃ、兄ちゃんは嘘をつかずに済んだのに」
須貝の足取りは、まったく乱れなかった。一定の速度で土を踏みしめながら、わずかな沈黙のあとに声が返ってきた。
「そうかもしれんな」
気休めの慰めが返ってくると思っていた湊は、息を詰まらせて言葉を失った。
「だがな、それはあんたの兄貴が自分で選んで決めたことだ」
須貝は次の段差へ、迷いなく泥まみれの登山靴を置いた。
「あんたが浮き石を踏んだのは単なる事故だ。だが、兄貴が弟を置いて上へ登っていったのは、あいつ自身の判断だ。山じゃな、事故と判断はまったく別の生き物なんだよ」
「同じだよ、そんなの……!」
「あんたにとっては、全部ごちゃ混ぜにして同じにしとく方が楽なだけだ」
須貝は前方の暗闇を見据えたまま、淡々と言い放った。
「全部おれのせいだ、と頭を抱えときゃ、それ以上深く考えずに済む。自分を責めてりゃ格好がつくからな。だがそうやって思考を止めるやつは、山へ戻ればまた寸分違わず同じ間違いをやらかすんだよ」
須貝は背中の湊を、ぐっと一度持ち上げて位置を直した。
「ほら、口が動いたな。その調子で喋り続けろ」
湊は、自分がまんまと口を割らされたことに気づいた。
悔しかったが、不思議と腹は立たなかった。喉の奥で呼吸を塞いでいた重苦しい塊が、わずかに軽くなっていた。
重なる杉の木立の向こう、遥か下方から、小さく温かい光の粒が見え始めていた。
関の明かりだ。
湊は胸元の油紙の札入れを、痛む指先で強く握りしめた。
中には、封の切られていない白い札が一枚入っている。
兄ちゃんが命がけで残していった、必ず生きて返さなければならない札だった。
◆
木々が激しく鳴り響いたのは、七合目の尾根に差し掛かったあたりだった。
一本ではない。
左手の切り立った斜面、その頭上から順番に、太い枝を薙ぎ払うような連続音が下りてくる。
今夜二度目だ。聞き間違えようがない。
烏天狗の若い群れが三羽。夜遊びに夢中になっている連中だ。
いまの俺は単独行で、額には白いヘッドライトを点けている。動く光は、連中の目には格好の獲物に映る。
動かない闇は、ただの岩と同じ。
須貝のしゃがれた声が脳裏をよぎった瞬間には、俺の手はすでに動いていた。
ヘッドライトを額から外し、光量を上げて道脇の岩の窪みへねじ込む。囮として使うなら、光は強い方がいい。
俺はそこから五歩離れた巨大な倒木の根元へ滑り込み、湿った泥の上に膝をついて体を丸めた。
完全な静止。
頭上で風が激しく爆ぜた。
一羽が岩の窪みの光をかすめるように低空で旋回し、二羽目がそれに続く。羽ばたきの音は一切ない。ただ、巨大な質量が空気を押し潰す重苦しい圧迫感だけが、頭上をぐるぐると旋回する。
三羽はヘッドライトの周囲を二周した。
一番大きな一羽が岩の隙間を覗き込むように高度を下げたが、やがて興味を失ったように翼を引いた。
光は微動だにしない。動かない光は、連中にとって狩るべき獲物ではないのだ。
三羽が再び上空の闇へ舞い戻ると、木々のざわめきが下から上へと遠ざかり、やがて完全に消え去った。
俺は肺の底から息を吐き出し、腕時計の文字盤を見た。
針は零時を回っていた。歩数で数えれば、まだ八合目の手前のはずだった。
七分間を失った。だが、明かりから身を離した手は通った。俺も、帰りに要るヘッドライトも無傷で残っている。
連中がこの光の場所を学習するかどうかは分からないし、同じ手が二度通用する保証もない。岩の窪みからヘッドライトを回収して額へ戻し、赤色の弱い灯りへ落として、俺は再び登り道へ復帰した。
枝折りは、もはや目ではなく、手のひらの感触だけで探した。
腰の高さにある、折られた若枝の白い繊維。指先でその断面をひとつずつ確かめながら進めば、明かりを掲げる必要はない。速度は落ちるが、空から叩き落とされるよりは遥かにましだった。
雲の切れ間から月が顔を出し、濡れた山肌をかすかに青白く照らし出した。十一月の頼りない月明かりだが、完全な暗黒に比べれば十分に足場を拾える。
一人になって二度目の木鳴りは、七合目の標識を越えて間もなくやってきた。
今度は、ヘッドライトを囮として設置する時間的猶予すらなかった。
