第7話 俺の戦術、彼等の戦術 (2)
「よし、まずはAグループからだ」
そう言い、講師が手招きすると、数人の男女が教壇へ向かった。
そして大きな紙を黒板に広げ、発表した。
「私たちが考えた戦術は最初に短時間砲撃をした後、密集陣形で敵塹壕に突撃を開始」
「そして我らの屈強なる精神で敵後方まで突撃します」
俺は唖然とした。
最初の短時間砲撃は良いが、その後の作戦が全く考えられていなかったのだ。
ちらっとエトムントを向くと少し苦笑いしていた。
「なあ、エトムント……本当にここはエリートの集まりなんだよな?」
「……軍が足りない人員をどうにか足りるように未成年や頭脳だけは良い者だけを集めてこうやって一から教育してるんだ」
それを聞いた瞬間この国の未来が少し心配になった。
「いくら足りなくてもコレは酷くないか……」
「兵士は沢山いるんだがなんせ中間管理職というか……真ん中がぽっかり人員が居ないんだ……」
頭が痛くなってきた……
そうエトムントと話しているとAグループは話し終え、Bグループの番となった。
「僕らが編み出した戦術は、長時間砲撃を敵に振らせぶつかる前に損耗させます。その後は様子を見て突撃させます」
「これらの戦術のメリットはむやみに兵士を損耗させず、少ない被害で勝てるということです」
確かに言葉だけで聞くと素晴らしいが……
そう思っているとエトムントがぼそっと言った。
「あまりにも砲撃に頼りすぎてる……地形や補給はどうするのだ……」
俺は静かに頷いた。
そして次はCグループの番になった。
「はい、我らの戦術は騎兵部隊を使い迅速に敵後方に周り、歩兵でもって前後から包囲します」
「そして敵塹壕には砲撃支援を行い、その後は迅速に歩兵部隊を突撃させます」
「ふむ……さっきよりかはだいぶマシになったな」
「だが騎兵隊だけだとすぐに殲滅されるんじゃ?」
そう言うとエトムントはまた苦笑いした。
こうして様々なグループが発表を終わった。
そして講師は最後に俺の方へ向き話した。
「それでは、最後はそこのハルト?さん。お願いします」
「は、はい」
講師の言葉と同時に、教室が静まり返った。
そして生徒たちはコソコソと話し始めた。
「なあ、あいつ俺達の作戦より良いの出すのか?」
「見たところ階級も無いしな」
なんか陰口が聞こえるが無視しながら黒板の方へと向かった。
後ろを見るとエトムントは笑顔で親指を立て応援した。
……なんちゅう笑顔だよ。
そして俺の番となったのだ。




