第59話 いざ実地訓練へ
アルファンスに連れられ、クリストフがいる部屋に入った。
「失礼します、例の4人を連れてきました」
するとクリストフは神妙な顔持ちで言った。
「そこに座ってくれ」
俺達は言われた通り、ソファーに座った。
座る際にエラが緊張のあまり、足がプルプルしていた。
「君たちに重大な報告がある」
固唾を飲み込む音がした。
おそらくアヒムだろう。
「……君たちに模擬演習を行ってもらいたい」
「模擬演習……?」
俺は質問した。
「模擬演習ってつまり一兵士として戦えってことか?」
するとクリストフは説明した。
「ああ……だが一兵士としてではない、小隊長として兵を引き連れてほしい」
「小隊長ですか?!」
クリストフの発言に、カリーナは驚いた。
「私たちはまだ実戦も部隊を率いたことも無いですよ!」
「だからこその演習だろう?」
カリーナは唖然としていた。
すると、エラは「質問いいですか?」とクリストフに良い、許可した。
「実地訓練という事は、相手は誰でしょうか」
クリストフがいい質問だと、エラを褒め言った。
「相手はハンバルク士官学校だ」
「そこは強いのか?」
そう俺が質問すると、クリストフは答えた。
「それはアルファンス少佐が一番知っている、そうだろう?」
アルファンスは話した。
「ええ、彼等はスピードを活かした戦術に特化しています」
「なんで知ってるんだ?」
俺は気になり、アルファンスに聞いた。
「ハンバルク士官学校でも教師をしてたんだ」
「本当かよ……すげぇんだな」
そしてクリストフは付け加えるように話した。
「そしてそこは貴族出身が多い、だからこそ鉄のような掟や教科書通りの戦術だけじゃなく、現場の判断で動けるほど柔軟性は高い」
するとカリーナは言った。
「つまりは任務戦術ということですか」
「ああ、だからこそ君たちの力が必要だ」
アヒムが申し訳無さそうに言った。
「そんな凄い相手を経験がない俺達が戦うとしたら……一瞬で負けてしまうんではないのですか?」
その言葉にクリストフは笑った。
「大丈夫だ、君たちの成績や授業態度も鑑みての結果だ」
「それに君たち全員が協力すれば勝てるはずさ」
俺達はお互いの顔を見つめ合った。
そして、くすくすと笑い始めた。
「確かに、ハルト達と一緒にいれば負けることはなさそうだな!」
「そうだよ、私たちなら行けるわ」
「うん、頑張れるよ」
カリーナやアヒム、エラのやる気が物凄く感じた。
「それで、どうだハルト」
「もちろんやってやるよ、必ず良い結果を残してやる」
その発言にクリストフとアルファンスは満足したような表情だった。
「なら出発はいまからだ」
「「「「今から?!」」」」
息ぴったりのツッコミにクリストフは少し驚いていたが、咳込み説明した。
「本当なら1週間後だったが、少し時間が無いものでな」
俺はその言葉に察してしまった。
そして俺の心を読み取ったのか、クリストフは申し訳なさそうにしていた。
「まああれだ、もし良い結果を残したら……そうだな、何が欲しい?」
その言葉に俺達は悩んだが、カリーナは申し訳なさそうにいった。
「滅相もありません!私達は勝利できたらそれが一番のご褒美です!」
するとアルファンスは笑った。
「なに、ここでは甘えても良いんだぞ?」
「そうだ、なら……将校だけが通えるレストランに招待しようじゃないか」
その言葉を聞いたエラは目をまんまるにして質問した。
「それってもしかして……あの分厚いお肉が食べれるんですか?!」
……もしかしてエラって食いしん坊なのか?
するとクリストフは言った。
「ああ、しかも好きなだけ食べさせてやる」
エラは物凄く喜んでいた。
「では、表に車が止まっている、身支度ができたならば正門に集まってくれ」
そして俺達はウキウキで準備をすることになった。
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俺達は準備を終わらせ、正門に集まった。
「まだ実感がわかないな……」
「本当にそうだよね、勝てるかな……」
アヒムとカリーナが心配になっていた。
俺は励ますように言った。
「大丈夫さ、今まで学んだことをやれば何とかなる」
「そうだよね、大丈夫だよね」
すると後ろからクリストフとアルファンスがやってきた。
「よし、では出発しようじゃないか」
「アルファンス少佐とクリストフ中将も行くのですか?!」
驚いたカリーナに二人は笑顔で頷いた。
「可愛い教え子達の初めての実地訓練ですからね?クリストフ中将」
「そのとおりだ」
俺達は緊張しながら、車にのり、実地訓練が行われる場所に向かった。