俺はスイッチを押してヘッドライトを消し、手近な岩の割れ目へ無理やり体を押し込み、両膝を抱え込んで完全にひとつの岩塊に成りすました。
頭上で空気が激しく引き裂かれ、冷たい突風が頬をかすめて抜けていく。
近い。
さっきよりも、遥かに距離が近い。
羽音のない巨大な気配が二度、すぐ頭上を旋回し、やがて斜面の上方へと消えていった。
灯りを戻す前に、もう一度頭上の音を確かめた。連中はこの標高まで執拗についてきている。
若い烏天狗の縄張りにしても、標高が高すぎる。
何かが、この上で連中を強く引きつけているのだ。
三年前の山が、ふと頭をよぎった。
俺は赤色灯を最小限に点け直し、枝折りの列へと戻った。
◆
八合目が近づくにつれ、枝折りの様子が明らかに乱れ始めていた。
最初に狂ったのは、木々の間隔だった。
それまで同じくらいの間隔で刻まれていた目印が、極端に詰まったかと思えば、何十歩もぽっかりと空白が空く。
次に変わったのは、枝を折る高さだった。
大人の腰の高さに揃えられていたはずの折れ口が、胸の高さへ跳ね上がり、やがて背伸びをしなければ届かない頭上の枝へ移っていく。
手当たり次第に、なりふり構わず枝をへし折っている。
何かから必死に逃げている。
だが、それでも折ること自体はやめていない。
「……何に追われてるんだ」
呟いてから、俺は自分の言葉の違和感に気づいた。
枝折りというのは、下で待つ弟の元へ無事に引き返すための道しるべだったはずだ。
その目印が、なぜ上へ向かって乱れ飛んでいるのか。
八合目の手前で、唐突に尾根の視界が開けた。
吹きさらしの地面に降りた霜が、月明かりを浴びて青白く光っている。
柔らかい黒土の斜面だ。ここなら、踏みしめた足跡がそのまま残る。
今夜初めて、山がこちらの捜索に確かな手掛かりを寄越してくれた。
俺は屈み込み、ヘッドライトの光を地面へ落とした。
スニーカーの靴底の溝が、くっきりと残っていた。靴跡は大人の男の大きさだった。兄の足跡だろう。
足取りは乱れていない。慌てて駆け出した形跡もなく、むしろ、不気味なほど歩幅が揃い、速度を落としているように見える。
足跡の縁の土はまだ崩れておらず、薄く降りた霜を綺麗に踏み抜いていた。崩れるほど時間は経っていない。
一時間。
いや、もっと近い。十分に追いつける距離だ。
だが、その靴跡のすぐ隣に、もう一組の足跡が寄り添うように並んでいた。
人間の裸足に似ていたが、到底人間の足ではなかった。
異常に細長く、指の関節が異様なほど長い。爪先だけが土の奥深くへ鋭く食い込み、踵の沈み込みがほとんど存在しない。
人間の足の形をよく知らない何者かが、見よう見まねで人の足を真似て作ったような、歪な痕跡だった。
二組の足跡の周囲に、争ったような痕跡は一切なかった。
足をもつれさせた乱れも、無理やり引きずられた跡もない。
二つの影はぴったりと肩を並べ、寸分違わぬ歩幅を保ちながら、同じ方角へと歩を進めていた。
兄は、まだ自分の足で歩いているようだ。
本来なら、救助者にとってこれ以上ない朗報のはずだった。
だが、その足跡の向かう先を見て、俺の背筋に冷たいものが走った。
二組の足跡は、火袋のある方角とはまったく逆の尾根へ向かって伸びていた。
俺は顔を上げた。
木立の遥か向こう、六合目の出張所の屋根の上で、火袋の赤い標識灯が小さく明滅しているのが見えていた。
あそこには温かい火があり、夜番の人間がいて、救助を呼ぶ手立てがある。
兄はそのことを知っていたはずだ。だからこそ、弟の元へ戻るための枝を折りながら登っていた。
だが、その男は途中で枝を折るのをやめた。
目印を刻むのをやめ、命の綱である灯りに背を向けた。
辿り着けなかったのではない。
戻らない方角へ向かって、誰かと肩を並べ、自らの足で歩いていったのだ。
──────────
【この話に出てきた言葉】
・山の素材
山から出たもの。山の木も、山のものを倒したあとに残る角や羽も、これに入る。
人が作った刃物も銃も、山のものには効かない。効くのは山の素材で作ったものだけ。
角や羽は、強いものほど残りやすい。だから高く売れる。




